SPECTACLE DIARY

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白内障

2010年05月31日 12時55分14秒 | 眼病知識

当ブログでも白内障の病名はよく出て来ます。

今や眼病の代表格になっている白内障。

今回はこの白内障につて詳しく書いて行きたいと思います。

 

白内障とは?

水晶体とは直径が約1㎝、厚みが0.5㎝の無色透明なレンズです。

このレンズが白く濁る事を白内障と呼びます。

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白内障の種類は?

加齢性白内障 加齢と共に進行します。

先天性白内障 誕生時から既に白内障を発症しています。

外傷性白内障 目の外傷、ステロイド剤使用時に併発するステロイド白内障等。

併発白内障 他の眼病に白内障が併発します。

後発白内障 白内障術後に後嚢混濁を指します。

 

白内障の治療方法は?

①眼内レンズ挿入による手術

局所麻酔で行い、手術時間は15分程度です。

殆どの場合、片眼ずつ手術を行います。

白く濁った水晶体を取り除き、眼内レンズを挿入します。

Hakunai1

Hakunai3

②レーザー治療→後発白内障の場合

レーザーを濁っている後嚢に照射し混濁を取り除きます。

 

眼内レンズは日々進歩しています。

遠近両用眼内レンズや乱視矯正用眼内レンズ等、様々な眼内レンズが誕生しています。

 

白内障の予防は?

紫外線から目を守ることが重要です。

紫外線により白内障が進行する事は医学的に認められています。

アイプロテクションレンズなど機能レンズで目を守る事が大切です。


加齢性黄斑変性症

2010年05月21日 13時12分53秒 | 眼病知識

加齢性黄斑変性症とは網膜にある黄斑部(網膜中心部分半径3,000μmの範囲、視力が関わる最も重要な部分)が加齢にともない色々な異常をきたし、視力障害をもたらす病気です。

  

加齢性黄斑変性症には2種類のパターンがあります。

①萎縮型

徐々に視細胞が痛んで死んでいき、長期にわたって視力低下します。

治療はしません。

 

②滲出型

水がにじみ出てきて、黄斑に障害が生じるタイプです。

新生血管が網膜下の脈絡膜から出て来ます。

この新生血管は非常に脆く出血を繰り返し、視力障害に繋がります。

  

加齢性黄斑変性症(滲出型)の治療方法は?

①PDT 光線力学的療法→新生血管が中心窩に及んでいる場合

光に反応する薬剤(ビスタイン)を体内に注射した後に、病変部に弱いレーザーを照射する治療法です。

新生血管のみ閉塞出来るので網膜に損傷を与える従来のレーザー光凝固術と比べ、網膜へのダメージが少ない治療法です。

 

②レーザー光凝固術→新生血管が中心窩に及んでいる場合

レーザー光線で焼きつぶすレーザー光凝固術を施します。

これにより新生血管が無くなると病気の進行は止まり、その時点の視機能を保つことができます。

出血や滲出物が吸収されることで、視力が回復する人もいます。

しかし治療にはマイナス面もあります、血管を焼きつぶすほど強いレーザー光を当てるわけですから、新生血管とともに周囲の正常な網膜も破壊されてしまいます。

そのため凝固部は絶対暗点になり、見えない部分が出来てしまいます。

 

③ルセンティス 抗血管新生薬療法

視力改善効果が認められた加齢黄斑変性症治療薬です。

体の中には、脈絡膜新生血管の成長を活発化させるVEGFという物質があります。

抗血管新生薬療法(ルセンティス)は、このVEGFの働きを抑える薬剤を眼内に注射することにより新生血管の増殖や成長を抑制する治療法です。

 

④アバスチン 抗血管新生薬療法

本来は抗ガン剤として使用されている薬です。

VEGFの働きを抑制し異常な血管の増殖や成長を抑える薬です。

眼内の新生血管が原因となっている加齢黄斑変性や糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、血管新生緑内障などの発症、増悪にはVEGFが大きく関与していると言われています。

この薬はVEGFの作用を抑え、新生血管の増殖、成長を低下させます。

その結果、これらの疾患に対する治療効果が期待できます。

また、VEGFは血管の透過性を亢進させ、網膜の浮腫を起こす働きもあり、アバスチンは糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症による網膜浮腫に対する治療効果も期待されます。

 

⑤オキュバイト+ルテイン(サプリメント)

オキュバイトは、元来目の中にあるルテインという紫外線から目を守る物質を補うサプリメントです。

ルテインもメラトニン同様、加齢とともに体内から枯渇してきてしまいます。

その他に、抗酸化作用のあるビタミンEなどが含まれています。

 

加齢性黄斑変性症の症状により、適応される治療方法は変わります。

まずは紫外線や短波長(可視光線)から目を守る事が重要です。

アイプロテクションレンズや遮光レンズは紫外線や短波長から目を守ります。

眼鏡は視力矯正器具だけでは無く、ビジョンケアも兼ね備えているのです。


アイプロテクションレンズ

2010年05月20日 10時07分38秒 | 医療用眼鏡

アイプロテクションレンズは短波長を軽減し、快適な視界を提供するコンセプトレンズ。

紫外線カットは当たり前の時代、短波長(可視光線)をいかに軽減するかが重要です。

紫外線は白内障や翼状片、加齢性黄斑変性を促進させてしまい、短波長は網膜系の病気に影響があると考えられています。

  

翼状片とは?

翼状片とは、白目の表面を覆っている半透明の膜である結膜が、目頭(めがしら)の方から黒目に三角形状に入り込んでくる病気です。

自覚症状としては充血や異物感などがあります。

鏡で自分の目をみれば一目瞭然なので「白目の一部が黒目に伸びてきた」というような症状で受診される人がほとんどです。

しばしば両目に起こります、原因は不明ですが高齢者に多く病気の発生には紫外線が関係しているといわれています。

  

翼状片の治療方法は?

翼状片自体は悪性の組織ではなく、症状がなければ放置しても問題はありません。

充血や異物感が強くなってくれば点眼などの治療を行います。

根本治療には手術が必要です。

また、翼状片が瞳の近くまで伸びてくると乱視が発生して見えにくくなるため、この場合も手術が必要となります。

ただし、手術を行っても再発することが多く、この傾向は年が若いほど顕著です。

  

又、加齢性黄斑変性症に対しては黄系統のアイプロテクションレンズ(HOYA)遮光レンズ(東海光学)が有効とされ、コントラスト感度及び視力改善も期待できると言う研究結果が発表されています。

※アイプロテクションレンズ、遮光レンズに紫外線カットは標準装備されています。

 

紫外線から目を保護するのはもちろん、網膜に影響があるとされる短波長からも目を保護するべきだと考えます。

当店では昨今、アイケアを考えたレンズをお勧めしています。

お客様の目の状況を的確に判断し、最適なレンズをご紹介いたします。

  

次回は加齢性黄斑変性症について詳しくお話しします。