新潟久紀ブログ版retrospective

財政課17「部局査定担当で伝統の大玉送りを喰らう(その1)」編

●部局査定担当で伝統の大玉送りを喰らう(その1)

 財政課の査定チームは1年毎に仕事の担当替えをするのが通例。交付税制度の大きな変革のタイミングに遭遇した1年も終わりに近づき、3月半ばの異動内示で先ずは財政課から転出しないことを確認すると、新年度の担当替えの伝達を待つばかりとなっていた。査定チーム員なのだからここまで来たら一度は部局の予算査定を経験してみたいもの。農林水産部の予算であれば、農政企画課勤務時代に課の性格から農林水産部全体の政策予算を見渡した経験があるので組みしやすいのだが…などと考えていると、課長補佐から査定チームへ新担当一覧が記された紙が配布された。
 「土木部予算の担当」。道路や河川、砂防、地滑り、県立公園などなど、いわゆる公共インフラという言葉が頭に浮かぶ。今まで在籍したこともない部局で馴染みがないなあとは一瞬戸惑ったが、新潟県の郷土そのものの保全と生活の維持、産業の振興に通じるものであると考えが及んでいくと、これは県の仕事の中の仕事とも言えるものではないか。例によって"現金"な私はすぐに前向きに考え始めた。
 そのまま財政課に残って別の部局の予算担当になる前任者から引き継ぎだと言われて行くと、A4横版の資料綴りの通称"ガバッとファイル"が書棚の二段ほどに数十冊、ぎっしりと並んだのを見せられた。背表紙を見ると各々に「当初」「9月補正」などと描いてある。「取り敢えずは議決されたばかりの新年度「当初」予算の綴りを、追って昨年度の予算補正の推移が分かる「補正」予算の綴りを見てもらえれば良い」と前任はあっさりと言う。当初の綴りなどは背幅は10cmにも及ぼうかという厚さのものが2冊もあるのに…だ。
 特段の引き継ぎに時間を掛けることはせず、新任者は前任の残した仕事を見て自分なりに考えろというのが部局予算査定チームの習わしとは漏れ聞いていたが、査定チームに3年も在籍したベテランの前任者にとしてはどうってことないだろうが、私は部局予算担当のビギナーである。少しは丁寧さが欲しいモノだ。そんな話しをすると前任者は、自分は査定チーム内に残留するので必要により随時質問してくれれば良いからとにべもない。しかし思い出したように「少し申し送りしておく事がある」という。
 大きな懸案にどう対応するか、新年度に入ってから検討することになっている事案が2つあるという。かねてより県内スポーツ界の悲願とされている「大型のスポーツ施設整備」と、県都の交通利便の向上と拠点制を高める「大型の交通施設整備」。各々検討途上の資料はあるけど、殆ど手つかずなので、よろしく頼むね。そう最後に言い残されて引き継ぎのセレモニーは数分で終わった。

(「財政課17「部局査定担当で伝統の大玉送りを喰らう(その1)」編」終わり。「財政課18「部局査定担当で伝統の大玉送りを喰らう(その2)」編」に続きます。)
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