新潟久紀ブログ版retrospective

地域農政推進課7「農地中間管理機構(農地バンク)の創設(その2)」編

●農地中間管理機構(農地バンク)の創設(その2)

 我々のような農政に精通する実務者は驚いた。「農地バンク」の内容は、今や廃れていた「農地保有合理化事業」と基本的に同じものだったからだ。看板の架け替えでしかないではないかと。新たな策の知恵出しに窮した国は古い施策を目新しく見せることでなんとか新味を出そうとしているのかと、やや呆れ気味にもなったものだ。
 しかし、「農地バンク」に関する詳細情報が伝わり始めると少し我々の認識も変わってきた。確かに、「農地バンク」事業の制度の仕組みそのものはほぼ「農地保有合理化事業」と同じものであったのだが、それを推し進める体制についての国の力の入れようが新しかった。今までの様に農業公社の実務スタッフが各種業務の片手間的に請け負うのではなく、事業推進のための専門組織を新たに編成して推進するものとするのだということで、国費補助も、かつてのように事務費の一部という程度ではなく、人員体制づくりや維持に要する経費にも一定程度充てていくというのだ。
 我々や農業公社など関係者は色めきだった。何かと扱う事業が縮小ぎみでモチベーションの低かった農業公社が、国の新施策と補助金のカンフルにより人員体制を強化して、農地の転貸転売を通じた農業者の育成施策の中心として再び脚光を浴びて役立つことになるかも知れない。農地バンク事業のノウハウは農地保有合理化事業を通じて進め方も留意すべき部分も心得ているわけだし。我々は久々の"追い風"を感じたのだ。
 農業公社は県の外郭団体であったので、その組織体制については所管する当課が監督する立場となる。農地バンクに対応するための推進体制づくりに関しては、組織人事に関わる事案なので、事務系課長補佐である私の特命事項となった。

(「地域農政推進課7「農地中間管理機構(農地バンク)の創設(その2)」編」終わり。「地域農政推進課8「農地中間管理機構(農地バンク)の創設(その3)」編」に続きます。)
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