（無題）

猫のルイがなんか捕まえてきて、テレビのある部屋でおばあさんらが「いやだなー」て騒いでいた。外に返しておいでと母親が騒いでもルイにはわかるはずもなし。大ムカデでも捕まえてきたのかなと思っていたらただのトカゲだった。電話台の下に逃がしてしまってはルイはそれを必死に取ろうとしていた。そして殺さないように遊んでいた。口に咥えたり爪で捕まえたりするけど、強くすると死ぬということは一応わかってるんだな。
僕はその生殺しのトカゲを広告の紙に乗せて庭にほうった。トカゲはちょうどコンクリートのうえにペチッといって、可哀想なことをした。もっと考えて柔らかい土の辺にほかればよかった。
やっと落ち着いて、隣のおばあさんはトカゲは縁起がいいよと言っていた。
ルイは未だに部屋の中を何かに憑かれたように探し廻っていて面白かった。
わからんのだなぁ

（無題）

伊勢神宮の白馬