反対尋問とは何か?
**反対尋問(はんたいじんもん)**とは、法廷において、証人に対する尋問のうち、その証人を申請した当事者(例: 検察官や原告)以外の当事者(例: 弁護人や被告)が行う尋問のことです。
簡単に言うと、相手方の提出した証人に対して、その証言の信用性や真実性を揺さぶるために行う質問のことです。
反対尋問の目的
反対尋問の主な目的は以下の通りです。
* 証言の信用性を疑う: 証人の記憶違い、勘違い、意図的な嘘、利害関係などを明らかにし、証言の信憑性を低下させる。
* 事実の真実性を確認する: 証言内容の矛盾点や不自然な点を指摘し、事実関係をより正確に把握する。
* 有利な事実を引き出す: 相手方にとって不利な事実や、自分たちにとって有利な事実を証人から引き出す。
* 証言の補足や修正を促す: 証言が曖昧な場合や、情報が不足している場合に、より具体的な内容を引き出す。
反対尋問の例
例えば、殺人事件の裁判で検察官が目撃者を尋問し、その目撃者が「被告人が被害者をナイフで刺したのを見ました」と証言したとします。この場合、被告人の弁護人は、この目撃者に対して反対尋問を行います。
弁護人は、以下のような質問をすることで、証言の信用性を揺さぶろうとします。
* 「犯行時、現場は暗かったのではないですか?」
* 「あなたは事件当時、かなりの距離から見ていたのではありませんか?」
* 「あなたは普段から視力が悪いと聞いていますが、眼鏡はかけていましたか?」
* 「被告人とは以前から顔見知りでしたね。何か個人的な恨みはありませんか?」