中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

貴州省の少数民族壮族の長街宴(長卓宴)について その1

2018年08月03日 | 少数民族の祭り

貴州省や雲南省に住む少数民族の間には、中国語で「長卓宴」或いは「長街宴」と呼ばれる風習があります。私が長街宴と云う物を初めて知ったのは「千里走単騎」と云う映画を見た際です。その映画の中では、納西族が住む雲南省麗江市石鼓鎮で行われた長卓宴の様子が摂られていますが、それ以来機会があれば是非とも一度はこの「長卓宴」に参加したいと思って居たのですが、漸くその願いが叶いました。

実を云えば、最近では元々はそのような風習が無かった大理州彝族が住む巍山県や白族が住む大理市の大理鎮でも地元の大きな祭りの際には、必ずの様に観光客を呼び込む為、長街宴(長卓宴)が開かれます。大理州彝族自治県の巍山県では最近は、毎年5月頃に大規模な「長街宴」が行われますが、元々はこの県にはこの様な風習は在りませんでした。巍山県には何度も行っているのですが、ここの長卓宴には特に参加して見ようと云う気にはなりませんでした。ましてや、大理古城で行われる長卓宴には全く興味はありませんでした。それで、今に至る迄長卓宴に参加した事はありませんでした。

最近では観光客を集める為多くの地域で、この長卓宴が開かれている様です。地域に拠っては年に何度も長街宴が開かれている地域もあるようです。本来は、この長街宴は、祭りの際にのみ開かれる催しの様です。(注:大理では来週火把節と云う祭がありますが、今年からそれに合わせて長卓宴も行われるとの事)

農業歴6月13日に从江県加傍郷下堯村で年に一度行われる「戯水節」と云う祭りがあると云うので出掛けてきました。この从江县加榜郷下堯村は、このブログでも何度も触れたドキュメンタリー番組「舌尖上的中国」の第一部の7集にも出てくる壮族と云う少数民族が住む村です。

この番組の中にも下堯村で毎年秋に行われる長卓宴の場面が出てきますが、それを見て一度はこの村に行って見たいと長い間思っていたのですが、この村で「戯水節」と云う初めて聞く壮族の祭りがあると聞いて出掛けてきました。この村に着いたら地元の人から祭りの日に、同時に長卓宴も行われると云う事で、長年の夢も叶ったと云う次第です。(注:この番組の中では長街宴となっていますが地元の人は長卓宴と云っていました。)

初めて壮族の祭りも見学できた上に、長卓宴にも生まれて初めて参加出来て大変良い経験が出来て、今回の貴州省行きは非常に満足のいくものとなりました。

 長卓宴の準備をする村人。番組の中では、この芭蕉の葉の上に糯米や料理を盛っていました。

 

紙の器には湯(スープ)が入っています。

 

この様に通りに卓や椅子が並べられ、祭りの御馳走が並び村人全員が集まり宴会が開かれます。それで、長卓宴或いは長街宴と呼ばれる様です。

 

長卓宴の料理の数々。紅いポリ袋に入っているのは糯米。中国語で湯とはスープの事で紙の器の内にはスープが見えます。豚肉は香豚と云う種類の豚の肉で大変に美味しい。

 

手に持っているのは糯米で貴州省の少数民族の間では、今でも祭りの際には糯米が必ず出されます。 糯米は、箸を使わず、手掴みでこの様に食べるのが普通。

 

長卓宴には、祭りに訪れた観光客も多く参加していました。ドキュメンタリー番組「舌尖上的中国」と云う番組が作られた頃は、この村を訪れる客も全く居なくて、この村で行われた長卓宴には全て地元の人の様でしたが、当然ですが時間の経過と共に長卓宴も、少しづづ変化している様でした。

 

 この下堯村の糯米も大変に美味しいです。



最新の画像もっと見る