大阪地裁平成２９年６月３０日判決は、大型貨物自動車が道路中央を超えて進行していたところ、対向して進行してきたバイクが驚き急制動し、転倒した事故について過失割合の判断を示しています。
裁判所は、大型貨物自動車について、中央からはみ出さないようにすべき義務があったのに怠ったとしました。
他方、バイクも、道路の左側を走行するか、速度を衝突するなどして衝突を回避する義務があったとしました。バイクはそれらの義務に違反したとされています。
以上踏まえ、どちらの過失が大きいとは言いにくいものの、大型貨物自動車とバイクとの事故であることを踏まえ、バイクの過失割合を４５パーセントとしました。
別冊判例タイムズ「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準 全訂５版」では、自動車がセンターオーバーしバイクとの間で発生した交通事故についてバイクの基本的過失割合をゼロとしています。それが大阪地裁判決では４５パーセントですから、実際に衝突したわけではない事故、つまり被害者側に回避可能性が相当ある事故については過失割合が大幅に修正されることが分かります。
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弁護士 齋 藤 裕（新潟県弁護士会所属）
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