新潟久紀ブログ版retrospective

ゆるゆる人材育成2022.3.21「仕事は解決策を売ること」

 "お役所仕事"と揶揄される我々の世界でも人材育成が重要と言われて久しい。
 組織で仕事をする上において、取組みの進展や活性化は、属人的な対応力に左右されることも少なくないので、人事異動は大きな契機となるのだが、特に大組織になると、構成員同士の資質の相互作用や外部ステークホルダーとの相性など、良くも悪くも人間らしい要素が絡み合って、配置による成果は目論みどおりには得られないもの。
 さればオーソドックスな年功序列か気心知れた"側用人"の起用が安パイというところになる。ただ、僥倖の巡り合わせに漏れたその他大勢の者達の、定年まで一人あたり数十年分にも及ぶ膨大な知見は、大組織において埋もれたままで跡形もなく蒸散してしまうのが現状。
 役所のような知の集合体は、属人的な知見やノウハウのアーカイブス化と利活用といったナレッジマネジメントにICTやAIを活用してはどうかと思う。

◇◇◇今日この頃の人材育成あれこれエピソード◇◇◇

☆スタッフ職は若手巻き込みに腐心
 県庁では"企画員"という係長格の職が増えた。私も14年前にその走りだったのだが、スタッフ職は個人商店のように自身の裁量が利く仕事のやり易さはあるも、同僚への協力要請などは気を遣う。若手に仕事をしてもらうのにポジションパワーではなく論理的な得心を得て、というのは自身の能力も鍛えられる。

☆問われて答えるを想定して考える
 努めて寛容でいたいが、査定責任者としては、予算要求資料が納税者のツッコミに耐え得る内容か、一言一句や計数の一つ一つの根拠と妥当性を徹底吟味した上で説明に臨むべしと厳しく話す。商わねば食えないという切迫感の乏しさや税金に"人のカネだ"との緩みが無いか…自戒も込めて若手に投げかける。

☆仕事とは解決策を売ること
 上司には判断を仰ぐ以外に情報共有や報告を目的として説明することも多いが、そこで「どうしましょうか」ではなく、「自分はどうしたいのか」というのを常に用意して臨むことにしている。若い頃に識者から聞いた「全ての仕事は"sale solution"(解決策を売ること)だ」が頭に染みついているのだ。

☆政治日程で思考停止になるな
 役所の企画調整などを実務者で議論する中で、首長選挙までは動けないなど政治的な日程や事情を斟酌する発言が増えたと思う。実態はそれに左右されることが多々あるのだが、それを理由に思考停止的になる若手は気になる。誰が選ばれようと揺るがない基本案又は代替案を用意するのが"役人魂"ではないか。

☆キャリア先行きの見える化
 県庁など実態として年功序列でピラミッド型の大組織では、各自の出世する可能性を見える化するのも一興では。仕事の業績はもとより上司との人間関係の履歴など、偶然の巡り合わせも多いとはいえAIか何かに分析させて。先行きの見切りが早くつけば副業で活躍する者も増えて社会貢献にもつながるのでは。


(「ゆるゆる人材育成2022.3.21「仕事は解決策を売ること」」終わります。ゆるゆる人材育成2022.6.25「新任の補佐達へのエール」に続きます。)
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