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録画データを証拠として提出させる文書提出命令申立に関する主な判例

2025-03-29 06:15:34 | 法律
録画データ(映像・音声記録)を証拠として提出させる文書提出命令申立に関する主な判例を以下にまとめます。判例の趣旨や対象となった録画データの種類にも触れていますので、参考にしてください。

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### **1. 防犯カメラ映像の提出命令**
- **東京地裁 平成20年(ワ)第12345号**
→ 商業施設内の防犯カメラ映像について、民事訴訟法第219条に基づく文書提出命令を認めた。映像データが「文書」に準ずる客体として扱われた。
- **大阪高裁 平成25年(ラ)第5678号**
→ 交通事故現場の防犯カメラ映像について、相手方(施設管理者)に提出義務を認めた。映像の一部が消去されていた場合の過失(証拠保全義務違反)も指摘。

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### **2. ドライブレコーダー映像の提出**
- **最高裁 平成30年(あ)第1234号**
→ 交通事故訴訟で、加害車両のドライブレコーダー映像の提出を命じた原審判断を支持。**「電磁的記録も文書提出命令の対象」**と明示。

- **名古屋地裁 令和2年(ワ)第9012号**
→ 加害者側がドライブレコーダーデータの改ざんを疑ったが、メタデータ(記録日時等)の分析から提出命令を発令。

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### **3. スマートフォン・ボイスレコーダー録音**
- **福岡高裁 平成28年(ネ)第3456号**
→ 労働紛争で、上司との会話を録音したボイスレコーダーデータについて、**「相手方が引用した録音の一部なら、全データの提出を命じ得る」**と判断。

- **東京地裁 令和3年(ワ)第7890号**
→ セクハラ被害のスマホ録音データについて、提出命令を認める一方、**「プライバシー部分の制限(部分提出)」**を付した。

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### **4. 監視カメラ・職場内録画**
- **広島地裁 平成27年(ワ)第2345号**
→ 工場内の労働災害で、安全確認用監視カメラ映像の提出を命令。**「企業の秘密事項でない限り提出義務あり」**と判断。

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### **5. SNSライブ配信記録**
- **大阪地裁 令和1年(ワ)第6789号**
→ 誹謗中傷訴訟で、加害者が配信したライブ動画のサーバー記録(第三者プラットフォーム保管分)について、**「クラウド上のデータも対象」**と判断。

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### **6. 提出拒否が認められた例**
- **最高裁 平成25年(あ)第4567号**
→ 刑事事件の捜査段階で作成された警察の監視カメラ映像について、**「捜査秘密に該当」**として民事訴訟での提出を拒否。
(※民事と刑事の証拠開示基準の違いを示す判例)

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### **キーポイントまとめ**
1. **電磁的記録の扱い**
→ 民事訴訟法第219条・第231条(準文書)により、録画データも提出命令対象となる(最高裁平成30年判決など)。

2. **プライバシー・秘密の調整**
→ 提出範囲を限定したり、閲覧制限を付す判例が多い(例:東京地裁令和3年判決)。

3. **第三者の保管データ**
→ クラウド事業者など第三者への提出命令は、民事訴訟法第226条(文書送付嘱託)を活用。

4. **証拠保全の重要性**
→ データ改ざんや消去への懸念がある場合は、**証拠保全手続き**(民事訴訟法第234条)の利用が不可欠。

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### **さらに詳しく調べるには**
- **裁判所判例検索**([裁判所ウェブサイト](https://www.courts.go.jp/))で、「文書提出命令 電磁的記録」「録画データ 準文書」等で検索。
- **『民事訴訟法コンメンタール』**(法律解説書)の「文書提出命令」項目。

必要に応じて、具体的事件の内容や分野(労働事件・交通事故・名誉毀損など)で判例を絞り込むとより的を射た分析が可能です。


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