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神幸記 ~西野神社神職のみこしブログ~

◆◆◆神輿渡御奉仕記録&神輿関連情報◆◆◆
(西野神社の公式ブログではありません。公式ブログは別に開設しております)

写真撮影のマナーについて、あえて苦言を呈します!

2009年10月27日 | その他
他所の神社に行って御神輿の渡御を奉仕させて頂く時、私はほぼ毎回デジカメを持って行き、その神社の御神輿や渡御についてより深く理解するため、また、このブログに写真をアップロードするため、渡御の様子を撮影させて頂いております。
勿論、渡御の写真を撮影する事自体は、何ら悪い事ではありません。しかし、信仰と伝統に基づいて行われる、神社の例祭での渡御は、当然の事ながら単なるイベントや客寄せのための企画ではなく、あくまでも「神事」なのですから、いつでもどこでも常に写真を撮って良いという訳ではなく、撮影をする際には、信仰上の観点や神様への敬意から、守らなければならないルールやマナーがあります。

ところが、私が今まで見た限り、残念な事に渡御の現場で写真を撮るカメラマンさん達の中には、そういったマナーを守っていない人が時々見受けられます。
例えば、下の2枚の写真をご覧下さい。これはどちらも、今年、某神社の渡御の最中に御旅所で斎行された駐輿祭の様子を撮った写真です。

 

1枚目は斎場の全景写真で、駐輿祭の全体的な雰囲気や、御神輿・祭壇・神職・参列者などの各位置関係が分かると思います。
そして2枚目の写真は、駐輿祭での玉串拝礼の時に、祭壇の斜め後方から撮影した写真なのですが、この2枚目の写真に、神様や拝礼をしている人に対して大変な無礼な振る舞いが行われている様子が写っている事に気がつかれたでしょうか?
祭壇と御神輿との間に立って、玉串拝礼をしている人に向かって堂々と真正面からカメラを構えているカメラマンがいるのです。

例えば、Aさんという人が、目上(先輩、上司、恩師など)のBさんに対して、面と向かって直接、深々と頭を下げながら感謝の言葉を述べている最中に、Cさんという人が、突然AさんとBさんの間に堂々と割って入り、Bさんに背中を向けて、感謝の言葉を述べているAさんを真正面から撮影し出したとしたら、多分AさんもBさんも、あるいはその周囲にいる人達も、Cさんは何という非常識な人なのだろう、と思うのではないでしょうか。

玉串拝礼の様子を撮影する事自体は何ら悪い事ではありません。拝礼をする人に対してカメラを向ける事も(カメラを向けられた人が嫌がっていない限りは)何ら悪い事ではありません。しかし、写真を撮影する位置に重大な問題があるのです。
恐らく、この写真に写っているカメラマンは、神様に対して無礼を働いているという意識は無く、そもそも駐輿祭の意味を理解していないのだと思います。
「今、玉串拝礼をしている人は、自分の真後ろの御神輿に奉安されている神様に対して拝礼をしている」という事を分かっていないのでしょう。
それを分かっていたとしたら、拝礼をしている人と神様との間に割って入り、正面から堂々とカメラを向ける、なんて事はまずできないでしょうから。

他所の神社の渡御に奉仕に行く時は、あくまでも自分は部外者なので、地元の人達やその神社の関係者の方に苦言を呈するような事は極力避けるべきなのでしょうが、しかし来シーズンからは、さすがに神職として容認できない場を目撃した時は、決してキツイ言い方はしないように最大限配慮しつつ、言うべき事ははっきりと言わせて頂こうと思います。

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