自然派庭師の日々精進

~ 作庭衆 庭譚 ( にわたん ) ~ 広島県福山市 ~       ※熱いヤツ集まれ!!!

「建築と美術 そして環境」 妹島 和代

2007年06月28日 01時13分22秒 | 日記
先日、兵庫県立美術館にて建築家による座談会が行われた。


安藤忠雄さんが発起人だ。


去年も参加したが、今年の目玉は「妹島 和代」さん。


「金沢21世紀美術館」をはじめ、世界で活躍中の今最も旬な建築家。。。




今回は、環境というテーマも加えられとても楽しみにしていた。



建築家の話は面白い。が、以前から少し違和感を感じていた。


それは、「今の建築におれおれ建築が多い」と感じている事。。。

詳しく言えば、環境にマッチしていない建物が多い気がする。



新しい試みが嫌いなわけではないし、むしろやらないといけないと思う。



建物自体は研ぎ澄まされ、繊細な技術をもってしか完成しないような難しい建築が多いのは確かなことだ。


ただ、作庭する立場にある私は、家の中から見た景色、軒の長さ、間取りを考えることはもちろん、外から見た建物も重要視する。

そして、なるべくそこの状況になじむように緑のクッションをはさんでいく。


そして、一番見せたい物をすべては見えないよう心がける。


ここが、すこし違うんです。


「どうだ!」って感じで建物が目に入る建築が多いと思っている。



少しそこに違和感があるんです。



またか。って感じるものもある。





俺は安藤忠雄は好きです。

成り上がった人生は特に。。。
さらに、あの人にはもうすべてが見えていると感じているから。

もちろん、俺なんかがそんなこと言うのは生意気だけど、そんな気がする。




そんな中、妹島さんの話を聞いて、ホッとした。


彼女も、やはり見えていた。


そこに、どんな建築が必要なのか、それによってどんな素材が必要なのか。。。



さすがだと思った。。。



俺が思っている事と、安藤さん、妹島さんが考えている行き先は似ている。。。

勝手にそう思った。




もちろん、むこうからすれば天と地の差があると思うが・・・







結局は、「まちづくり」だろうと思う。






建築も庭も。。。




妹島さんは、二日目に登場されたわけですが、なにか違和感を感じながらたけちゃんと酒を飲み、明るい間に酔っ払った一日目に比べ、来て良かったと、充実感いっぱいで二日目を終えることができた。。。









やはり、いろんな人の話を聞くのは面白い。



自分に対する確認作業でもある。






次回が楽しみになった。。。



慣れ・・・と、「わかば会」!お待たせ!来週 開くで~~~!!!

2007年06月21日 02時08分21秒 | 日記
「流れあるの庭」門柱も据付完了。。。


アプローチ、駐車場、施工段階です。





ところで、今日、嬉しい事があった。


お客様が、今日知り合いの家に行ったらしい。

今までは、立派なお庭だ。と思っていたそうだ。

ところが、今日行ってみると、立派な庭どころか何の面白みも感じなかったそうだ。

そのお庭は・・・

一段高くに立派な樹を並べて植えてあり、周りを石で囲った昔ながらの田舎の庭・・・


一本一本が主張しあう庭です。。。



いいと思うかどうかは人それぞれだが、俺はそこに魅力は感じない。。。



俺が作る庭をいつも見てくれている人は解ると思うが、基本的に俺の庭には高級(高価な金を出して買った)な樹や石なんてない。

すべてが共存し、トータルで雰囲気を作っている。。。


高級ではないが、俺にとっては何一つ欠けてはならない貴重(高級)な物ばっかりじゃけどな^^


そんな作庭中の庭を見慣れたお客様が、そう感じたということが嬉しかったのだ。。。

まだ完成してないのに。。。






人の感覚は面白い。




いいと思っていたことが、ある事をきっかけにまったくそうじゃなく見えてしまう。




慣れって本当に恐い。



それがいいのか悪いのかが見えなくなってしまう。




常にいろんな事を察知する柔軟な頭と、アンテナをはっておかないと成長はないだろうね。。。




今週、建築家 安藤忠雄、妹島和代、千葉学、阿部仁志の話を聞きに行く。



やはり、他ジャンルからの感覚の吸収は俺にとっては楽しみである。







ということで、「わかば会」。。。


会を開く余裕もなく、四ヶ月が経ってしまいました・・・

が、来週開きます!!!

6/29(金)。

盛り上がっていこうぜ~~~!!!







話は戻るが、

どんな感覚がいいかは人それぞれだが、自分の感覚を頼りに仕事をする俺にとっては、心強い応援団ができたような気がした。。。

門柱

2007年06月17日 01時01分34秒 | 日記
「流れのある庭」の門柱作りました。。。











仕上がりは最後のお楽しみ。。。


思った通りの出来栄えじゃわ^^


さあ、いよいよ仕上がりが見えてきた感じ。。。



もうひとふんバリ・・・




今週は、岡山の武ちゃんと建築の勉強に・・・

再来月、東京、愛知、岡山の仲間と京都でどんちゃん騒ぎがある。。。


久々に会える仲間も。。。







たのしみじゃ~~~^^

モノを大事にする気持ち

2007年06月11日 02時09分11秒 | 庭のQ&A
ここ二週間は、日曜日は現場を空けています。。。


段取りや、挑戦の日に決めています。。。



時間にゆとりがなくなると、引き出しがなくなってきます。。。

パワーをためなければと思い、日曜日は準備の他に、道具の整備、新たな発想の確認の時間にしています。。。





それはさておき、以前、俺の作庭にとって、一番重要なことの話をしたと思う。


俺が何のために庭を作るのか、作庭する上で何を一番考えるのか。


俺には、庭を世の中の人達に伝えていく役割がある。

いかに愛着を持てる庭を提供できるかが俺の力量にかかっているわけだ。

完成引渡し後、現場に立ち寄った時にきれいに管理されている庭なら成功なのです。



自分のエゴで庭をつくるわけじゃなく、自分がお客様になりかわって、自分の発想を表現するのです。

このお客様には、こんな感じの庭が・・・

そんなことを思って作庭する。




俺の庭には、あまり既製品がない。


そこには、一つのこだわりがある。

完璧にきれいなものに、あまり魅力を感じないんです。


少しゆがんどったり、曲がったりしとるものに魅力を感じてしまうというか、それを生かしたいとおもうんよな。


誰が見てもこう使うってわかりきった製品に魅力を感じんのんよな。。。

俺ならここを使う、他の人なら違うかもなってところに個性を感じる。。。


「石はこう据える」なんて言う人もいるが、それはその人の考え方で、それが絶対ではないと思う。


どんな据え方をしようが、どんな庭の見方をしようが、据える人、見る人の自由だ。






なぜうちに仕事を依頼してくださったのか。。。

なぜそのお客様と出会ったのか。。。




そんなことを考えていると、自分そこに庭を作る意義を考えてしまう。。。



俺がやらなかったら、これはしないだろうな・・・なんて事をどんどん増やしたくなるんです。。。


個性を発揮できる材料をふんだんに使いたくなる。。。







よく、「安けりゃなんでもいいんだよ。」なんて話を聞いたりする。



安いってなんだ。。。

何が安くて、何が高いんだ・・・



もちろん、安いに越したことはない。

しかし、安いからいいってわけでもない。


最低限かかる金額ってのはある。極端な話、10円じゃどうにもならんもんな^^


もちろん、ないお金をつくって無理をする必要はない。


安いもん買って、何気なく見てるより、少しだけ無理して、ずっと眺めていたいものを買うほうが安いんじゃないかな。。。





ただ俺は、そんな時こうアドバイスをする。



「無理する必要はないですよ。ただ、無駄なお金をかける必要もないですよ。お金をかけて喜べないなんてもったいないですよね。納得いく庭を作って、大事に管理してください。一気にする必要もないし、できるときにやったらいいじゃないですか。二度と作り替えなくてもいい、壊したくなくなるものを作りましょう。」



何でも簡単に手に入ってしまうものって、面白みがないんよな。

一所懸命、やっと手に入れることができたものって大事にするもんね。





要するに、モノを買うってことは「気持ちを買う」ってことじゃないかな。。。


何かを手に入れて、幸せな気持ちになる。喜べる。

前に、Aさんが、値段は高いがこの茶入れが欲しいと言った。
Bさんは、どうせあんまり使わんのんじゃけー、そんなに高いのじゃなくていい。と言った。



俺はBさんに言った。
Aさんは、使う使わんは関係ないんよ。

それを買って、持っていることに喜びを感じる。
それを見るたびに癒される。
その幸せな気持ちになれる時間を買うわけじゃろ・・・




庭も一緒なんよな。。。






そんな中、「流れのある庭」でもすでに、完成前の庭をお客様がめちゃくちゃ大事にしてくださっています。


ご主人も帰りが早くなったり、夜中に樹木のことが気になって庭に出たりって話も聞いたりします。。。



先日も、旅行に行かれたらしく、「いろんな庭をみたけど、この庭を見慣れたらなんか他の庭では満足できんかったわ。この庭はのびのびしてていい。」


って言ってくださった。







また一人、いや二人、庭に愛情を注いでくれる人を増やすことができたと嬉しく思う。。。





もちろん、俺の力だけではないが、少し手助けはできているだろう・・・






モノが大事にする気持ち・・・


自分も忘れたくないし、何か少しでも庭を通して伝えていきたいと思う。。。



たぶんすべてにつながってくるんだろうね。。。





大工仕事。。。

2007年06月07日 04時13分07秒 | 日記
「流れのある庭」継続中です。。。


今週は、大工仕事。



板塀のほぞ穴彫ってます。。。




袖垣も作る。。。


柱の加工。。。






メダケの編み込み中。。。




今日、ある人に面白い話を聞いた。。。


「今、伸びている会社」の話。

この福山にも、ものづくりにおいて世界シェアな会社がたくさんある。

それらの会社の社長さん達に、なぜ業績が伸びているのか尋ねると、みんなが口をそろえて言う言葉がある。



「従業員の質です。言われた事をやるんじゃなくて工夫ができる、その質です。それと、働いている時は従業員でも、職場を離れれば消費者です。すべてを知るその消費者が買いたくない物は作らない。どんなに苦しい時でもずっとそれを信念にやってきました。」




そう答える。



その通りだと思った。

作庭においてもそうである。

おれらは、数多くのお客様と出会い、仕事をする。

常に、自分が管理するなら・・・と考える。


そして、自分の信念に自信をもって提案し、説得する。





信念を貫き通す。。。




どんなに苦しい時でも。。。





生きていく上で一番大事なことである・・・



勿論、柔軟な頭を持っておくことも・・・



そして、人を思いやることも。。。




おのずと結果は出るだろう。。。