西暦730年。天平2年。
薬師寺の東塔が建てられたと伝えらる。
1300年近くを経て、今も創建当初の姿を残している。
その東塔の大修理が今秋から始まる。
秋までの間、特別開扉により内陣が参拝できる。
あわせて、月に二回の東塔内入堂参拝も始まった。
さっそく入堂させていただいた。
一般参拝者が入堂したのは、これが初めてらしい。
何とも感慨深い。
1300年ほども前・・・
これらの木を誰かが切り、誰かが運び、誰かがここに建てた。
その情景が目に浮かぶ気がした。
何とも言えぬ空間。
目を閉じて深呼吸した。
当時の人と時空間を共有している気持ちになった。
僧侶がこんなお話をくださった。
「薬師寺の伽藍復興は、昭和に始まりました。金堂を復興するのに、約10億円のお金が必要でした。10億円・・・その大きな金額。お寺の力だけではどうしようもありませんでした。そんな時、ある企業の方が、“毎年1億円、10年間寄付しましょう”と言ってくださいました。でも薬師寺はそれを貰わなかったのです。“国民のお寺だから、国民の力で復興することに意味がある。だから一つの企業から多額の寄付を受けることはしない”その気持を貫いたのです」
そんなお話だった。
結局、国民にお写経を訴えかけ、その積み重ねが金堂を復興させた。
お話には続きがある。
「最初の復興は金堂だけでした。しかし、その後もこのように薬師寺はどんどん復興することができています。なぜだと思いますか?それは、あの復興を決めた昭和の時に、“10億円を貰わなかった”からです。貰っていたら、金堂は簡単に復興できたでしょうけれど、きっと後が続かなかった。苦しくても、“国民ひとりひとりの力”を信じたからこそ、今も多くの人のお力をいただき、今の薬師寺があるのです」
国民一人ひとりの力は小さい。
でも、積み重ねはとてつもなく大きなものになる。
そして、大きな力になるだけではない。
大きくなった力は、自ら動き出すエネルギーを持つ。
それは継続され、さらに拡大する力を持つのだ。
伽藍復興だけではない。
本当に日本の国を動かそうとするには、国民ひとりひとりの力が大切なのだ。
その力を大きなエネルギーに変えることだ。
“必ずできる・・・”
東塔の中で静かに目を閉じながら、そう確信した。
薬師寺の東塔が建てられたと伝えらる。
1300年近くを経て、今も創建当初の姿を残している。
その東塔の大修理が今秋から始まる。
秋までの間、特別開扉により内陣が参拝できる。
あわせて、月に二回の東塔内入堂参拝も始まった。
さっそく入堂させていただいた。
一般参拝者が入堂したのは、これが初めてらしい。
何とも感慨深い。
1300年ほども前・・・
これらの木を誰かが切り、誰かが運び、誰かがここに建てた。
その情景が目に浮かぶ気がした。
何とも言えぬ空間。
目を閉じて深呼吸した。
当時の人と時空間を共有している気持ちになった。
僧侶がこんなお話をくださった。
「薬師寺の伽藍復興は、昭和に始まりました。金堂を復興するのに、約10億円のお金が必要でした。10億円・・・その大きな金額。お寺の力だけではどうしようもありませんでした。そんな時、ある企業の方が、“毎年1億円、10年間寄付しましょう”と言ってくださいました。でも薬師寺はそれを貰わなかったのです。“国民のお寺だから、国民の力で復興することに意味がある。だから一つの企業から多額の寄付を受けることはしない”その気持を貫いたのです」
そんなお話だった。
結局、国民にお写経を訴えかけ、その積み重ねが金堂を復興させた。
お話には続きがある。
「最初の復興は金堂だけでした。しかし、その後もこのように薬師寺はどんどん復興することができています。なぜだと思いますか?それは、あの復興を決めた昭和の時に、“10億円を貰わなかった”からです。貰っていたら、金堂は簡単に復興できたでしょうけれど、きっと後が続かなかった。苦しくても、“国民ひとりひとりの力”を信じたからこそ、今も多くの人のお力をいただき、今の薬師寺があるのです」
国民一人ひとりの力は小さい。
でも、積み重ねはとてつもなく大きなものになる。
そして、大きな力になるだけではない。
大きくなった力は、自ら動き出すエネルギーを持つ。
それは継続され、さらに拡大する力を持つのだ。
伽藍復興だけではない。
本当に日本の国を動かそうとするには、国民ひとりひとりの力が大切なのだ。
その力を大きなエネルギーに変えることだ。
“必ずできる・・・”
東塔の中で静かに目を閉じながら、そう確信した。