SPECTACLE DIARY

かわいいお客様や今日あった症例などを紹介しています

遠近両用レンズと生活環境

2012年08月24日 09時40分46秒 | 眼鏡技術

遠近両用レンズ、シニア世代にとっては欠かせないパートナーです。

「遠、中、近まで全て見えます」的な事を説明するメガネ店も多い様ですが、これは間違い。

遠近両用レンズは基本的に「遠用におまけで近くが見える」といった解釈が正解。

なので現代生活にマッチしたレンズとは言えません。

殆どの方がこのおまけ部分で近くを見ています。

当然目は疲れ、眉間にシワを寄せながら睨みつけて見なければなりません。

パソコンや携帯等、中間~近見作業が多い現代に「おまけ」では対応出来ず限界です。

もちろんレンズメーカーもこの辺は理解しています。

最近では遠近両用レンズと中近両用レンズの間を取ったレンズが出てきました。

代表格はHOYA社のレンズ名JAZZ。

このレンズは中間部分を重視した設計で遠~中~近でマイルドな見方を提供しています。

メーカーの統計ではあまり売れていない様ですが、弊社では良いレンズだと解釈しています。

自分自身のライフスタイルに合ったレンズ選びを。

目にストレスを掛けない環境への第一歩です。


安さの魅力と危険

2012年08月13日 16時04分58秒 | etc

先日こんなニュースがありました。

「100均商品から発がん物質 おしゃぶりやゴム製調理具」

デフレの時代と共にすごいスピードで成長した100均ショップ。

その代償は幼い子供たちのおしゃぶりに発がん物質として現れました。

安い事は消費者にとって非常にわかりやすい、大きなメリットです。

しかしモノには適正価格があると個人的には思います。

  

100円のおしゃぶり→発がん物質入り

500円のおしゃぶり→発がん性物質無し

  

皆さんはどちらを購入されますか?

安さだけを追いかける時代、そのツケが表面化した事例です。

100円のおしゃぶりを購入するのは大人達。

購入する人がいるからメーカーも作り続けます。

そろそろ気づくべきではないでしょうか、安さを追いかける代償に。


ミトコンドリア病による視力低下

2012年08月10日 10時36分40秒 | 眼病知識

ミトコンドリア病とはミトコンドリアの変異、多くの場合は常染色体劣性遺伝

10万人に15人程度が発症する病気です。

ミトコンドリアは全身のひとつひとつの細胞の中にあってエネルギーを産生するはたらきを持っています。

そのミトコンドリアのはたらきが低下すると、細胞の活動が低下し全身に病状が現れます。

具体的には好気的エネルギー生産が行えなくなり、ミトコンドリア脳筋症やミトコンドリアミオパチーを引き起こします。

ミトコンドリア脳筋症では眼に症状が出ることもあり、外眼筋麻痺や網膜色素変性症、視神経萎縮を発症します。

いったん低下した視力は元に戻ることは殆ど無く、日常生活に支障をきたす場合も有り、ご家族の支援が必要となります。

このミトコンドリア病による眼症状。

眼に発症する年代は10代~30代が圧倒的に多いですが、50代で発症することもあります。

若年齢時に発症しても見逃されることもしばしばで「心因性視力障害」と言う一言で片付けられてしまう場合もあります。

眼科で行われる検査は「ミトコンドリアDNA検査」があります。

(フリッカー値/眼底所見/蛍光眼底撮影/視神経MRI)

現在の医学ではこれといった治療方法は確立されていません。

極力ミトコンドリアの活動を低下させない為に規則正しい生活と、栄養バランス(各種ビタミン)のとれた食事が大切です。

又、飲酒や喫煙等はミトコンドリアの活動に負担を掛けるので避けましょう。