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抗VEGF治療と未熟児網膜症

2011年07月20日 10時51分16秒 | 子供用眼鏡

抗VEGF治療とは5年程前から始まった加齢黄斑変性症(新生血管)に対する治療法です。

本来、癌治療に使用する薬剤を眼内に注射、新生血管の抑制を主な目的とします。

VEGFの活動により新生血管は活発に活動、増殖します。

このVEGFの活動を抑制するのが抗VEGF抗体です。

現在、国内で使用されている抗VEGF抗体(抗血管新生薬)は2種類。

アバスチン(Avastin)・ルセンティス(lucentis)

どちらの治療薬も数回に分けて注射、治療を目指します。

効果が高いのはアバスチンですが、同時に副作用も強い様です。

ルセンティスで国内副作用率は23.9%程度と結果が出ています。

新生血管を抑制する事が出来れば、視力の現状維持が可能となります。

昨今、この抗VEGF治療を未熟児網膜症に取り入れる動きがあります。

未熟児網膜症は網膜剥離を発症する症例が数多く存在します。

これは硝子体に新生血管が増殖、牽引し網膜剥離を引き起こすプロセスです。

先日の日本小児学会でも取り上げられ、私も講演を聞く機会に恵まれました。

結論から言うと、未熟児網膜症に対する抗VEGF治療は一定の効果はあるようです。

しかし、視力が回復するか否かは解らず、新生血管の活動が低下したと言う報告に留まりました。

レーザー治療よりも網膜剥離再発率は抗VEGF治療の方が優れているとも言われています。

未熟児網膜症に対する抗VEGF治療は発見時期と、周りの治療環境に大きく左右されます。

地方では未熟児網膜症を見れるドクターが少なく、治療開始にタイムラグが生じるケースが後を絶ちません。

どんな病気でも年齢が若ければ若い程、進行のスピードは速く、早期発見と治療が急務になります。

又、未熟児網膜症の治療後は眼鏡かコンタクトレンズを装用し、矯正する必要があります。

どちらで矯正するかは担当のドクターにより判断されます。

もし眼鏡装用が必要となれば経験と知識を生かし、適正なアドバイスをご提案させて頂きます。


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