秘密保護法と共謀罪を考える四日市の会

秘密保護法・共謀罪に反対し、その廃止を求めましょう!

選挙分析

2014年12月20日 | メッセージ
このたびの総選挙結果について、メンバーからの投稿を掲載します。


コラム・衆議院選挙 

【新聞の大見出しと実数の格差(これは2012年のコピーだ)】
 12月15日の朝日新聞1面の「見出し」と「各党獲得議席数一覧」に注目してみました。『自公大勝3分の2維持』との大見出しのすぐ横に『各党獲得議席数一覧』があります。
《与党》自民党-3 公明党+4  合計+1
《野党》民主党+11 共産党+13 生活の党-3 社民党±0  合計+21
《右翼政党》維新の党-1 次世代の党-17  合計-18
 結局、大騒ぎした解散総選挙は解散前と与党(自民党・公明党)は全く変化なしの現状維持、2年前に踊った「自民圧勝、公明党とで3分の2獲得」のコピーを改めて示しただけで、いかにも「自民・公明圧勝」との錯覚を与える役割を演じています。これこそ、安倍ブレインの思うつぼです。
 野党では、海江田代表の落選で、民主党の退潮傾向を印象づけていますが、実際には+11で、微増、愛知県では小選挙区で盛り返し、特に3区では「秘密保護法廃止」集会にいつも参加の近藤さんが当選しています。
 共産党は、議席を3倍近くに増やし、21議席を獲得、議案提案権を得て大躍進しました。共産党は既に参議院で議案提案権を得ており、「ブラック企業規制法案」を提出し、提出しただけで、一部ブラック企業が自主規制するという効果が表れています。また、提案権を持たない社民党や糸数慶子さん、山本太郎さんと共同して「秘密保護法廃止法案」を提出しています。衆議院でも、同様の提案が出来るようになったことで、同党の躍進は3~4倍の価値を持つものです。
 一方、右翼政党は、維新の党が「憲法」「安保」での危険性を隠して、「身を切る改革」をアピールして、-1にとどまったのは残念ですが、最右翼の次世代の党を壊滅的に減少させたことは大きな成果です。

【沖縄で「オール沖縄」完勝、自民党完敗】
 沖縄では、圧勝した知事選挙のスキームを衆議院選挙につなげ、オール沖縄で、1区・赤嶺(共産党)、2区・照屋(社民党)、3区・玉城(生活の党)、4区・仲里(無所属)がそろって当選し、自民党候補に競り勝ちました。この『共同』は大変大きな意義を持ちます。孫崎享さんが「共産党が軸になり、本土でもリベラル勢力を沖縄並みに結集して欲しい」とコメントしていますが、是非、新しい共同を形成したいものです。
 ただ、社民党2議席、生活の党2議席で、いずれも衆議院で政党要件を満たさず、発言時間が保証されません。共産党は、この度、予算委員会をはじめ、各委員会で3倍近い発言時間を得たのですから、照屋、玉城、仲里議員に、共産党の時間内で発言時間を保証してあげて欲しいと思います。そうすれば、共同拡大の大きな一歩になるでしょう。
 

丸山真男の文章に学ぶ

2014年12月10日 | メッセージ
丸山真男の文章の中に、次のような記述がありました。

「先日私は『ロベレ将軍』というイタリー映画をみました。・・・私がそのなかでとくに印象づけられた場面の一つとして、刑務所の中の場面があります。そこでは戦争中闇商売をやつていた男が、抵抗運動者やユダヤ人といつしよにつかまつて、今やまさに処刑されようとしている。死刑になるか強制労働にやらされるか、あるいはドイツに送られるかという瀬戸際のところであります。その闇商売をやつていた男は恨めしそうに、同室の囚人たちに対して、さかんにこういうわけです。自分は何もしなかつたのにこういう目にあつた、ユダヤ人でもない、抵抗運動もしたことはない、それなのにこんなにひどい目にあういわれはない、私は何もしなかつた、何もしなかつたと、ヒステリックに叫びます。それに対して元銀行員であつたところのレジスタンスの指導者が静かにこういいます。「私はあなたのいうことを信ずる。しかしまさに何もしなかつたということがあなたの罪なのだ。なぜあなたは何もしなかつたのか。五年も前から戦争が行われている。そのなかであなたは何もしなかつたのです」これに対してその男が「それじやあなたは何をしたのですか」と聞くと、そのファブリチオという抵抗者は、「私は取るに足らない仕事をしました。ただ義務を果そうと思つただけです。もしみんながそれぞれ義務を果していたならば、たぶんわれわれはこんな目にあうことはなかつたでしよう」ということを語ります。

 ここには私の先ほどから話していた問題の核心が、非常に短いが鋭い形で触れられていると思います。つまりそれは不作為の責任という問題です。しないことがやはり現実を一定の方向に動かす意味をもつ。不作為によつてその男はある方向を排して他の方向を選びとつたのです。・・・」(『増補版 現代政治の思想と行動』第三部「政治的なるもの」とその限界 七現代における態度決定 の項、P.456より引用)


1960年の文章だということですが、なんと鮮明に、いま私たちの直面している問題を表現していることかと驚きます。

そして事柄の深刻さを思うと同時に、深い慰めをこの文章から感じるのです。みなさんはいかがでしょうか。

「特定秘密保護法」が施行される今日、人間が戦争の苦しさと犠牲から学び取ってきた「いのち、人権は何にも代えがたく大事。あなた方は殺してはならない。人権を犯してはならない」ということの価値を強く訴えたいと思います。本日は世界人権デーです。

忘れてはなりません。世界の流れは情報公開です。情報がなければ人はものを考えることができません。情報は民主主義の基本です。秘密保護法は民主主義社会を腐らせるものです。人々は主権者なので、黙ってついてくる羊にされてはなりません。


12月6日合同アピールしました

2014年12月08日 | メッセージ
12月6日(土)四日市街頭での合同アピール、寒い中、無事終わりました。参加してくださった弁護士の方からは、何かあったら弁護して下さる!という頼もしい言葉をいただきました。
参加したのは呼びかけ人の当会のほか、「新日本婦人の会四日市支部」、「脱原発四日市市民の会」、「三重県弁護士会人権擁護委員会」、有志として「九条の会よっかいち」の方、、その他個人参加、計22名でした。

各団体がプラカードや横断幕、自由な表現をいろいろ持ちより、それぞれの声で訴えました。知恵と協力によって秘密保護法廃止の思い、施行に抗議の思いを最大限アピールできてよかったです。
筆者はいとうせいこうさんの文章を半日以上掛けて写して書いて、やたら長くなってしまいましたが、内容がとてもいいので持ってみました。

この日、名張や鈴鹿でも活発に行動がされました。場所をはしごした人もいます。




チラシは400枚ほど配れたようです。10時30分から12時前まで、そして配る人がたくさんいたこと、それとやはり関心をもつ人が多かったのではという印象を持ちました。


選挙期間中なので、シール投票を次の項目で2種類行いました。

1.安倍政権の継続に賛成?反対?

賛成6 反対33 選挙までに決める7 そのほか賛成と反対の中間の線上に張った方3 合計50

50名の方が参加してくださったということでしょう。

2.衆議院選挙の争点は何だと思いますか。複数回答可

集団的自衛権12 消費税9 生活・福祉8  景気7  原発再稼働7 秘密保護法6 辺野古基地4 TPP2 (以上多い順に)

1人で反対をた~くさん貼りたいという人もいました。
シール投票をしていると様々な会話が生まれ、少しでも関心を持ってもらうきっかけになります。通行する方が能動的に参加できて、直接話しができるのでとてもいいと思います。けれども、TPPや秘密保護法、辺野古基地の問題などを選挙の争点として関心を持つ人が比較的少なく見え、空恐ろしい気もしました。

シール投票はしてもらえなかったのですが「戦争だけはだめ」と何度も繰り返し呟いて通りすぎて行かれた方、
「消費税増税を早くやらないと間に合わない」って言っていかれた方、
安倍政権の継続に「賛成」のシールを貼られた方と少し話したら
「安倍さんしかいないでしょ。他にいないから消極的に支持している」
「それでも集団的自衛権は問題かな」と言っておられた方、などが印象的でした。
・・・賛成の人と話をするきっかけが出来たのが良かったです。(メンバーの感想より)



さて、施行予定日の12月10日はふれあいモールの東口の方で『戦争協力反対・憲法9条を守る北勢地区連絡会』が呼びかけて施行に抗議するアピールが行われます。当会のメンバーはこぞって参加します。17時30分からです。「こんなのひどい」と感じている人、誰でもみんな、集まれ!



                                    

選挙に行こうーいとうせいこうさんのメッセージ

2014年12月04日 | メッセージ
これもまた素晴らしい記事なので、ご紹介します。
いとうせいこうさんの文章です。
(ブログ:「ポリタス政治」より転載。そこにはいとうせいこうさんの、この文章に寄せる思いも掲載されています。)




一羽の鳥について(あらゆる選挙について)


自分一人が投票したところで何も変わらない、と多くの人は思う。選挙を前にして自分が無力であると感じる。その感覚に傷ついて無関心になる人もいる。

だが、「自分一人が投票したところで何も変わらないと思う一人」が投票すると社会が変わる。

私は何度かそういう選挙を見てきた。

デモも同様である。

「私一人が出かけようが出かけまいが何も変わらないと思う」人が実際に出かけると、それが膨れ上がる列になる。

その時、世界は何かしら変わる(ただし根本的に私は、変わろうが変わるまいが思ったことを主張しに出かければよいだけだと考えるのではあるが。そもそも世界を変えたい場合、有効性ばかりを先に考えることは無意味だ。なぜなら変わる前の世界から見た有効性の基準は必ず「古い」から)。

がらりと世界が変わることもある。それはほとんど次元の移動のようだ。今生きている世界から別の世界に、人は突然接続する。私は決して疑似科学を語っているのではない。

これが選挙の謎なのである。

代議制の、つまり多数の者が少数を選び、選出された者に政策をまかせるシステム、すなわち民主主義の厳密な数学、ないしは物理学がこれである。

多数の者が少数の権力者に影響を与えるわけだから、それはデモの謎でもある。

渡り鳥は飛び立つ時間をあらかじめ知っているのではなく、みんなで行きつ戻りつするうち突然旅に出る

私が変わると「私たち」が変わる。

私が行かない投票には何千万人かが行かない。

私が行く投票には何千万人かが行く。

特に浮動票と言われる「私たち」は渡り鳥のようなものだとイメージしてもいい。渡り鳥は飛び立つ時間をあらかじめ知っているのではなく、みんなで行きつ戻りつするうち突然旅に出る。

その時、どの鳥が出発を決めたか。

最後はリーダーが決まってくるとしても、飛ぶ群れの起源を遡ればどうなるか。

「私」という一羽の鳥が、としか言えないのではないか。

ある種の「政治不信というキャンペーン」によって「無力」さを刷り込まれているのだ

さて、もしもあなたが「私たちが変わったところで政治家が変わらないのだから意味がない」と思うなら、それはそれである種の「政治不信というキャンペーン」によって「無力」さを刷り込まれているのだと私は考える。

国民が「政治不信」になればなるほど、組織票を持つ者が好き勝手にふるまえる。

むしろ無力なのは選挙に落ちるかもしれない政治家の方だということを思い出して欲しい。

選挙期間というのは「無力」さの逆転が起きる時間なのであり、結果を決めるのは例の「私たち」以外にない。

つまり「私」以外に。

その時「力」はどちらにあるか。

あなたにある。

これが選挙というものの恐るべき、スリリングな本質だ。

衆院選挙ですー海渡雄一氏のメッセージご紹介

2014年12月01日 | スケジュール
本日記者会見で公開された海渡雄一弁護士のメッセージです。
筆者は全く共感しますので、ご紹介いたします。
選挙に行きましょう!

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                      2014年12月1日

秘密保護法成立を強行した安倍内閣を許さない

          海渡 雄一(「秘密保護法」廃止へ!実行委員会)

12月10日に迫る法の施行

安倍政権が市民の大きな反対の声を無視して秘密保護法を強行採決した屈辱の12月6日からまもなく一周年がめぐってこようとしている。政府は、よりによって総選挙中のしかも「世界人権デー」の12月10日に「21世紀最悪」とも評されるこの悪法を施行しようとしている。
秘密保護法の下では、なにが秘密にされるか分からない。ちゃんと秘密が指定されていることを確認する手続きがない。まともな第3者機関もない。そして何よりも「政府に不都合なことを秘密にしてはいけない」という当然のことがこの法律の中には書かれていないのだ。そして秘密を漏えいした公務員だけでなく、これを取得し、あるいはしようとしたジャーナリスト・市民にも最高懲役10年の重刑が予定されている。

戦争は政府のウソからはじまる

内外の現代史をひもとけば、隣国への敵意を煽る誤った情報によって戦争が始められた事例には事欠かない。1931年9月18日、日本の所有する南満州鉄道の線路が爆破された柳条湖(りゅうじょうこ)事件が、関東軍高級参謀板垣征四郎大佐と関東軍作戦主任参謀石原莞爾中佐らが仕組んだ謀略事件であったことは、今では誰もが知ることのできる客観的事実である。しかし、事件当時、大阪朝日新聞は、高原操編集局長の下で、柳条湖事件について「この戦争はおかしいのではないか、謀略的な匂い、侵略的な匂いがする」と報道していたという。しかし、在郷軍人会などが組織した激しい不買運動を受け、10月12日の役員会議で高原編集局長は次のように述べたことが憲兵調書に記録されている。「今後の方針として、軍備の縮小を強調するのは従来のごとくなるも、国家重大の時に際し、日本国民として軍部を支持し、国論の統一を図るは当然のことにして、現在の軍部及び軍事行動に絶対批判を下さず、極力これを支持すべきこと」(半藤一利・保坂正康『そして、メディアは日本を戦争に導いた』2014 東洋経済新報社 51-52ページ)
秘密保護法は集団的自衛権の行使容認、憲法改悪と一体となった、戦争をはじめるための政策の一環なのである。

秘密保護法は民主主義の中枢をむしばむガン

安倍首相は、秘密保護法は普通の市民生活には無関係だと述べた。本当に無関係だろうか。政府が自らに都合の悪い重要な情報が秘密にできるなら、原発事故が起きても、正確な情報は市民に提供されないまま、無用な被曝を強いられるだろう。隣国への敵意を煽る謀略に乗ぜられ、誤った戦争にも賛成してしまうだろう。
安倍首相の述べる「普通の市民生活」とは、主権者として知る権利を放棄し、真実を暴いていくようなジャーナリズムと市民の活動を断念するところに成立するものだ。
 施行の時期が近づくにつれ、市民の間には基地や原発の監視活動を今までどおり継続していて大丈夫かという危機感が高まっている。適性評価制度の対象とされる公務員や情報提供を求められる医師の間にも懸念が深まっている。この法律が成立したことにより、政府の指定する特定秘密に触れる可能性のある活動には一定の危険性が生じている。政府情報に迫るジャーナリスト、原発や基地の監視を続けている市民活動家、武力紛争地域で人道支援活動に取り組む国際協力NGOなどには、これまで政府から得られた情報が得られなくなるなどのさまざまな影響が生じてくる可能性がある。秘密保護法は共謀や独立教唆、煽動まで取り締まっているので、特定秘密に触れるところまで行かなくても、嫌疑をかけられる危険がある。しかし、我々が萎縮して、これまで遂行できていた市民活動を断念してしまうようなことは政府側の思うつぼだ。

秘密保護法廃止運動の到達点

法律が制定されたあとも、我々はこの一年間粘り強く廃止運動を全国で続けてきた。署名活動に取り組み、国際シンポジウムを開催し、運用基準などに関する政府のパブコメにも多くの意見を提出した。2014年7月、国連自由権規約委員会は、規約19条にもとづいて、秘密指定には厳格な定義が必要であること、制約が必要最小限度のものでなければならないこと、ジャーナリストや人権活動家の公益のための活動が処罰から除外されるべきことを求めた。忘れっぽいとされる日本の社会の中で、このような運動は画期的なものである。我々の施行反対の声に応えて、衆院解散前の国会に、共産党、社民党などによる秘密保護法廃止法案、民主党などによる施行延期法案が提出された。自民党の中からも秘密保護法に対する懸念の声がようやく高まっている。

安倍政権の暴挙を心に刻む衆院選の投票を呼びかける

衆議院の解散により、時ならぬ総選挙が闘われている。我々は、安倍政権の一年前の暴挙をしっかりと心に刻み、この選挙で、秘密保護法の制定に手を貸した安倍政権与党とその国会議員に厳しい歴史的審判を下さなければならない。我々は、解散総選挙により国会の「監視機関」すら機能しない中で強行される12月10日の施行を許さない。そして、我々は、この法律の威嚇に萎縮することなく、秘密保護法の廃止を求めて闘い続ける。