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胎児が死亡した場合の慰謝料(交通事故)

2018-12-08 13:20:25 | 死亡事故

 

 出産を楽しみにしていたお腹の赤ちゃんが交通事故で死亡した場合のご遺族の悲しみは察するにあまりあります。

 しかし、胎児は法律的には人とは扱われないので、慰謝料請求の場面では母親らの慰謝料に胎児分の慰謝料を上乗せすることになります。

 この点、高松高等裁判所平成4年9月17日判決は、胎児が死亡したことについて、母親の慰謝料に800万円の上乗せをしています。

 胎児は10ケ月目に入っていました。

 安定期まで来るとやはり相応の慰謝料が上乗せされるということになるでしょう。慰謝料額は妊娠月数によってかなり影響される可能性があると考えます。

 

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事故態様の悪質さと慰謝料額(交通事故)

2018-12-07 15:41:35 | 死亡事故

 

 交通事故で被害者が死亡した場合、一般的には慰謝料額は2000~2800万円とされます。

 人の命は皆同じ価値です。ですから慰謝料額に極端な差がないというのは合理的ともいえます。

 他方、やはり悪質な事故については被害者の憤りも大きいため、そのような感情に対する配慮が必要となります。

 そのため、特に悪質な態様の交通事故については通常より慰謝料額が大きくなることがあります。

 例えば、東京地裁平成28年4月27日判決では、被害者本人の死亡慰謝料3200万円、遺族の固有慰謝料300万円としており、かなり高い慰謝料額となっています。

 裁判所は、酒酔い運転であったこと、指定制限速度50キロメートルの道路で時速85~95キロメートルの速度で走行していたこと、センターラインオーバーであったことなどの事情を踏まえて慰謝料を決定しています。

 特に重大な結果を招いた事故については事故態様の悪質性についてきちんと主張立証することは重要なのです。

 

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家族の介護に従事していた主婦の逸失利益(交通事故)

2018-12-06 08:56:02 | 死亡事故

 

 交通事故で被害者が死亡した場合、収入を得られる能力が失われたとして逸失利益の賠償がなされます。給与所得者であれば給与を基準に算定がされますが、主婦の場合には女性の平均賃金をもとに計算がなされることになります。家事労働を女性の平均賃金で評価することになるからです。

 この点、家族の介護にも従事していた主婦の逸失利益の算定をどうすべきか問題となります。

 東京地裁平成28年4月27日判決は、女性の平均賃金に、介護分(一日1000円)を加算した上で逸失利益を算定すべきとしました。

 主婦の中でも、介護に従事していた人とそうでない人を区別することの合理性には疑問もありえます。小さいお子様がいらっしゃる被害者との均衡上も不合理感は否めません。他方、介護に従事していた人が亡くなった場合、現実に施設などの入所し介護費用が増加するという現実と考えた場合、首肯する余地のある裁判例であると考えます。

 

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私的年金と逸失利益(交通事故)

2018-11-13 08:50:48 | 死亡事故

 交通事故で被害者が死亡し、年金を受給できなくなった場合、その分が逸失利益として損害賠償請求の対象となることがあります。

 一般的には公的年金が対象となりますが、私的年金であっても同様に対象となりえます。公的だろうが、私的だろうが、得られる見込みだったものが得られなくなるという関係は同じだからです。

 例えば、千葉地裁平成23年7月25日判決は、簡易生命保険に基づく年金保険金について逸失利益としての賠償を認めました。具体的には平均余命期間において年金保険を受領することができるものとして逸失利益を計算しています。

 なお、この訴訟で、被告は、遺族厚生年金に関して逸失利益は認められないとした最高裁判例を引用し反論しましたが、裁判所は同最高裁判例は社会保障的性格が強い遺族厚生年金などに関するものであり、簡易生命保険に関するものではないとして被告の主張を排斥しました。

 確かに、簡易生命保険の保険金の社会的保障的性格はほとんどないと思われるので、最高裁判例が参考にならないとした判断は妥当だと思われます。

 

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老齢年金が支給停止され遺族年金を受給していた被害者が死亡した場合の扱い(交通事故)

2018-11-12 08:45:16 | 死亡事故

 交通事故で被害者が死亡していた場合、年金を受給していたら、その年金額について逸失利益の賠償がなされるのが原則となります。しかし、遺族年金については、逸失利益の対象とはならないとされています。

 この点、問題となるのは、本来老齢年金を受給できる人が、遺族年金も受給できるため、老齢年金の受給を停止させ、遺族年金を受給することを選択した場合の扱いです。

 京都地裁平成21年8月10日判決は、支給停止された老齢年金分について逸失利益の計算の基礎となるとしています。

 たまたま遺族年金を選択したからといって老齢年金を受給している人より不利に扱われるのは不合理とも思われるので、穏当な結論ではないかと思います。

 

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被害者の母に扶養利益の喪失が認められた事例(交通事故)

2018-11-10 10:58:27 | 死亡事故

 交通事故で被害者が死亡した場合、将来稼ぐことができた収入分について逸失利益の賠償請求権が発生し、それを相続人が相続することになります。

 しかし、相続人がいないケースもあります。内縁の妻などは相続人ではありませんが、判例上、扶養利益の喪失ということで収入分の一定部分(扶養されていた分)について賠償責任が認められます。

 大阪地裁平成19年1月30日判決は、被害者の母親(被害者には子どもがいるので相続人ではない)からの扶養利益の賠償請求を認めました。

 この事案では、被害者は月額30万円程度稼いでいたこと、母親に毎月5万円程度の生活費を渡していたこと、被害者は子どものために毎月4万円程度の養育費を支払っていたことなどの事情があり、それらを総合して毎月5万円を基準とする扶養利益の賠償が認められました。

 この事案は扶養利益を侵害される人と、相続人とが並存する事案です。そのような事案では、扶養利益の計算にあたり、相続人の利害との調整もなされることになります。

 

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70歳までの逸失利益が認められた事例(交通事故)

2018-11-09 17:06:01 | 死亡事故

 交通事故の被害者の逸失利益算定に当たり、いつまで就労することができたと考えるかが問題となりますが、一般的には67歳まで就労できたものとして計算します。

 しかし、職業などによってはより高齢になるまでの逸失利益を認めることがあります。

 例えば、京都地裁昭和62年5月6日判決は、交通事故で死亡した筝曲の教授について、70歳までの稼動が想定されていたとして逸失利益を算定されています。これは芸事の教授は高齢までやる人が多いものの、70歳くらいになると体力的な理由から辞める人が多いとの経験則からの判断です。

 その他にも宣教師について77歳、賃貸不動産の管理業を営んでいた人について平均余命までについて逸失利益を計算した事例もありますので、職業によっては67歳を超える就労が想定されていたことを主張立証する必要があります。

 

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事故後の家族構成の変動と生活費控除(交通事故)

2018-11-06 09:02:37 | 死亡事故

 交通事故で人が死亡した場合、労働能力が失われたことについて逸失利益の賠償がなされます。その際、被害者が亡くなることで生活費がかからなくなる分を控除する生活費控除というものがなされます。これは男性単身者は50パーセント、一家の支柱は30~40パーセントとされることが多いです。

 そこで、事故後に家族構成が変動した場合どう考えるかが問題となります。

 逸失利益は、交通事故がなかったら得られた利益を賠償の対象とするものです。そして、事故後に家族構成が変動した場合、交通事故がなくても家族構成は変動したであろうと思われますので、その家族変動を前提に生活費控除を考えるべきとも思われます。

 しかし、母と2人で暮らしていた男性が交通事故で亡くなった後、その母が亡くなったという事案について、東京地裁平成16年1月20日判決は、事故後の事情変動は考慮されるべきではないとの理由で母が同居していた場合を前提とする40パーセントの生活費控除としました。

 同判決はあまり論理的な説明をしていないようにも思われます。しかし、事故後の家族構成の変動をすべて取り入れていったらきりがないことになります。よって同判決の判断は現実的ではあると評価されうると思います。

 

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交通事故のための生じた旅行のキャンセル料

2018-08-31 14:02:13 | 死亡事故

 交通事故のために生じた旅行のキャンセル料については賠償を認める裁判例が多くあります。

 例えば、東京地裁平成14年1月22日判決は、母親が交通事故で死亡した原告が、海外旅行をキャンセルすることとなったところ、そのキャンセル料10万6000円について交通事故と因果関係にある損害として賠償を命じました。

 親族がかなり大きなケガをしたような場合、自身がケガをして旅行できなくなtったような場合にもキャンセル料が賠償の対象となると思われます。

 なお、同判決では、原告が海外旅行をすることができなくなったことで原告が締結していた業務委託契約がキャンセルされることになったとして、1年分の報酬の半額である300万円の賠償も認められています。このように旅行キャンセルによる派生的損害についても賠償されることがありえます。

 

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交通事故と墓代

2018-08-14 06:46:35 | 死亡事故

 交通死亡事故の場合、葬儀費は賠償の対象となります。

 墓についても賠償の対象とされるというのが判例です。

 最高裁昭和44年2月28日判決は以下のとおり述べます。

 「人が死亡した場合にその遺族が墓碑、仏壇等をもつてその霊をまつることは、わが国の習俗において通常必要とされることであるから、家族のため祭祀を主宰すべき立場にある者が、不法行為によつて死亡した家族のため墓碑を建設し、仏壇を購入したときは、そのために支出した費用は、不法行為によつて生じた損害でないとはいえない。死が何人も早晩免れえない運命であり、死者の霊をまつることが当然にその遺族の責務とされることではあつても、不法行為のさいに当該遺族がその費用の支出を余儀なくされることは、ひとえに不法行為によつて生じた事態であつて、この理は、墓碑建設、仏壇購入の費用とその他の葬儀費用とにおいて何ら区別するいわれがないものというべきである(大審院大正一三年(オ)第七一八号同年一二月二日判決、民集三巻五二二頁参照)。したがつて、前記の立場にある遺族が、墓碑建設、仏壇購入のため費用を支出した場合には、その支出が社会通念上相当と認められる限度において、不法行為により通常生ずべき損害として、その賠償を加害者に対して請求することができるものと解するのが相当である。

 もつとも、その墓碑または仏壇が、当該死者のためばかりでなく、将来にわたりその家族ないし子孫の霊をもまつるために使用されるものである場合には、その建設ないし購入によつて他面では利益が将来に残存することとなるのであるから、そのために支出した費用の全額を不法行為によつて生じた損害と認めることはできない。しかし、そうだからといつて右の支出が不法行為と相当因果関係にないものというべきではなく、死者の年令、境遇、家族構成、社会的地位、職業等諸般の事情を斟酌して、社会の習俗上その霊をとむらうのに必要かつ相当と認められる費用の額が確定されるならば、その限度では損害の発生を否定することはできず、かつその確定は必ずしも不可能ではないと解されるのであるから、すべからく鑑定その他の方法を用いて右の額を確定し、その範囲で損害賠償の請求を認容すべきである。」

 墓石購入費100万円などを認めた裁判例もありますので、死亡交通事故において墓代は決して軽視できないものとなります。

 

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