新潟久紀ブログ版retrospective

地域農政推進課8「農地中間管理機構(農地バンク)の創設(その3)」編

●農地中間管理機構(農地バンク)の創設(その3)

 例年夏に示される国の来年度予算概算要求の場で、農地バンク制度が推進されるされることがほぼ確実となったため、私は農地バンク事業をロケットスタートできるように、課内の農業専門職や農業公社の実務職員、幹部などと意見交換を重ね、農地バンク推進のための農業公社の組織体制拡充策を企画調整した。
 もちろん単純に人員を肥大化させるということではなく、扱う事業量や業務量の見通し、そして見込まれる国費補助額などを勘案し、県としての財政負担が施策の成果に見合うものであると説明出来得るように検討してだ。こうした作業には長く財政課に勤務して予算査定等に関わってきた経験が活かされた。 
 とにかく、将来的に新潟の農業の屋台骨を担える経営体への農地の集積を通じて、新潟県が主軸とする米作り、引いては新潟県の農業の更なる振興に貢献したいという思い一心で取組んだのだった。
 バブル経済崩壊後の税収減などもあって近年は行政関係の組織といえば、定数削減やリストラなど縮小均衡指向一辺倒のムードだったのであるが、この度の農地バンク推進に関しては、人件費に対して国費補助があることからも、私は人員体制を結構なほどに積極的に補強する案へとまとめ上げてみた。
 組織的に決定するには、課長、技監、副部長、部長へと順次伺って了解を取り付けなくてはならない。課長はここまで一緒に検討してきたわけだから改めて伺うという必要はなく、技術系のトップである技監も農地集積の強化につながる体制補強案に合意、事務系ナンバーツーの副部長も、財政課OBでもあったので、私の案の論拠と妥当性を理解してくれて了解を取り付けることができた。
 いよいよ残る関門である部長への説明の日程取りをしたところ、課長がその日時は別件が重なるので同席できないという。部長へ説明するのは私がやるにしても、重要案件なのだから課長同席が望ましいので日程を再調整しましょうかと言うと、折角だからその日で私だけで説明してくれという。了解を得ている技監や副部長は同席できるようなので課長が居なくても大丈夫だとまでいう。
 課長の言う別件とは部長説明に比べると重要度は高くない筈。何か腑に落ちない気がしたが、部長を補佐する両脇の幹部まで固め済みの訳だから後は難なく部長了解を得られるだろうと確信して、課長抜きで当課からは私が単身で部長説明に臨むことにした。

(「地域農政推進課8「農地中間管理機構(農地バンク)の創設(その3)」編」終わり。「地域農政推進課9「農地中間管理機構(農地バンク)の創設(その4)」編」に続きます。)
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