斬り捨て御免塾!!

☆エンタメ毒舌レビュー集☆

SAYURI

2005年12月22日 | 映画

観てきました『SAYURI』。(原題『Memoirs of a Geisha』)
普段はあまり劇場まで足を運ぶことのないわたくしですが、日本が舞台になっているハリウッド映画で、
しかも主役がチャン・ツィイーとくれば、劇場まで観にいかないわけにはまいりません。



太平洋戦争の足音が忍び寄る京都の花街を舞台に、芸者たちの哀しい生き様を描いたこの映画。
外国映画(特にハリウッド映画)が描く日本の風景が正確であっためしはないというセオリー通りに、
この『SAYURI』で描かれた日本も、微妙に実際の日本とは違ったエキゾチックジャパン。
戦前の京都というよりも、映画『ブレードランナー』で描かれた近未来都市内のリトル東京といった趣。

誤った日本観をそのまんま確信犯的に映像化する無知なハリウッド関係者に怒りを覚えるのは、日本人として当然の心理。
しかし、一番大切なのは日本の外面を正しく描写することではなく、日本人の魂を正しく描写することなのです!!
ですからわたくしは、「これって京都じゃなくて香港の貧民窟じゃん!!」などとイチイチ目くじら立てるような無粋な真似は
いたしません。

 

とは言え。
日本人の美意識の体現者である芸者の生き様を、『SAYURI』が寸分の狂いもなく正確に表現できているのかと問われれば、
正直、「微妙~」と言わざるを得ない部分もなきにしもあらず。
この映画に出てくる女性たちは「芸者」というよりもむしろ、「花魁」といった方が正しいような気が・・・・。
それほどまでに、出てくる芸者のテンションは高い。

いっそ
「京都の花街」を舞台にするのではなく、「江戸の吉原」を舞台にしたハリウッド版『吉原炎上』
してくれたほうが、個人的には楽しめたように思うのです。

劇場版 吉原炎上DSTD-2128 


吉原炎上

吉原の遊郭に売られてきた貧しい女たちが、哀しい運命に
人生を翻弄されながらも逞しく生きる様を豪華絢爛な映像で
描いた壮大なドラマ。

ビッチを演じさせたら天下一品な
かたせ梨乃、西川峰子、藤真利子、二宮さよ子、名取裕子などが
血ヘドを吐きながら迫真の演技を披露している傑作。


【商品情報】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00006F23W/249-8786804-6069925



さてさて。
『SAYURI』の見所は、なんといっても豪華な女優たちの競演!!
これにつきると思います。

世界を代表するアジアンビューティー、チャン・ツッイーはもちろんのこと、


中国映画界きっての実力派コン・リー


マレーシア生まれの香港スターミシェル・ヨー

日本からは個性派女優として大人気の桃井かおり


そして今、最もハリウッド女優に近い日本人、工藤夕貴


東洋を代表する女優たちが一堂に会するなんて夢のようではありませんか。彼女たちの火花を散らす演技合戦は、
見ていて本当にワクワクしました。もうストーリーなんか、どーでもいいんです。



遊女にしか見えないコン・リーのアッパレな崩れ方も良かったし、
映画『グリーン・デスティニー』に引き続いて姉妹の契りを結んだチャン・ツッイーミシェル・ヨーにも興奮。
いつ二人が剣を構えて戦い出すのかとハラハラ。(戦いません)

英語のセリフを話しているにも係わらず相変わらず「かおり」ワールドを全身から醸し出していた桃井かおりの存在感も凄い。
コン・リーやミシェル・ヨーと互角以上に張り合ってました!!

そして工藤夕貴。「カボチャ」というニックネームの不細工な芸者を、ハリウッド仕込みの貫禄のセリフ回しで演じきってました。
「東洋の神秘」が通用しないブスな夕貴が、ちょっと気の毒。
かつては『ヒマラヤ杉に降る雪』というハリウッド映画で主演を務め、殺人事件の容疑者にしてイーサン・ホークに長年慕われ
続ける神秘の美女という難しい役どころを演じていた夕貴。やはり役に無理があったのか、その後ハリウッド映画に出演する
機会に恵まれませんでしたが、『SAYURI』をきっかけにまた、ハリウッド映画関係者の目にとまるといいですネ。

それと、SAYURIの少女時代を演じていた大後寿々花もとても素晴らしい。
将来の大女優を期待させる、とても雰囲気のある瑞々しいオーラのある女優さんではないでしょうか。




『SAYURI』には他にも、チョイ役で「舞の海」が出てました。

ストーリーとはあまり関係のない、大相撲のシーンで出ていたのですが、舞の海がスクリーンに映った瞬間、
観客はどよめいてました。現役を引退したものの、ハリウッド映画の中で元気に相撲をとるシーンを見られたことで、
わたくしを含めた観客の皆さんは大盛り上がり。

このように、ハリウッド映画の中に思わぬを有名日本人を発見して盛り上がってしまったという経験が、かつてありました。

昔、『アルマゲドン』という映画を劇場で見ていたとき。なぜか唐突に「松田聖子」が出てきて、観客が大きくどよめいた
ことがございます。間の悪いことにそのシーンは、ニューヨークに大量の隕石が降り注いで街を破壊するという
緊迫の場面であり、しかも松田聖子は呑気にタクシーの中で「早くショッピングしたいわ!!」と叫んでいたのです。
「なぜ松田聖子が、こんなところに!!!」
観客の動揺がピークに達した瞬間、松田聖子は落ちてきた隕石に潰されて無事にスクリーンから消えていなくなりましたが。

あの時すべての観客が共有していた白けきった気まずい空気感・・・。今思い出しても居たたまれません。
もう二度と松田聖子はハリウッド映画には顔を出さないでもらいたいと、今更ながら思います。


話しがだいぶそれてしまいましたが、『SAYURI』は豪華出演陣を楽しむという意味では、とてもよく出来た映画です。
ストーリー自体は、それほど面白いという感じではなく、泣けるラブストーリーを期待すると失望するかもしれません。
しかし、映像は美しい。そして俳優たちの動きが絵のように決まっています。

「異国情緒あふれる耽美な京都」を堪能するには最高の映画だと思いますので、恋人同士、または夫婦で『SAYURI』を
観に行って、郷ひろみの如くエキゾチックジャパーーン体験してみてはいかがでしょうか☆

【関連リンク】
SAYURI 公式サイト

トンデモ映画の世界②

2005年12月15日 | 映画

昨日から始まった【トンデモ映画の世界】
日本がまだオラオラに元気だった「1960年代」をキーワードに、当時公開されたトンデモ日本映画を
紹介してみようというこの企画。

前回は『秘録おんな牢』『続 秘録おんな牢』を紹介しました。
そして今回紹介するのは―――――







『秘録・おんな寺』
主演はもちろん、安田道代

「牢」では飽き足らなくなり、今度は「尼寺」を舞台に道代が暴れまくります。
しかも、キャッチコピーはさらなる過激化の一途を辿り、


抱いた美男を死ぬまでなぶり、美女は裸で責め殺す!!!
 女を救う女の寺で痴情に明け暮れる女の集団!!!


・・・・・・だって。
もうホラーなんだかコメディなんだかよくわからないヤケクソっぷり。
「もういい加減にしなさいよ」と思わずツッコミを入れたくなりますね。ここまでくると。


さすがに映画会社も、理由もなく美男をなぶり殺したり退屈しのぎに美女を責め殺したりする
のは良くないと思ったのか心機一転、さらなる続編を作ります。↓








それがこれ、『尼くずれ』
気になるコピーは・・・・

姿は尼だが、中身は凄い!!
 女になりたい、くずれてみたい、いっそ地獄の底までも!!!


・・・・・。
なんともただれた感じのする宣伝文句
主演はもちろん、安田道代
女因やったり、くずれた尼をやったりと、キング・オブ・ヨゴレの栄冠を欲しいままにする安田道代。
もう誰にも彼女を止めることはできません。

映画関係者の方には是非、瀬戸内寂聴を主役にした平成版『尼くずれ』のリメイクを検討していただきたい。

ちなみに、「秘録シリーズ」では他にも、江戸城大奥を舞台にした『秘録 おんな蔵』という映画もあります。
さらにちなみに、この安田道代という女優は現在、「大楠道代」という名で映画を中心に女優活動を続けております。
最近では、寺島しのぶ主演の『赤目四十八瀧心中未遂や、ビートたけし主演の『座頭市』なんかに
出てました。
酒焼けしたようなダミ声の痩せたオバちゃん、覚えてませんか??
道代も今やすっかり年を取って、場末な路地裏が似合うただのババアになってしまいましたが、
40年ほど前は煌びやかな映画業界の中に燦然と輝くトップ女優だったのです・・・・。時の流れって、残酷ね♪









そして最後に紹介する映画はこれ。
『ダンプ・ヒップ・バンプ くたばれ野郎ども』

いきなり、「くたばれ野郎ども」と言われても戸惑うばかり。
ポスターをじっくり見ても、これが一体どんな内容の映画なのかさっぱりわかりません。
てか、大映がどういうコンセプトのもとにこの映画を作ろうとしたのか想像すらつきません。
その場のノリだけで作ったのでしょうね。

しかもキャッチコピーがまた強烈。


ボリウム、馬力はダンプ級!!ケツ圧最高ヒップで勝負!!!
 ボイーンで一発、悩殺パンチ!!!モーレツ艦隊堂々出撃!!!

・・・・・・・・まったく意味がわからない!!!

ケツ圧最高のヒップで何の勝負をすると言うか。
ボイーンで誰に悩殺パンチを喰らわすと言うのか。
モーレツ艦隊って・・・・一体何!!??


こんなにも安い雰囲気かつ意味不明な映画を作れてしまうほどに、
当時の日本は平和だったということでしょうか??


宣伝ポスターを見るだけで脳死状態に陥りそうなこの映画は、昭和という時代が生んだ、立派な国産兵器である!!
今こそ自衛隊はこの映画『ダンプ・ヒップ・バンプ くたばれ野郎ども』を携え北朝鮮に乗りこみ、
ジョンイル君に見せるべきである。そして彼の圧制に苦しむ民を、悪辣非道な社会主義から解放してやるべきである。
わたくしはそう願わずにはいられないのである。
それではみなさん、今日はこの辺でさらならなのである。

【関連リンク】
★大映ビデオミュージアム 秘録女因シリーズ


トンデモ映画の世界①

2005年12月14日 | 映画



私刑、乱斗、同性愛、女が獣と化す異常の世界!!!

・・・・・・という大袈裟なキャッチコピーのついたこの映画。
タイトルは、
『秘録・おんな牢』。1968年の大映映画です。
主演は
安田道代

安田道代を知ってる方は少ないと思いますが、当時の大映が誇る若手人気女優
今でいう、「松嶋菜々子」「長谷川京子」「矢田亜希子」みたいな存在でしょうか。
そんな松嶋的女優が演じたのが『秘録・おんな牢』・・・・・・。(もちろんポルノ映画ではありません
)

それにしても、
『私刑、乱斗、同性愛、女が獣と化す異常の世界!!!』って、
一体どんな世界なのか。放課後の女子高だとか、主婦系ブログの深夜のオフ会みたいな感じ??

どちらにしても、現代に生きる我々には想像すらつかない、ハイパーアブノーマルな世界であろうことは
間違いなさそうです。当時(60年代)の日本人にとってはかなり衝撃的な映画だったことでしょう。

40年近くもの昔に、こんなエグい映画を作った大映は、やっぱり凄い!!!
大映の目論見通りにこの映画は大ヒットしたようで、続編が作られました。↓






これが『秘録・おんな牢』の続編、『続 秘録・おんな牢』
キャッチコピーはさらに過激になり、

裸になりな!!銭だしな!!女ならではのえげつなさ!!!
 手ごころ知らぬ地獄のリンチ!!!はじめて暴かれた女因の実態!!!


・・・・・だって。コワーイ♪
もちろん主演は引き続き、安田道代です。日本一の女因顔女優の栄冠を勝ち取った道代。
捨て身の演技で女因を熱演する道代の女優魂には脱帽です。
今の芸能界で、ここまで自分を捨てられる若手女優が果たしているでしょうか??

個人的には菅野美穂の主演でリメイクしてほしいわ。
共演は、小池栄子、青木さやか、大塚愛、モーニング娘(初期メンバー含む)あたりが理想的。
絶対に大ヒットすると思うのです。キャッチコピーは現代風に、


裸になりな!!銭だしな!!女ならではのえげつなさ!!!
 手ごころ知らぬ楽屋のリンチ!!!はじめて暴かれたのアイドルの実態!!!


または、

私刑、乱斗、同性愛、芸能人が獣と化す異常な業界!!!

・・・みたいな。

映画関係者には是非、真剣にリメイクを検討していただきたい。
純愛映画ばかりが受ける軟派なこの時代に喝を入れられるのは、「おんな牢」しかありません!!


【関連リンク】
ゴマキ新境地!禁断の“レズ三角関係”ドラマの主演に (サンケイスポーツ) - goo ニュース


☆岩下志麻☆新・極道の妻たち/覚悟しいや!!

2005年12月02日 | 映画


《東映 1997年》
監督:
山下耕作
原作:家田荘子
出演:
岩下志麻/かたせ梨乃/梅宮辰夫/中尾彬/草刈正雄/


昨夜、BGM代わりにつけていたテレビから聞えてきたわざとらしい大阪弁。
何事かと思いテレビに目を向けてみると、岩下志麻かたせ梨乃が映ってました。

(岩下志麻+かたせ梨乃)×大阪弁+品のない男たちの群れ

そう、答えは簡単。『極道の妻たち』である。
もはや日本映画の伝統芸ともなった「ヤクザ映画」。
ヤクザ映画とともに日本の映画産業は発展してきたと言っても過言ではありません。
つーか、わざわざ映画館に足を運んでまで邦画を観るような人間は、失業者かヤクザ
と昔から
相場が決まっておりました。

(※最近は安いお涙頂戴映画とシネコンの増加により、若い堅気の人たちも邦画をよく観るようになりましたが)

そんな、映画をこよなく愛するヤクザの皆様に熱狂的に支持されたのか、この『極道の妻たち』シリーズであり、
同時に、主役を演じた岩下志麻の当たり役にもなったのでございます。

現在までに製作された『極妻』は15作。その内、岩下志麻が主役を務めているのが、8作。
いかに岩下志麻が筋者たちに愛されているかがわかるというもの。
わたくしも何作か、(テレビで)見ましたよ。

もちろん、「極妻を見よう!!」という明確な意志のもとにチャンネルを合わせたのではなく、たまたま合わせ
たチャンネルが極妻だったという話しなのですが・・・。それでも一度見てしまうとなかなかチャンネル
を変えられない"何か"が、画面から呪いのように漂っているのです。
ヤクザだけではなく、一般市民のハートまでもを掴んでしまう"何か"が、この映画には確かにある。
では、その"何か"とは何か??

わたくしは五感を研ぎ澄ますようにテレビ画面に見入り、考えました。
そしてひとつの結論に達したのです。


映画『極道の妻たち』はハードボイルドとコメディの狭間を

微妙なバランス感覚で走り抜けるファンタジー映画である!


・・・・と。
つまり、全然リアリティーがないのです。
わたくしはヤクザの世界のことはよくは知りませんが、それでも『極妻』に描かれているヤクザの世界が
現実のヤクザの世界とは似て非なるものであると認知できるだけの理性は持っております。
ヤクザの皆様も、当然そのことは承知のはず。なのになぜ、ヤクザの皆様はこんなにもこの映画を愛しているのか・・・・。

ファンタジーだからです。
すべてがお約束ごとで進行する、アンリアルな物語だからです。

威勢はいいが頭のネジが緩んだ組長と、そんな組長を影で支えるしっかり者の岩下志麻。
そこにエモーショナルなアバズレである、かたせ梨乃が絡んできて話しを引っ掻き回し、全面抗争。
ついにブチキレた岩下志麻がマシンガンをぶっぱなして見事大団円・・・・。

極妻シリーズは、(おそらく)すべてがこのパターンの繰り返し。
志麻の怒りが頂点に達して、「覚悟しいやっ!!!」と発狂するまでの緩い展開を、
我々は煎餅をかじりながら安心して見ることができるというわけ。

そしてもうひとつ重要なのが、岩下志麻の妙に下手な芝居
立ち振る舞いこそ凛として迫力がありますが、わざとらしいほどにドスを効かせて
話す大阪弁が、笑っちゃうくらいトホホなのです。まさにアンリアルの極地。

梅宮辰夫の演技もひどかった。
「あんた本当に俳優かいなっ!!」とツッコミ入れたくなるほどのセリフ棒読み&表情のなさ
仲間に裏切られて殺されるのも当然と納得できるほどに、親分としての威厳はゼロでした。

そして今回は、岩下志麻の暴走っぷりも凄かった。
突然ぶらりと南国に旅に出た岩下志麻が気だるげにヨットハーバーを歩いていたかと思えば、いきなり
見知らぬ外国人の頭をウイスキーボトルでカチ割り、「オホホホ」と高笑い。さらには行きずりの男とベッドインして
アクメに達し、その表情をこれでもかこれでもかと執拗なまでのドアップで映す無駄なサービスショットの数々。
全然サービスになってないっての・・・。
梅宮辰夫の死に顔よりも恐ろしかったです。岩下志麻の絶頂顔


それにしても、血で血を洗うヤクザ映画でありながら、この映画の緊張感のなさは一体どうしたことか。
まるで、田舎の目立ちたがり屋の商店街役員たちが「市民の皆さんに我々の芝居を
見てもらおう!!」と公民館を借り切って芝居を上演したはいいものの、誰もが脚本を無視して
好き勝手なことをやり出してついには収拾がつかなくなってしまった――


そんな、勢いだけの破綻した田舎芝居を見せられたような気にさせられるのです。
でも…、と言うかだからこそと言うか、見ていて全然飽きません。

「ほら、見てよ!!酒屋のご主人、あんなバカなことやってるわよ!!」
「あら、やだ!!スナック銀杏のママが豪快な階段落ちしてるわ!!」

身近な人が舞台の上で狂っている姿を見るような微笑ましい気持ちになれる映画、
それが『新・極道の妻たち 覚悟しいや』だと思うのです。



薬師丸ひろ子に次いでマシンガンが似合う女・岩下志麻と、負け犬のアバズレを演じさせたら天下一品のかたせ梨乃が
最強のタッグを組んだ『極妻』シリーズ。これは奇跡的な偶然が重なってできた、笑えるファンタジー映画です。
ヤクザ版『ハリー・ポッター』と言ってもいいのではないでしょうか。


最近は岩下志麻の代わりに、高島礼子が「極道の妻」を演じているようですが、はっきり言って全然サマになってないのよね。
高島礼子がいくら気張ってマシンガンをぶっ放しても、気の触れた小料理屋のママにしか見えないもの。
岩下志麻のような「浮世離れした風格」がないのはもちろんだけど、なんといっても女優としての格が違いすぎる。
そもそも旦那がチンピラである高島礼子に、大親分の妻を演じられるわけがないわ。

だからこそ岩下志麻にまた「極道の妻」を演じて欲しい。そしてまた、ヤクザの皆様とわたくしを楽しませて欲しい。
そう切に願っています。新しい映画のタイトルは



『極道の象印夫人』


これでどうでしょうか。
「象印夫人」のCMで見せたコミカルな演技と、目ヂカラのみで人を殺傷できる独特の存在感を存分に生かして、
是非とも新たな「極道の妻」を演じていただきたい。
共演はもちろん、志麻の渾身の目ヂカラを唯一レシーブできる女、かたせ梨乃でお願いしますよ!

(※正確には、かたせ梨乃以外にも小川真由美が志麻の目ヂカラをアタックできますが)




【関連リンク】
☆象印夫人の部屋☆


スター・ウォーズ エピソードIII/シスの復讐②

2005年11月25日 | 映画
『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』のDVD買いました!!
もちろん劇場にも観にいきましたよ。

それくらい、わたくしにとって『スター・ウォーズ』は大好き&思い出深い映画。
1977年に『スター・ウォーズ』第一作が公開された時から見ているんですもの。

当時はまだ小学校の低学年。(現在18才です。イヒッ)
字幕なんかまともに読めませんでしたよ。
それでもドキドキワクワクしながらスクリーンに見入って楽しんだ記憶があります。
それくらい、スター・ウォーズ体験は衝撃的だったのです。



あれから約30年。
「スター・ウォーズ」シリーズはついに完結しました。

今回の『エピソード3/シスの復讐』では、正義の味方であったはずの
アナキン・スカイウォーカーが暗黒面に堕ちて、悪の権化ダース・ベイダーに
なるというファン待望(?)の物語。

善良だった人間がなぜ、悪の道へと走ってしまうのか。

メタフィジックなこのテーマに、娯楽SF映画がどう斬りこんでいくのか…
わたくし、とても楽しみにしていました。で、結果は・・・・

アナキン、あなた
悪と善の間で葛藤する暇もなく、一瞬にして悪の権化になってない??


やはり娯楽SF映画に高度な心理描写を期待したのが間違いだったのでしょうか。
ひたすらアナキンのバカっぷりが目につきました。
同情の余地がありません。軽率すぎです。アナキン。

「言うこと聞かないと仕事をまわしてやらんぞ!!」と脅迫され、人命と個人的利益の間
で葛藤した結果、構造計画書を偽造して暗黒面に堕ちていった某一級建築士のような
生々しいドラマを、この映画からは感じ取れないのです。

ま、でも
ダース・ベイダーファンの男性からしてみれば、これで充分なのかもしれませんね。
悪の権化であるダース・ベイダーって本当は、繊細で傷つきやすく一本気な性格した男であり、
そんな強くて脆いベイダーに自己を投影させて涙を流せる自分がたまらなく好き♪

・・・みたいな感じで観ていたのかしらん。世の男性たちは。
少なくともジョージ・ルーカスはそういうタイプの男ね。公開前に、
「この映画は泣けます!!!」と堂々と言っていたもの。

わたくしはむしろ、アナキンのあまりのダメ人間ぶりに泣けたわ。

なにが史上最強のジェダイの騎士よ。
あんたなんてただの、
宇宙最強の駄々ッ子じゃないのよーー!!!

そんな苦々しい気持ちで、アナキンが暗黒面に堕ちてゆく様子を眺めておりました。
かといって、この映画が駄作かと問われれば、それは違います。

この映画は壮大なサーガの一部であり、ほんのoneエピソードにすぎません。
シリーズ6作を通してみれば、そのスケールの大きさに圧倒されるのは間違いなし。
「感動」を通り越して「感嘆」すること請け合いです。


ただ個人的には、エピソード1~3よりも、エピソード4~6の方が好き♪
魅力的なキャラクターたちの縦横無尽な活躍が、ひたすら楽しいです。

どんなにCG技術が発達しようとも、映画に「命」を吹き込むのは結局は、
個性的で魅力的な俳優たちなのだということがよくわかります。


『スター・ウォーズ』という映画を一言であらわすとすれば、
悪の仮面をつけたアホな駄々ッ子が宇宙を引っ掻きまわす最高の悲劇的喜劇。


そんな映画に強く惹かれてしまう自分のことが、実はとっても好きなのでありました☆





※こんな商品が発売されるほど、ダース・ベイダー人気は凄まじい。



※似たような商品が!!
 性の暗黒面に堕ちた某芸能人の「黒ひゲイ危機一髪」ゲーム。



【関連リンク】
☆Amazon.co.jp:スター・ウォーズ エピソード3 /シスの復讐 DVD

☆スター・ウォーズ トリロジー DVD-BOX

◎TOMY 黒ひゲイ危機一髪


スター・ウォーズ エピソード3 / シスの復讐

2005年11月25日 | 映画

 
スター・ウォーズ エピソード3 / シスの復讐


監督・脚本: ジョージ・ルーカス 

出演: ヘイデン・クリステンセン
    ユアン・マクレガー
    ナタリー・ポートマン




もう見ましたか?? スター・ウォーズのシリーズ完結篇。
まだ見てない方のために、【
スター・ウォーズ エピソード3 / シスの復讐】の
ダイジェスト版をここにお送り致しましょう…。



     


「スパゲティー食べたでしょ??」



「食べてないよ」



「ケチャップ、ついてるやん」



「食ーべーまーしーた!!」



「私のクーポンマガジン使って??」




 



「使ったような気がします。クーポンマガジンのホットペッパー!!!」





 




こうしてアナキン・スカイウォーカーは
フォースの暗黒面に堕ちるのであった……。


     


【関連リンク】
★ホットペッパーCM劇場 「食べました」篇

スター・ウォーズ エピソード3 / シスの復讐 公式サイト


アマデウス

2005年11月10日 | 映画

監督: ミロス・フォアマン
出演: F.マーリー・エイブラハム/トム・ハルス/エリザベス・ベリッジ

天才作曲家モーツァルトの才能に嫉妬した末に殺してしまった
宮廷作曲家サリエリの物語。

絢爛豪華な映像と芳醇な音楽が溢れる、視覚的にも聴覚的にも
たいへん贅沢なステキ映画です。
わたくしが一番大好きな映画でもあります。
(二番目に好きなのは『グリーン・デスティニー』です。ドウデモイイ?)

モーツァルトといえばクラシック音楽愛好家でなくてもファンは多く、
特に日本人には大変人気がある作曲家ですね。

ただ、コアなクラシックファンである自分には、モーツァルトの音楽は
軽すぎて物足りませんが…。陰鬱な激情に満ちたロシア音楽や、
華麗で優雅で軽薄なロマン派の音楽が好きよ♪ ドウデモイイ?

さて。
この映画は、モーツァルトの人物像を、非常にリアルに描いていることでも
話題になりました。つまり、下品で変態で酒乱な男。しかしモーツアルトが
変人であったという事実は、クラシックマニアの間では周知で羞恥なこととして
知られています。(モーツアルトにはスカトロ趣味があったということです)

一方、
もう一人の主人公である宮廷作曲家アントニオ・サリエリについては
その音楽も人物像も、クラシックマニアの間でもほとんど知られておりません。
つまり歴史に名を残すことが出来なかった、負け組作曲家というわけです。

そんな負け犬サリエリが、勝ち犬作曲家モーツアルトに激しい嫉妬の炎を燃やし
殺害を計画。げに恐ろしきは男の嫉妬、というわけですね。

しかし、よくよく映画を見てみると、サリエリがモーツァルトを殺してやりたい
と思っている本当の理由は
音楽的才能への嫉妬ではなく、そのバカっぷりが許せないという
非常に低次元な理由であることがよくわかるのです。

サリエリが所属する当時(1700年代)の貴族社会においては、
なによりも高潔で敬虔な人間性が必要不可欠であったのはよくわかります。
そんな中に、礼儀も常識も欠いた無邪気なバカであるモーツァルトが
「音楽的天分」のみを武器に乗り込んできて、貴族や皇帝の尊敬を得、
サリエリの作曲した音楽までもコケにする・・・・・。

人一倍禁欲的で礼節を重んじるサリエリにとっては耐えられない屈辱だった
のでしょう。挙句に、片想いしていた女まで寝取られて、サリエリの怒りは
ついに爆発するわけです。

「偉大な才能と人間性は必ずも比例しない」

劇中でサリエリがそう嘆いた言葉が非常に印象的でした。
現代ではむしろ、突出した才能の持ち主は変態ばかりである
という事実が公に認知されております。それは芸能界を見ればよくわかります。


サリエリの悲劇の原因は「凡庸な才能」ではなく、その「生真面目な性格」に
あったということを、この映画はゴージャスな映像の中で教えてくれるのです。
クソ真面目な堅物
よりもあけすけな馬鹿が愛される
のは、昔も今も変わらないのかもしれませんね☆



【関連CM】
映画『アマデウス』のパロディー/ ホットペッパーのCM「まだ伴奏」篇

◇◆アマデウス ― ディレクターズカット スペシャル・エディション◆◇

ターミネーター3

2005年11月10日 | 映画

監督: ジョナサン・モストウ
出演: アーノルド・シュワルツェネッガー/ニック・スタール/クレア・デインズ/


「続編(Part2)は成功しない」のジンクスを破った
数少ない作品が『エイリアン』と『ターミネーター』だった。
しかし、「続編の続編は成功しない」のジンクスは
いまだ破られていない。

思うに『ターミネーター3』の最大の敗因は
キャストにあると思う。

野暮ったいヒロイン。
華のない敵キャラ。
成長しすぎて親父顔になった主人公。
そして老いさらばえたシュワルツネッガー……。

第一作からのファンにしてみれば、なにか悪い夢を
見ているような気にさせられてしまう。
しかし、ふと気がついた。

「これってもしかしたら、『ターミネーター外伝』??」

不屈の闘士サラ・コナーが白血病などという乙女ちっくな
病で死んでいたのも、
人類救済に目覚めた少年戦士ジョン・コナーがただのヤク中の
チンピラになっていたのも、
不死身のはずのターミネーターがシワシワの老人顔になっていたのも、
前作・前々作の苦労を嘲笑うかのように核ミサイルが成層圏を飛び交うのも、
すべてパラレルワールド内の出来事だったと思えば納得がいく。

つまりこの映画は、前作・前々作とは無関係な「外伝」なのだ。
シュワルツネッガーがカリフォルニア知事選挙に出馬するための選挙資金を
稼ぐためだけに企画されたトンデモ映画だったのである。

当然、「続編の続編は成功しない」というジンクスも当てはまらない。
「外伝」には成功も失敗もない。
ただ単純に腹をかかえて笑いながら楽しめばいいだけの話しなのである。



【関連記事】
★ターミネーターは弱かった=シュワ知事、住民投票で大敗北★

【関連画像】老いさらばえすぎよ!!シュワちゃんったら。


◆◇ターミネーター 3 プレミアム・エディション◇◆