新潟合同法律事務所(新潟県弁護士会) 労働災害(労災)ブログ

新潟市の弁護士齋藤裕のブログです。労働災害(労災)に関する記事を掲載しています。
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トラック運転手の過労死について賠償を認めた裁判例

2016-11-24 18:24:10 | 損害賠償

 大阪地裁平成28年4月14日判決は、トラック運転手の過労死について賠償責任を認めています。

 まず、裁判所は、運転・荷積み・荷下ろし作業に従事していた時間以外の拘束時間も労務に従事していたものとして心身に重大な影響を及ぼすストレスの要因となりうるとしました。

 その上で、時間外労働が月120~160時間となるとし、運転手の死因は致死性不静脈による心臓性突然死であると認定しました。

 そして、心疾患等の具体的な兆候を示していなかったとしても、会社側としては長時間労働を把握していた以上死亡について予見可能性があったとし、会社側に賠償責任を認めました。

 

 トラック運転手については特に異常な長時間残業にさらされていると指摘されています。同判決は、そのような長時間残業を止めるよう求める上で大きな力となる判決だと思います。

 

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                    弁護士 齋藤裕(新潟県弁護士会所属)

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新潟市民病院はブラック企業 ー長時間残業の解消のため申入れをしました

2016-11-10 09:47:28 | 全体

    

 11月9日、過労死した新潟市民病院研修医のご遺族と私とで、新潟市に、新潟市民病院における研修医などの労働環境の改善を申し入れました。

 私は、2015年6月の全研修医の電子カルテを閲覧し、そこから労働時間を読み取りました。

 その上で、法定の休憩時間を取得したとみなし、それを除外し、暦週毎に労働時間を算出しました。

 その結果判明した新潟市民病院研修医の時間外労働の状況は以下のとおりです。

  月間100時間超         26人

  月間80時間超100時間以下   9人

  月間80時間以下         8人

  最大178時間56分58秒

  厚生労働省のパンフレット「脳・心臓疾患の労災認定」によると、発症前1ケ月に概ね100時間、発症前2か月ないし6か月間にわたって1か月おおむね80時間を超える時間外労働が認められると、脳・心臓疾患と長時間労働との関連性が強く評価されます。

 よって、100時間ないし80時間超の時間外労働をしている研修医については過労死水準を超えて就労していることになります。

 100時間超は全体の60パーセント、80時間超は全体の81パーセントであり、極めて過酷な長時間労働がまん延していることが明らかです。

 私たちはその実態を示し、新潟市側に労働時間の把握や労働時間減少の措置をとることなどを求めました。しかし、新潟市側は、研修医の自己申告をたてにした主張をする有様であり、実態の労働時間に即した対応を明確に約束することはしませんでした。

 今後とも新潟市民病院の長時間労働については改善を目指し粘り強く取り組んでいきます。

                               弁護士 齋藤裕(新潟県弁護士会所属)


                               以上   


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客とのトラブルなどを理由として公務災害が認められた事例

2016-10-15 10:32:18 | 労災保険

 名古屋高裁平成28年4月21日判決は、市営バス運転手の自殺について業務起因性を認めました。

 当該運転手の時間外労働は月平均63時間である、極端に多いという状況ではありませんでした。

 しかし、

ⅰ 管理職による添乗指導の際に厳しく指導されたこと

ⅱ プリペイドカードからの過徴収などの際に適切な対応をしたにも関わらず客からメールにより苦情を受けた

ⅲ 乗客の転倒事故について、実際には転倒した際の運転手ではなかったのに、自認に追い込まれた

といった事情がありました。

 これらに、業務外に自殺の原因となる事情がなかったこともあわせ検討し、公務起因性を認めました。

 一審判決は公務起因性を認めておらず、限界事例といってよいでしょう。

 判決は、当局が顧客サービス強化に努めていたという背景を重視しています。そのような職場では、顧客とのトラブルが公務起因性・業務起因性を判断する上で重要な要素になるということでしょう。

 

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長時間労働によるうつ病り患について2000万円を超える損害賠償を認めた事例(仁和寺事件、労災)

2016-09-14 19:37:36 | 損害賠償

 京都地裁平成28年4月12日判決は、宿泊施設の料理長が長時間労働によりうつ病にり患したという事案について、2000万円を超える損害賠償の認定をしています。

 料理長はほぼ毎月140時間を超える時間外労働を行い、もっとも多い月では約240時間にも及んでいます。そのためうつ病にり患しました。裁判所は、使用者が業務量の調整を行うという安全配慮義務を果たさなかったとして、不法行為の成立を認めています。

 裁判所は、通院慰謝料(20ケ月、53回の通院)を150万円、逸失利益1511万(等級9級、症状固定後就労可能年数の全期間にわたり労働能力35パーセント喪失)、後遺障害慰謝料700万円、損失相殺529万円、弁護士費用180万円などとして、2000万円を超える損害賠償を認定しています。

 損害額の認定自体は交通事故の場合とさほどかわらないのですが、比較的高額の賠償を認めた事例として参考になると思います。

 

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新潟市民病院医師過労死事件について労災申請しました

2016-08-17 17:53:18 | 当事務所の事件簿

 本日、新潟市民病院医師過労死事件について新潟労基署に労災申請をしました。

 これは、新潟市民病院に勤務していた30代女性医師が、長時間労働の末、本年1月に自殺したことを受けてのものです。

 女性医師は、月によっては250時間を超える時間外労働を強いられてきました。

 労働時間については電子カルテやセキュリティ上の記録ではっきりしています。

 それにも関わらず新潟市当局は実態解明も、再発防止策の策定も行っていないようです。当局は事実関係の証明すら拒否してきています。

 きちんと労災認定させ、新潟市民病院の労働実態の改善につなげていきたいと思います。

 担当は齋藤裕です。

                       弁護士 齋藤裕(新潟県弁護士会所属)

 


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