相談料・着手金無料 新潟の弁護士による交通事故ブログ(新潟県の交通事故) 

弁護士齋藤裕(新潟県弁護士会)のブログです。交通事故の記事をまとめました。お悩みの方は025-211-4854にお電話を

交通事故による損害賠償と人身傷害保険金

2012-06-28 19:22:39 | 保険

 自動車保険には人身傷害保険というものがつけられていることがよくあります。これは、被保険者が自動車事故で死傷した場合、被保険者の過失割合を考慮しないで、約款で定められた基準に基づく保険金を支払うものです。この約款で定められる基準は裁判所が損害賠償のために採用する基準より低いのが一般です。

 この人身傷害保険による保険金は裁判所が採用する基準より低い基準でしか保険金を支払いませんので、被害者としては人身傷害保険により保険金を受領した後で、加害者に対して損害賠償請求をすることがあります。その場合、人身傷害保険で支払われた分については人身傷害保険金を支払った保険会社が損害賠償請求権を取得します(代位取得といいます)。そのため、被害者は損害賠償額から人身傷害保険金額を引いた額だけ被害者に対して請求することができることになります。

 この場合、いくらが損害賠償額から引かれるべきかは難しい問題です。

 具体的に考えてみましょう(本当は遅延損害金の問題なんかもありますが割愛します)。

例えば、被害者に落ち度が50パーセントあったとしましょう。その場合2000万円の損害を被った人は1000万円の損害賠償請求権を持つことになります。その人が人身傷害保険から1000万円支払われたとき、1000万円(過失相殺後の賠償額)-1000万円(人身傷害保険金)と考えると、被害者は1円ももらえないことになります。

 この点、最高裁平成24年2月20日判決は、被害者が人身傷害保険金とあわせて過失相殺前の損害額をもらえるようにすべきだと判断しました。先の例では、被害者は過失相殺前の損害額2000万円はもらえるようにすべきだというのです。すると、2000万円(過失相殺前の損害額)-1000万円(人身傷害保険金額)=1000万円となるので、被害者は人身傷害保険金のほかに1000万円をもらえることになります。

 このように今回の最高裁判決は被害者に有利な判断をしたものであり、評価できるでしょう。

 交通事故でお悩みの方はさいとうゆたか法律事務所の弁護士(新潟県弁護士会所属)にご相談下さい。交通事故の相談料は無料です。まずはお電話(025-211-4854)かメールをなさって下さい。

                        弁護士 齋 藤 裕(新潟県弁護士会所属)

新潟の弁護士による交通事故ブログトップ


交通事故 弁護士費用保険を利用しましょう

2012-06-05 17:13:32 | 保険

 自動車保険には「弁護士費用保険」というものを付けることができます。

報道によると,平成22年度の契約件数は1400万件を超え,全国の総世帯数の3割近くに及ぶようです。ところが,利用件数は年間1万件未満と低迷しているそうです。


この弁護士費用保険は,被害者に全く落ち度がなく,保険会社が示談交渉を代行できないケ-スにメリットが大きいとされます。ご自身で相手方と交渉する場合のストレスは大きなものがあります。また,仕事などで交渉に時間を使うことができない方もいるでしょう。そのような場合でも,弁護士費用保険に加入していれば,費用の心配なく,弁護士が代わりに交渉をすることができます。


事故に遭った場合,まずは弁護士費用保険に加入しているかどうか確認してみてはどうでしょうか。


 

 当さいとうゆたか法律事務所の弁護士(新潟県弁護士会所属)にご相談下さい。交通事故の相談料は無料です。まずはお電話(025-211-4854)かメールをなさって下さい。

                        弁護士 齋 藤 裕(新潟県弁護士会所属)

新潟の弁護士による交通事故ブログトップ


交通事故での通知義務にはご注意を

2012-06-03 12:48:46 | 保険

 交通事故を起こし加害者となった場合でも,自動車保険に加入していれば,原則的には保険会社が賠償金を支払うことになります。しかし,その前提として,加害者が被害者から訴訟を起こされた場合等には保険会社にそのことを教える必要があります。それを教えなかった場合,保険会社が賠償金を支払わない場合もありえます。

 宇都宮地方裁判所平成23年10月7日判決は,加害者が被害者から訴訟を起こされ,加害者がそれを保険会社に連絡しないまま500万円を支払うべきとの判決を受けたというケ-スについて,保険会社がその500万円を支払う義務はないとの判断を示しました。

 交通事故加害者の方は保険会社と連絡をとりながら対応を取るようにしましょう。そうでないと保険に入ったことが無意味になることもあり得ます。 

 交通事故でお悩みの方はさいとうゆたか法律事務所の弁護士(新潟県弁護士会所属)にご相談下さい。交通事故の相談料は無料です。まずはお電話(025-211-4854)かメールをなさって下さい。

                        弁護士 齋 藤 裕(新潟県弁護士会所属)

新潟の弁護士による交通事故ブログトップ


交通事故の示談成立後に、新たな賠償請求を認めた裁判例

2012-06-02 12:43:05 | 傷害事故

 交通事故で示談が成立した場合、その後に新たな症状が現れても、その新たな症状については別途の賠償が認められないのが原則です。

 この点、前橋地裁平成23年7月27日判決は、例外的に新たな症状について別途の賠償を認めました。

 この事件では、当初12級という重さの後遺障害が認められており、それを前提に示談がなされました。ところが、その後、被害者の方が12級という認定に対し異議の申し立てをし、その結果9級という12級より重い後遺障害が認められました。裁判所は、12級の場合に認められる損害と9級の場合に認められる損害の差額についての賠償を認めたのです。

 この裁判例自体は当たり前のことを言っており、妥当ではあります。

 しかし、交通事故で示談をする場合には、示談で決めた以外の金額が払われることは基本的にはないということを頭に入れ、慎重の上にも慎重に判断する必要があります。できれば示談書に判子を押す前に弁護士に相談した方がいいでしょう。

 

  交通事故でお悩みの方はさいとうゆたか法律事務所の弁護士(新潟県弁護士会所属)にご相談下さい。交通事故の相談料は無料です。まずはお電話(025-211-4854)かメールをなさって下さい。

                        弁護士 齋 藤 裕(新潟県弁護士会所属)

新潟の弁護士による交通事故ブログトップ