新しい風を 起こそう!   ~日本をよい国に~

一人ひとりの願いを大きな風に変えて・・・
今 動き出そう!



 

うなぎを食べに・・・

2010-04-04 08:24:41 | 日記
祖母は寝たきりの状態。
ときどき、意識がなくなり、目を開けることも、話すことも出来ないときがある。
呼びかけても何の反応もない。

祖母は貧しさを経験した。
大家族だった。
当時は男尊女卑の風潮がとても強かった。
女性(嫁)という立場。
虐げられ、我慢を重ねた人生だったのだろう。

寝たきりになってから、“食”への関心と執着が強くなった。
我慢してきたことが、表れているのだろうと思う。

先日、まったく意識がなくなった。
医師も、祖母の様子を見て“もう長くないと思ってください”と告げられた。
88歳の祖母。誰の目にも意識が戻るとは思えなかった。

「元気になったら、一緒に鰻食べに行こうね」
親戚の一人がそう耳元で声をかけた。
絶対に無理だと思いながら・・・



4~5日して、奇跡的に意識が戻った。
言葉ははっきりしないが、意思をもって話すことができた。
その第一声。
「うなぎ食べに行こう」

全員が驚いた。
まさか、意識のないときに話しかけたことを覚えているとは・・。

どんな状態になっていても、おと、におい、ぬくもりは分かるのだ。
死を迎える直前まで、人間の体はあらゆるものを感じ、それによる感情が生まれ、記憶として残る・・・そう思えた。



寝たきりの高齢者の枕元で言い争いをしている人がいる。
遺産相続のことで喧嘩している人がいる。
尊厳を無視し、冷たい言葉を投げかける人がいる。

“全部分かっているのですよ。そして、何も言わずに悲しんでいるのですよ”



人間は、母親のお腹にいるときから、臨終の間際まで、あらゆることを感じながら生きる。
誰もが、喜びと感謝の情を蓄えながら、命を全うできる世でありたいものだ。



コメント (2)
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