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自己所有自動車の助手席に座っていた場合と自賠法3条(交通事故)

2016-05-22 07:09:24 | その他

 自動車損害賠償保障法3条は、「事故のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によって他人の生命または身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する責に任ずる」としています。

 この規定を根拠に、「他人」は、「自動車を運行の用に供する者」に対して損害賠償請求をなしうることになります。

 山形地裁平成27年12月22日判決は、自分の自動車を他人に運転させ、助手席に座っていたところ、自損事故で亡くなった人の遺族が、運転手に対し、自動車損害賠償保障法3条に基づく賠償を求めた事例についての判決です。運転した人も、亡くなった人も、いずれも忘年会で酒を飲んでいました。

 遺族は、運転した人が「自動車を運行の用に供する者」、亡くなった人が「他人」にあたるとして、自動車損害賠償保障法3条に基づき請求をしたものです。

 最高裁の判例上、自動車の所有者は、人に自動車の運転を任せて同乗している場合でも、運転の交代を命じたり、運転につき具体的に指示することができるので、運転手が所有者の指示を守らなかったなどの事情がない限り、所有者は「他人」には当たらないとしています(最高裁昭和57年11月26日判決)。

 この点、遺族は、亡くなった人は飲酒の影響で指示をすることができる状況ではなかったので、最高裁判決に照らしても「他人」には当たらないと主張しました。

 しかし、山形地裁判決は、亡くなった人が忘年会時にふらつくなどの様子を見せていなかったこと、電話で用件を話したり片付けの指示をするなどしていたことから、一定の判断能力があり、「他人」にはあたらないとして、自動車損害賠償保障法3条は適用されないとしました。

 事実関係を前提とするとやむを得ない判決かと思われます。

 

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                       弁護士 齋 藤 裕(新潟県弁護士会所属)

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自転車の2人乗りについて(交通事故)

2016-05-12 16:43:27 | その他

 最近、自転車の2人乗りにより痛ましい事故が発生し、自転車の2人乗りに関心が集まっているようです。

 新潟県では、新潟県道路交通法施行細則が2人乗り(あるいは3人乗り)ができる場合を規定しています。

 具体的には、

1 16歳以上の運転者が幼児用座席に6歳未満の幼児を1人乗車させている場合

2 16歳以上の運転者が幼児2人同乗用自転車の幼児用座席に幼児2人を乗車させている場合

3 タンデム車に運転者以外の者1人を乗車させている場合

4 運転者以外の者を並列に乗車させる構造を有する乗車装置に1人又は2人を乗車させている場合

5 16歳以上の運転者が4歳未満の者1人をひも等で確実に背負っている場合

が例外的に2人乗り、3人乗りができる場合とされます。

 今回の事故では、幼児をおんぶしていて事故が発生したようですが、これは新潟県であれば5で適法とされることになります。

 これらの規定に違反して交通事故が発生した場合、2人乗りによって事故が発生し、あるいは損害が拡大した場合、損害賠償にあたり2人乗りをしていたことの過失が考慮されるのは当然です。

 2人乗りによって事故が発生したとまでは明確に言えない場合でも、2人乗りにより走行が不安定になる要素もあるため、2人乗りが過失として考慮される可能性も否定はできないと考えられます

 

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水道栓が路面から突出していたことによる事故の賠償責任(交通事故)

2016-04-19 11:33:02 | その他

 徳島地裁平成24年1月18日判決は、水道栓が路面から突出していたことにより、原付自転車が転倒し生じた事故について、道路管理者と舗装工事業者の賠償責任を認めています。

 現場は徳島市の管理する市道でした。事故当時、舗装工事業者が舗装工事を施工中であり、路面から水道栓が突出している状態にありました。

 判決は、水道栓が路面から10センチメートルほど出ていたこと、原付自転車がその付近を通る可能性が高かったこと、原付自転車は自動車に比べ安定性に乏しいので段差により走行に影響が出ると考えられたこと、段差等について表示がなかったことなどを根拠に、徳島市と舗装工事業者に賠償責任を認めました。

 なお、原付自転車側には2割の過失を認めています。

 原付自転車の走行に安定性がないこと等原付自転車の特殊性を踏まえた判決であり、妥当なものと思われます。

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貸切バス事故と旅行業者の責任(交通事故)

2016-04-13 12:06:36 | その他

 バス事故は輸送する人数が多く、一旦発生すると多人数が死傷する重大な事故につながりかねません。

 東京地裁平成25年4月22日判決は、そのようなバス事故で旅行会社が負担すべき責任について判断しています。

 同判決は、輸送機関と別法人である旅行業者はただちにバス事故について責任を負うものではないとしています。しかし、旅行業者には、1 旅行者の安全を確保できるような日程を確保する義務がある、2 旅行者が輸送サービスを受けることができるよう業者を選定するに当たり、旅行者の安全を害するおそれのない者を選定すべき義務を負う、3 添乗員がいるときには、旅行者の安全を害するおそれがあるときに対処するための適切な措置をとる義務を負う、としています。これらの義務に違反する場合には事故結果について賠償責任を負うことになります。

 この点、国土交通省自動車局は、「輸送の安全を確保するための貸切バス選定・利用ガイドライン」を策定しています。例えば、同ガイドラインでは、「行程検討の際の留意点」として、予定走行距離、見込まれる運行速度、運転時間・休憩時間、交替運転手の要否等を掲げています。これらを検討した場合に、運転者の連続運転時間(4時間)、一日の運転時間(平均9時間)等の要件を満たさない場合には、旅行業者としては貸切バス事業者に改善を求め、改善がなされないようであれば別の業者を選定する必要があるでしょう。もし、そのような対応を取らずに事故を起こしたとすれば、旅行業者としても事故の責任は免れないと考えられます。

 

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電話線の切断による交通事故とNTTの責任

2016-01-27 12:40:51 | その他

 仙台地裁石巻支部平成27年3月26日判決は、電話線の切断により生じた交通事故について、NTTの責任について判断を示しています。

 この事故は、何らかの原因で道路上に垂れ下がっていた電線を避けようとした自動車が対向車線にはみ出し起した事故です。

 裁判所は、事故現場が幹線道路で通行量が多いことから、電線が垂れ下がって長時間放置されることは考えにくいとして、事故直前に電話線の切断が発生したとしました。その上で、NTT側は対応を取ることが不可能だったとして、電話線には瑕疵(法的な意味での欠陥)がなかったとし、NTT側の損害賠償責任を否定しました。

 この裁判例については、事実認定について疑問はありうると思います。いずれにしても、電話線による交通事故については、電話線の切断と事故との間の経過時間が重要な鍵となります。

 

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道路冠水と損害賠償

2015-11-27 12:57:16 | その他

 広島地裁平成27年3月12日判決は、道路冠水のため自動車がその道路を走行して走行不能となった事故について、道路管理者の賠償責任を認めています。

 この事故は、JR高架下のアンダーパスで発生しました。集中豪雨のため、アンダーパスが冠水したのです。

 アンダーパスの入り口のところには遮断機はありましたが、事故当時遮断機は下されていませんでした。しかし、近くの掲示板や回転灯により通行止めであることは示されていました。

 判決は、アンダーパスは降雨時には冠水する可能性のあるものであったこと、事故時にかけ雨量の急激な増加があったことなどから、道路管理者において冠水を予想することができたとしました。

 その上で、大雨の際には視界不良となるため掲示板等で注意をうながすだけでは不十分であるとして、遮断機を下す等しなかったことは管理の瑕疵(欠陥)に当たるとしたのです。

 ただし、回転灯を見落としたことについて運転手の過失もあったとして、5割の過失相殺がなされています。

 道路冠水による事故について参考となる裁判例と言えます。

 

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生活資金貸付制度について

2015-06-30 17:22:52 | その他

 交通事故で被害にあった場合、加害者や保険会社から賠償を受けることができる可能性があります。しかし、必ずしも速やかに支払われるわけではなく、生活がくるしくなることもあり得ます。そのようなときには独立行政法人自動車事故対策機構が運営する貸付制度を利用することも考えられます。

 以下、ご紹介します。 

1 交通遺児等貸付

  交通事故で死亡や重度の後遺障がい(3級以上)が残った場合、お子様のための貸付を受けることができる制度があります。

  これは独立行政法人自動車事故対策機構が運営している貸付制度です。

  就学援助や児童扶養手当の受給をしている等、生活が苦しい家庭が対象です。

  お子様が中学卒業の月までが貸付期間となります。高校・大学に進学するときには卒業時まで返済が猶予されます。

  一時金15万5000円、以降月額2万円、入学支度金4万4000円の貸付がなされます。

  返済は20年以内の均等払いです。

  無利子です。

2 不履行判決等貸付

  自動車事故による被害者が、判決等で賠償責任が確定したのに賠償を受けられない場合、有利子で貸付を受けることができます。

  金額は10~100万円の以内の金額です。確定した損害賠償額中、支払いを受けられない金額の2分の1以内に限ります。

  利子は年3パーセントです。

  これも児童扶養手当を受給している等、生活が苦しい家庭が対象です。

3 後遺障害保険金一部立替貸付

  自動車事故による後遺障害が生じた場合に、自賠責の後遺障害保険金の支払いを受けるまでの無利子の貸付です。

  これは、自動車事故により後遺障害が残り、それについて自賠責の請求をしているものの、その支払いをまだ受けていない人が対象となります。

  これは保険金と相殺で返済することになります。

  これも児童扶養手当を受給している等、生活が苦しい家庭が対象です。

4 保障金一部立替貸付

  これは、ひき逃げや無保険車による事故の被害者が、政府の保障事業に保障金を請求しているものの、まだ支払を受けていない場合に利用できます。

  10~290万円以内の金額が貸付金額となります。ただし、支払われるべき保障金額の2分の1の範囲内となります。

  無利子です。

  これも保障金と相殺での返済となります。

  これも児童扶養手当を受給している等、生活が苦しい家庭が対象です。

 

 適宜ご利用を御検討ください。 

 

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自動車事故対策機構による介護料の支払い

2015-06-29 14:40:10 | その他

 独立行政法人自動車事故対策機構NASVAは、交通事故被害者のために、介護料の支給事業を行っています。

 この制度の対象になるのは、平成14年4月1日以降事故に遭われた方については自賠責の第2級2号までの等級認定を受けた方です。等級認定を受けていない方でも、上記と同程度の障がいを受けたと認められる等の要件を満たすことにより受給することができます。

 なお、病院や特別養護老人ホーム等の施設に入所したり、主たる生計維持者の所得が1000万円を超える場合等には支給できません。

 金額は、2万9290円~13万6880円までです。使途としてはホームヘルプサービスや介護用品の購入等があります。

 要件に合致する方は是非ともご利用を御検討ください。

 

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グレーチング間の隙間に自転車のタイヤがはまったことによる事故の賠償責任

2015-06-20 18:12:54 | その他

 京都地裁平成26年11月6日判決は、グレーチング間の隙間(約2・5センチメートル)に自転車のタイヤがはまり、そのため転倒してケガをした事故について、道路管理者の賠償責任を認めています。

 裁判所は、道路に瑕疵(欠陥)があることについて争いがないと整理した上で、隙間からして普通の自転車が転倒する原因にはなりにくいこと(事故にあった自転車はタイヤ幅の狭いロードバイクタイプ)、自転車側もグレーチングの存在を認識していたので隙間も予想することができたとし、道路管理者に賠償責任を認めつつ、自転車側にも2割の過失があったとしました。

 隙間があれば転倒することがあり得ることは明らかですから道路管理者に賠償責任を認めた判断は妥当というべきでしょう。自転車を運転していたのが子ども等であれば自転車側の過失割合はゼロに近かった可能性もあると思います。

 

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行政書士による交通事故取扱いについて

2015-06-10 06:25:05 | その他

 大阪高裁平成26年6月12日は、行政書士による交通事故取扱いについて、弁護士しかできない業務を取り扱ったとして弁護士法72条に違反するという判断を示しています。交通事故専門等とうたった行政書士事務所が散見されますが、同判決はそのような違法な業務に対する警鐘を鳴らすものとなっており、ご紹介します。

 同判決は、最高裁が「交渉において解決しなければならない法的紛議が生ずることがほぼ不可避である案件に係るもの」について弁護士以外が取り扱ってはならないとしていることを踏まえ、行政書士が交通事故の解決のために整形外科医宛の上申書や保険会社宛の書類を提出したことについて行政書士の業務範囲に含まれず、弁護士しかなし得ない業務を行っているものとして違法としました。

 交通事故の場合、通常は保険会社が提案する示談金額は低廉であり、多くの場合は金額をめぐり法的紛議が生ずることがほぼ不可避ということになります。また、わざわざ行政書士に依頼して保険の請求をするということは、やはり高額が得られるような等級を取りたいがためと思われ、そうであればそのような保険の請求も法的紛議が生ずることがほぼ不可避ということになります。

 よって、行政書士による交通事故取扱いの多くについて、弁護士法72条に違反する懸念があることになります。法律違反の交通事故専門行政書士などにはお気を付け下さい。

 

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