goo blog サービス終了のお知らせ 

自然派庭師の日々精進

~ 作庭衆 庭譚 ( にわたん ) ~ 広島県福山市 ~       ※熱いヤツ集まれ!!!

鞆の浦 「町並ひな祭り」 桑田家公開!!!

2008年02月27日 01時09分14秒 | 樹の性質、手入れに関して
鞆「町並ひな祭り」開催中。。。


3/1,2,8,9で桑田家、公開です。。。



ただし、建物内部、庭の見学は、3/2のお茶席利用者のみです。。。
お茶席は、大寄せで、一般当日参加 オッケーです。。。


今回は、手入れで主庭の結界を取り除き、通常の庭に戻しました。
さらに、中庭も以前から気になっていた植栽部分を追加し、なおしております。



どの部分をいじったのかわかるかな?



古い庭の場合、どこに何を加えたのかわからない、今まである空気を壊さない維持をする必要がある。

そんな中で、植栽に関しては、大きくなる物、枯れた物、石に関しても、建物の増築などによりおかしくなってしまった部分がよくある。
それらを修正しながら、植物を加え、石を移動し、庭を育てていく必要がある。

生活や時代と共に、庭は変化を余儀なくされる。
そして、時間と共に、庭は洗練されていく。
ついている庭師が、それに対応してやれる眼と感性、そして知識を身につけなくてはいい庭は残らないだろう。。。

そしてその考えを、しっかりお客様に伝える事。。。

それが大事だと思う。。。


桑田家では、今年「藤棚」も作り変える予定です。。。


できる範囲で少しずつ良くすればいいと俺は思う。。。





その辺も一緒にお楽しみ下さい。。。



モチノキ

2006年10月19日 00時22分25秒 | 樹の性質、手入れに関して
今日は、鞆 桑田家の手入れ。

ここは、以前も紹介したが、刈り込みバサミを使わない手入れを続けている。


元気のなかった樹はよみがえり、生き生きと風格をあらわしてきた。。。


しかし、モチノキ、これにはてこずっている。

なかなか落ち着いてくれないんです。

七回目の手入れになるが、未だ天端からビュ~っと徒長枝がでてくる。

モチノキには多いパターンですが、鋏をいれすぎているのか、葉っぱの数が少ないのか、いつも樹と話をしながら調整している。


ただ、幹から出る徒長枝はほぼなくなった。

あと少しかも・・・


やっとある程度の枝数にもなった。
下枝は、ほぼさわらんでもよくなってきた。


さあ、来年はどうなっているんだろう。


楽しみだ。。。


樹って一本一本違うんです。

樹齢、土壌、日差し、水の量、虫の数・・・条件は様々。。。


ただ鋏をいれるだけじゃ、いつまで経っても落ち着かんのです。。。


それを落ち着かせるのが庭師の仕事です。


年中きれいな状態に。

これが目標なんです。


「あ~、さっぱりしてよかった。」な~んて言っても、一ヶ月もせんうちにビョ~~~って伸びてきたら嫌でしょ?


毎年来てもらっとるけど、どこつんどるんじゃろ・・・っていうくらいがちょうどいいんです。

でも、なんか綺麗になったね。ってくらいがね^^

もちろん、足元はピカピカじゃけどな^^



その年の手入れが成功したか失敗したかは、次の年に行った時にわかるんです。。。





金木犀

2005年09月30日 19時12分23秒 | 樹の性質、手入れに関して
今日は、仲間の応援で手入れに行った。

金木犀の透かしを添付しました。
よく見るのは、丸く刈り込んでいますが、私は刈り込みがあまり好きではないので極力刈り込みは避け、透かしにします。

樹というものは、伐ればきるほど良く伸びます。よく素人の方が、さっぱりとブツブツに枝を落としているのを見かけます。あれは、逆効果です。伐られた樹は、むきになりもっと伸びようとします。
樹も生き物ですから、人間と同じく、上から押さえつけられるといじけいてしまいます。どこかで伸び伸びできるような枝を残してやらないといけません。
一気に縮めようとしても、それは無理な話です。人間でもそうですよね。いい所を伸ばしてやりながら悪いところを修正してやる。樹もまったく同じです。
この写真は、透かし完了の写真です。これでも30~50センチは全体が縮まっています。作業前をとってなかったので、分かりにくいですが・・・この樹はこれで無茶な伸び方はしません。じわじわ伸びていくでしょう。

とにかく、手入れに関しての私の仕事は、樹を落ち着かせてやることです。そうすれば、中のほうから充実した芽が出てきて、それが枝となりそこまで戻してやる。それの繰り返しです。もちろん、大きくしてやりたいときは、戻しませんが。

といっても、大木になった時に小さくしたいという場合には、一度バッサリいってしまいます。それからもう一度樹を落ち着かせてやるやり方をするのです。

私の役目は、ただ伐ってるわけじゃない。樹と対話し、落ち着かせているのです。

ナンキンハゼ

2005年09月28日 23時45分37秒 | 樹の性質、手入れに関して
今日も、応援で手入れに行った。

ナンキンハゼの木がクスノキに負けて、斜めに倒れるようにして伸びていた。今の時期は実もなる為、枝は垂れ下がっていた。
近所の六十歳くらいのおばさんが来て、ナンキンハゼを見て「かわいそうだから、垂れた枝を切ってあげたら?」と言った。
私は思った。それは、人間の考えである。ナンキンハゼくんからすれば、クスノキに負けないように頑張って伸びてきたはずである。どうしても、クスの成長に勝てず、一生懸命光を求めて伸びてきたはずである。はたして、その枝を落としてやる事が優しさだろうか・・・私はそうは思わなかった。

木は、苦しくなれば自分で葉をふるい、自分で枝を枯らす。斜めに伸びたナンキンハゼくんは、かわいそうではなく、これが自然の摂理である。たとえ、人工的に植えられたものであっても、そこからは、ナンキンハゼくんの人生である。

今日の出来事で、過保護な子育てでしかれない人の多いと言われている世の中の象徴だと思った。それと同時に、人の持つものさしの長さの違いを感じ、勉強になった。。。