新潟合同法律事務所(新潟県弁護士会) 労働災害(労災)ブログ

新潟市の弁護士齋藤裕のブログです。労働災害(労災)に関する記事を掲載しています。
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過労と気温差による心筋梗塞と労災

2016-06-30 06:52:42 | 労災保険
 福岡地方裁判所平成8年9月25日判決は、過労と気温差により生じた心筋梗塞について、労災との認定をしています。
 
 被災労働者は製鋼作業員でした。

 被災労働者は、発症前日は、拘束労働時間18時間、実労働時間16時間で、睡眠時間が3時間強しか取れませんでした。
 
 それから当日出勤し、午前6時から作業を開始しました。そして、高温多湿の作業現場から冷房が効いている休憩室に移動し、心筋梗塞を発症したのです。

 裁判所は、死亡前日・当日の過重な業務に従事することで自律神経機能に変調をきたしていたところ、高温多湿の作業現場から冷房が効いている休憩室に移動したことにより急激な血管収縮を引き起こし、心筋梗塞を発症したと認定しました。

 寒暖差が激しい場合には心筋梗塞が発症しやすいとされますが、単に寒暖差が激しい職場で心筋梗塞を発症しただけでは簡単には労災認定は受けられません。同判決は、疲労+寒暖差がある場合に心筋梗塞の労災認定を認めており、参考になるものと思われます。

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平成27年度過労死等の労災補償状況

2016-06-25 06:32:19 | 労災保険
 厚生労働省は、この度、平成27年度過労死等の労災補償状況を公表しました。

 脳心臓疾患の請求件数は前年比32件増の795件、支給決定件数は26件減の251件となっています。

 精神障害の請求件数は59件増の1515件、支給決定件数は25件減の472件となっています。

 いずれも請求件数が増えつつも、認定件数が減っているという状況にあります。認定の厳格化が進んでいるのかどうか注視が必要と思われます。

 脳心臓疾患の1ケ月平均の時間外労働時間数別支給決定件数は80~100時間が105件、100時間以上が120件となっています。

 精神障害の1ケ月平均の時間外労働時間数別支給決定件数は20時間未満86件で最も多く、80~100時間未満が20件となっています。

 脳心臓疾患に比べ、精神障害の場合、労働時間以外の要素(仕事内容・仕事量、嫌がらせ・暴行など)が原因での支給が多く認められている傾向が明瞭です。


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孤立した環境での就業などを理由にうつ病発症を公務災害認定した事例

2016-06-22 13:19:52 | 労災保険
 公務員が過剰な長時間労働をしてうつ病となった場合には公務災害として認定される可能性が高くなりますが、さほどの長時間労働ではないとしても、業務上の精神的負荷が高い場合には公務災害として認定されることになります。

 高知地裁平成27年11月27日判決は、公務員がうつ病に発症したことについて、さほどの長時間労働はないとしつつも、孤立した環境での就業などを理由に公務災害該当性を認めています。
 
 この公務員の時間外・休日労働は、月50時間前後であり、それだけで公務災害と認定されるレベルではありません。

 しかし、裁判所は、この公務員の担当業務が増えたこと、それにもかかわらず執務場所が本庁舎から運動公園の管理事務所に移ったことから移動時間が増えたので短い時間の中で増えた業務をこなさなければならなかったこと、執務場所の関係で他の職員に相談もしにくく孤立した状況にあったことなどを総合考慮し、公務災害を認定しました。

 このようにうつ病の公務災害認定にあたっては、労働時間以外の要素も重要な意味を持ってくることになります。


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海外勤務者の労災保険支給

2016-06-10 19:21:55 | 過労による障害
 日本国内の事業主から海外で行われる事業に労働者として派遣される人などは、労災保険に特別加入をすると労災保険が適用されることになります。

 問題は海外で勤務していながら特別加入していない人です。

 東京高裁平成28年4月27日判決は、海外で働く労働者が特別加入していない場合について労災保険の対象となることを認めています。

 裁判所は、国内の事業場に所属して当該事業場の使用者の指揮に従って勤務している場合には特別加入していなくても労災保険の対象となるとしました。

 具体的には、業務上の決定権限が日本国内の担当者にあり被災労働者の権限が乏しかったこと、海外派遣にあたり文書による辞令交付などが行われていないこと、会社が国内事業所に所属する者として労災保険料を支払ってきたことなどが根拠とされています。

 一審と二審では結論が異なっています。判断が微妙な問題ということです。海外で仕事をする場合、させる場合には特別加入をするようにした方が無難でしょう。


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運送作業中の負傷と損害賠償(労災)

2016-05-18 10:01:46 | 損害賠償
 東京地裁平成27年7月10日判決は、鏡の搬出作業をしていた従業員が倒れてきた鏡でケガを負ったという事件について、使用者の損害賠償義務を認めています。


 当該従業員は、ホテル経営会社に雇われ、ホテルの改装工事に従事していました。事故当日は、物資を運搬する作業に従事していました。その作業の一環としてトラック荷台で作業をしていたところ、トラック荷台壁面に立てかけられていた鏡が倒れ掛かり、当該従業員は負傷したのです。

 裁判所は、使用者に安全配慮義務を認めた上で、一枚でも重量のある鏡の運搬作業は相当程度危険な作業であった、使用者としてはそのような作業をさせるに当たっては安全のための具体的な作業手順を指導し作業員以外に監督者を置くべきであったがそれを怠った、として安全配慮義務違反があったとしました。

 当該事案は、鏡の運搬というやや特殊な事例ですが、重い物を運搬させる場合については共通する部分があります。この事案の使用者はホテル経営会社であり、運搬を専業にしているものではありません。そのため、杜撰な指導態勢となったと思われますが、運送専業ではないとしても運送作業をさせるに当たっての最低限の安全配慮義務が課せられるべきは当然です。
 

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