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59歳被害者について、賃金センサスを基準に前年収入を大幅に上回る逸失利益が認定された事例(交通事故)

2019-02-01 17:24:15 | 傷害事故

 交通事故で後遺障害が残った場合、労働能力喪失割合に応じて逸失利益の賠償がなされることがあります。

 その際、30歳以上の者については前年度収入をもとに計算がされるのが通常です。

 ところが、福井地裁平成25年12月27日判決は、59歳の被害者(土木作業員)について、前年収入である11ケ月251万円余によらず、賃金センサスによる490万円余を基準として逸失利益を算定しています。

 同判決は以下のとおり述べます。

 原告は,重機オペレータの資格を有していることからすると,前記年収を逸失利益算定の基礎収入とするのは相当ではなく,平成16年度賃金センサス高校卒男子労働者の平均賃金である490万1300円を基礎収入として逸失利益を算定するのが相当である。


 ここでは、重機オペレーターの資格を有していることのみが取り上げられており、それにも関わらず前年度収入が11ケ月251万円余にとどまっていたことについて注意が向けられていません。やや説得力に欠ける判断かと思います。

 他方、前年度収入が低くても、病気など特殊事情により収入が低かった場合に、資格があることを理由に賃金センサスを基準とした逸失利益算定をすることは大いにありうるところかと存じます。

 

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                       弁護士 齋 藤 裕(新潟県弁護士会所属)

 

 

 


 


有職主夫の休業損害(交通事故)

2019-01-25 12:48:08 | 傷害事故

 主夫や主婦が交通事故で家事をなしえなくなった場合、賃金センサスという統計に従い休業損害が賠償されるのが一般的です。

 他方、有職者については、その収入に応じた休業損害が賠償されるのが一般的です。

 そして、給料が少なく、主婦あるいは主夫としての就労が主だと考えられる場合には、賃金センサスにより休業損害が賠償されることもあります。

 例えば、東京地裁平成28年9月28日判決は以下のとおり述べます。

 

 原告X1が,本件事故時,原告X2と原告車に同乗していたこと,カメラマンとしての収入は,平成23年には売上から経費を控除して156万7385円に過ぎず,これに対し,原告X2の同年の給与額が642万4889円であったことが認められ,その他の諸事情をも勘案すると,原告X1は,本件事故当時も,原告X2と共同生活を営み,かつ,家事を担当していたと認めるのが相当である。
 そして,上記認定及び弁論の全趣旨によれば,原告X1の休業損害は,賃金センサス年収額表平成24年女子学歴計354万7200円を基礎年収,労働能力喪失期間を平成24年7月19日から同年9月24日(原告X1が仕事への復帰が可能となったと認められる日の前日。)までの68日間,その間の平均の労働能力喪失率を20%と認めるのが相当である。以上によれば,以下の算式により,上記金額を休業損害額と認める。


 このように、他方配偶者の収入との関係で収入がかなり少なく、家事を担当していたような場合、有職者であっても賃金センサスにより休業損害が算定されることもあります(その他、勤務日数も重要な要素でしょう)。

 ですから、収入の多くない人の場合、有職者でも賃金センサスによる計算ができないかどうか検討することが重要です。

 

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交通事故による休業後の再開費用

2019-01-24 09:02:12 | 傷害事故

 

 自営業者が交通事故により就労ができなくなり、事業を一旦廃休業、その後再開した場合、再開のための費用について賠償が認められることがあります。

 例えば、東京地裁昭和61年10月30日判決は、以下のように述べ、事業再開のための広告費用分の賠償を認めました。

 

 原告は、本件事故後に営業を再開するにあたり、営業再開の新聞折込み広告を出したり顧客に対し洋毛肌掛布団等の品物などを送り、広告料一六万五一〇〇円を含めて約三五万円を支出したことが認められるが、原告経営の寿司店の規模、休業期間等に照らし、本件事故と相当因果関係のある損害としては広告料一六万五一〇〇円をもつて相当と判断する。


 例えば、休業期間がかなり長い場合には広告費用が認められやすいでしょうし、短ければ不要とされやすいでしょう。

 店の規模が大きければ、高額な広告費用が認められることもありうると思います。

 

 自営業者が休業した場合には、再開費用も含め損害を丁寧に拾っていく必要があります。

 

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役員報酬額より高い年収で休業損害を認定した事例(交通事故)

2019-01-18 17:24:52 | 傷害事故

 交通事故で会社役員が被害を受け、休業した場合、会社からの報酬額のうち労務対価部分を基礎として休業損害を算定することとなります。

 つまり、報酬額が上限となるのが原則です。

 しかし、会社によっては様々な事情で、本来受領すべき金額より報酬を安く抑えることがありえます。

 そのような場合、報酬を超える金額を基礎に休業損害を算定することがあります。

 例えば、横浜地裁平成28年5月27日判決は、以下のとおり述べて、報酬年96万のところ、賃金センサスをもとに年336万を基準に休業損害を計算しました。

 甲第15号証,第16号証の1,2,第17号証,第20ないし23号証,原告の供述及び弁論の全趣旨によると,①原告は,工作機械販売及び修理メンテナンスを行う株式会社Aの実質上の経営権を握る取締役であるが,同社は原告,妻,長男の3人だけの家族会社であったこと,②原告の仕事は,経営者としての通常業務のほか,工作機械のメンテナンス・販売等であったが,本件事故により左膝と左肩が痛んだり,左肩の手術(平成25年10月22日)のため,少なくとも半年間は同作業に支障をきたした上,通院にも相当な時間をとられたことから,工作機械の販売等の業務にも支障が生じ,会社の売上が減少したり,メンテナンス業務の外注等により経費が増えて会社の利益が減少したこと,③損益計算書によると,本件事故前の1年間は売上額は7037万5139円であるが,本件事故後は売上額は5596万9157円と約25パーセント減少したこと,④当期利益は,本件事故前1年は415万1013円であるが,本件事故後は20万0629円と約95パーセント減少したこと,⑤このような経過の中で,原告は,本件事故前から税理士の指導を受け,会社の体力を残すため自己の役員報酬(年収)を96万円に抑えて年金で生活することとし,会社の売上が伸びても,これを増額しなかったことが認められ,これに照らすと,会社は経済的に原告と一体化し,支配関係等からみても原告の個人会社であり,原告の役員報酬年額96万円は,労働対価部分を正確に反映したものではないから,会社の上記売上,利益状況等を考慮し,本件事故当時の原告の基礎収入を336万1700円(但し,本件事故当時の原告の年齢は75歳であり,男性学歴計70歳以上の賃金センサス〔平成27年度「赤本」の最新賃金センサスである平成25年度のもの〕による。)を下らないと認めるのが相当である。


 このように、会社の特殊事情によっては、報酬を基準とする場合よりも高い休業損害となる場合がありますので、実際の報酬額が相当な報酬額かどうかの検証が必要となります。

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介護機具の買い替え期間(交通事故)

2019-01-17 12:30:01 | 傷害事故

 交通事故で重度の障害が残り、介護機具を必要とする場合、買い替え分も含めその費用が賠償の対象となりえます。

 問題はその買い替えが必要となる期間であり、裁判で争われることもよくあります。

 例えば、大阪地裁平成24年7月25日判決は、以下のような判断を示しています。

    ア 電動式介護ベッド 159万9263円
     原告X1の本件後遺症の内容及び程度に照らし,電動式介護ベッドの必要性が認められる。証拠(甲71)によれば,介護用ベッドは,1台38万3250円(消費税込み)及びその附属設備(延長フレーム,オーバーヘッドテーブル,諸経費。消費税込み)は,10万7782円であり(合計49万1032円),その価格が不当に高いことを裏付ける証拠はない。買換は,8年毎に必要となると認めるのが相当であるから,平成21年の初回購入から原告X1の平均余命に達するまでの48年間に5回の買換を要する。よって,本件事故と相当因果関係のある介護ベッド代及び附属設備代は,124万5600円を下らないと認められる。
     (計算式)491,032円×(0.9070+0.6139+0.4155+0.2812+0.1903+0.1288〔8年毎に5回の買替〕)
     また,上記電動式介護ベッドには,上記以外の附属設備として,延長マット,マットレス及び折りたたみサイドレール(合計7万6492円。消費税込み)の必要性が認められる。同付属品の買換は,4年毎に必要となると認めるのが相当であるから,平成21年の初回購入から原告X1の平均余命に達するまでの48年の間に11回の買換を要する。よって,本件事故と相当因果関係のある上記以外の附属設備代は,35万7102円を下らないと認められる。
     (計算式)76,492円×(0.9070+0.7462+0.6139+0.5050+0.4155+0.3418+0.2812+0.2313+0.1903+0.1566+0.1288+0.1509〔4年毎に11回の買替〕)
     1,245,600+357,102=1,602,702
     したがって,原告らの請求する159万9263円を下らない。
   イ 車椅子2台 208万7389円
     原告X1の本件後遺症の内容及び程度に照らせば,車椅子(屋外及び屋内の各1台)の必要性が認められる。証拠(甲61)及び弁論の全趣旨によれば,同費用は,56万1700円(1台あたり28万0850円)であり,その価格が不当に高いことを裏付ける証拠はない。原告X1は,平成19年に1台購入した。車椅子についての買換は,安全性を保持できる間に行う必要性があることは否定できないため,5年毎に必要となると認めるのが相当であるから,原告らが請求する平成24年から原告X1の平均余命に達するまでの間に9回の買替えを要する。よって,本件事故と相当因果関係のある車椅子代は,上記金額であると認められる。
     (計算式)280,850+561,700×(0.7835+0.6139+0.4810+0.3768+0.2953+0.2313+0.1812+0.1420+0.1112〔5年毎に9回の買替〕)
   ウ 電動昇降式入浴装置 236万4000円
     原告X1の本件後遺症の内容及び程度に照らすと,その入浴介助に負担があることが認められるから,介護の負担軽減のために入浴に関する介護器具の必要性が認められる。
     もっとも,原告らが請求する電動昇降式入浴装置は,ストレッチャーに寝たまま電動で浴槽に入ることができるものであるが,原告X1が10分から20分程度であれば軽度介入ないし看視により座位を保持できること(乙8の92・98頁)からすれば,介護リフトなどの介護器具も有用であると認められ,同器具につき50万円ないし100万円程度のものがあり(乙13,17,弁論の全趣旨。なお,同器具を用いても,原告らが主張するように,介護者が一緒に湯船に入る必要性があるとは認められない。),上記電動昇降式入浴装置が介護リフト等と比べると575万2582円と非常に高額であることに照らすと,相当性を欠くといわざるを得ない。
     以上によれば,入浴介護器具として,少なくとも,被告の認める100万円の限度で相当性が認められるというべきである。その買換は,少なくとも,被告の認める10年毎に必要となると認めるのが相当であるから,原告X1が症状固定後平均余命に達するまでの50年間に4回の買換を要する。よって,本件事故と相当因果関係のある損害は,上記金額のとおりである
     (計算式)1,000,000×(1+0.6139+0.3768+0.2313+0.1420〔10年毎に4回買替〕)


 このように、介護用ベッドについては8年、車椅子は5年などと買い替え期間を認定しています。

 買い替え期間は、その製品のメーカに問い合わせるなどして調査することになります。

 金額の大きい介護機具もありますので、買い替え期間については適切に認定してもらう必要があります。


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