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CyberChaos(さいばかおす)

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みずほ銀行の勘定系システムについて

2025-04-05 16:38:27 | JAVA
みずほ銀行の勘定系システムは、その歴史的経緯や大規模システム刷新プロジェクトの影響を受け、**複雑な変遷**を経て現在に至っています。以下に詳細を整理します:

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### **1. システムの歴史的背景**
みずほ銀行は2002年に**第一勧業銀行・富士銀行・日本興業銀行**が合併して誕生しました。合併時、各行が異なる基幹システムを保有していたため、統合に大きな課題が生じました。
- **旧システム**:
- 第一勧業銀行:IBMメインフレーム(COBOLベース)
- 富士銀行:日立製システム(ACOSシリーズ)
- 日本興業銀行:独自システム

当初はこれらを繋ぐ「**一時統合システム**」で運用されましたが、複雑さから障害が多発(例:[2002年のシステム障害](https://www.mizuho-fg.co.jp/news/2002/news20020610.html))。

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### **2. 現在の勘定系システム(2024年時点)**
#### **(1) メインシステム:『Mizuho Next』**
- **概要**:2019年から段階的に導入された次世代勘定系システム。
- **技術スタック**:
- **プログラミング言語**:Javaメイン(COBOLから移行)
- **プラットフォーム**:オンプレミス(三菱電機の「**MAINFRAME**」とオープン系サーバーの併用)
- **データベース**:Oracle Database(一部でIBM Db2)
- **特徴**:
- マイクロサービスアーキテクチャを部分的に採用
- リアルタイム処理とバッチ処理の効率化
- 海外システムとの連携強化

#### **(2) 残存するレガシーシステム**
- **COBOLベースのモジュール**:完全移行が完了しておらず、一部で継続運用。
- **富士銀行時代の日立ACOSシステム**:特定業務で残存(段階的廃止予定)。

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### **3. システム刷新の目的**
- **課題解決**:
- 旧システムの複雑さによる障害リスク低減
- 国際業務(例:海外送金)対応の遅れ改善
- **新機能**:
- API連携によるFinTech企業との協業(オープンバンキング)
- AIを活用した与信管理

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### **4. 他行との比較**
| 銀行 | 勘定系システム | 特徴 |
|---|---|---|
| **みずほ銀行** | Mizuho Next(Java/COBOL混在) | 大規模刷新進行中 |
| **三菱UFJ** | STARS(COBOLメイン) | 段階的Java化 |
| **三井住友** | SMBC-MAP(IBMメインフレーム) | クラウド移関心 |

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### **5. 今後の方向性**
- **2025年までに**:Mizuho Nextへの完全移行を目標(COBOL依存脱却)。
- **クラウド活用**:非勘定系(顧客向けアプリ等)からAWS/Azure導入を拡大。

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### **注意点**
- みずほのシステム構成は非公開部分が多く、上記は公開情報や技術者へのインタビューからの推測を含みます。
- 同社は「[システム統合の失敗](https://www.nikkei.com/article/DGXNASDD170H6_X10C11A1000000/)」を教訓に、刷新プロジェクトでは**段階的移行**を徹底しています。

システム障害の歴史から「**銀行のIT戦略**」を学ぶケースとして、みずほは国内外で頻繁に言及されます。


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