IPSO FACTO

アメリカの首都ワシントンで活動するジャーナリストの独り言を活字化してみました。気軽に読んでください。

3年で5500万ドル稼ぐラジオスター

2006-09-26 14:03:05 | テロリズム
一部の熱狂的なファンから2008年の大統領選挙への出馬を要請されているトークショー・ホストのオプラ・ウィンフリー。僕がアメリカに来た当時からすでにビッグネームだったけど、彼女の人気は現在も全く衰えを見せていない。そのウィンフリーが25日から衛星ラジオ局「XMラジオ」でトーク・チャンネルをスタートさせた。有料のXMラジオはチャンネル数が約250あり、ウィンフリーのチャンネルでは彼女や彼女の友人らが出演する番組が24時間流されている。今年3月にワシントン市内にあるXMの本社に遊びに行った事があるんだけど、ラジオのブースだけで150近くあって、僕が今まで見たラジオ局の中で最大のものだった。ちなみに、ウィンフリーのギャラだけど、3年契約で5500万ドル!ラジオですよ、ラジオ!今週から数週間以内に登場するゲストがジョン・ボンジョビやドナルド・トランプ、アネット・ベニングといった大物ばかり。どんな放送内容なんだろうか?さてさて、今日はパキスタンのムシャラフ大統領による回想録が発売されたニュースを。

パキスタンのムシャラフ大統領による回顧録が25日に全米で発売され、その中で大統領は「911事件後、アメリカに協力するか、もしくは米軍による攻撃を受けるかのどちらかで、選択肢がない状態だった」と当時を振り返っている。「銃弾が飛び交う中で」と題された回顧録の中で、ムシャラフ大統領はブッシュ政権の外交政策にも賛成しかねる姿勢を見せており、アメリカ主導のイラク戦争によって「世界がより危険になってしまった」と語っている。訪米中のムシャラフ大統領は27日にブッシュ大統領とアフガニスタンのカルザイ大統領を交えた三者会談を行う予定で、アフガニスタンとパキスタンの国境地域におけるイスラム教民兵への攻撃に関してそれぞれの意見が交わされる見込みだ。ムシャラフ大統領は24日に放送されたCBSの報道番組で、911テロ事件直後に当時の国務副長官だったリチャード・アーミテージ氏から半ば脅迫に近い形で協力を要請されたと発言していた。

現職の大統領による回顧録は非常に珍しいが、本の中ではブッシュ政権が「同盟国」と呼ぶ国のトップがアメリカの外交政策を辛らつに批判しており、非常にユニークな内容となっている。ムシャラフ大統領はブッシュ政権以前のアメリカ外交も批判しており、ソ連軍のアフガニスタン侵攻時に、反共ゲリラ活動を支援したパキスタン、アメリカ、そしてサウジアラビアが結果的に「モンスター」を作り上げてしまったと結論付けている。「我々はソ連軍のアフガニスタン撤退直後からタリバンによる権力の掌握を支援してきましたが、それから間もなくしてアメリカ政府は冷淡にも彼らとの関係を断ち切ったのです」。ムシャラフ大統領は回顧録の中でそう語っている。ムシャラフ大統領によると、パキスタンはタリバンをアフガニスタン国内の混乱を収拾させる事のできる勢力と考え、同時にパキスタンのライバル国インドとの関係が深い北部同盟(タリバンと対立していた)への牽制にもなると考えていた。

しかし、911テロ事件が発生して間もなく、パキスタン政府はタリバンとのつながりがアメリカとの間に衝突を生み出す事になるだろうと確信する。「アメリカが暴力的に対応してくるのは分かっていました。まるで傷を負わされた熊のように。テロの実行犯がタリバンと関係している事が判明すれば、その傷を負った熊は間違いなく我々の方へやって来たんでしょうね」。ムシャラフ大統領はそう語る。テロ事件の翌日、ムシャラフ大統領は当時のパウエル米国務長官から電話を受け、「我々の味方なのか、敵なのかをハッキリさせたまえ」と事実上の最後通告を受けている。回顧録ではアメリカ側からの圧力がさらに続いた事も記されており、翌日にはアーミテージ国務副長官がワシントンを訪れていたパキスタン諜報部のトップに「脅迫めいた言葉」を使っていた模様だ。「私の知る限り、もっとも外交儀礼を欠いた声明だった。アーミテージ氏は我が国の情報局長官に『アメリカかテロリストかのどちらかを選べ』と言い放っただけではなく、もし我々がテロリストの側につくなら『爆撃を受けて、石器時代に戻される覚悟をしておけ』と語ったのだ」。ムシャラフ大統領は回顧録の中で、アーミテージ氏の発言をそう非難した。

今日は夕食にラム肉を食べる機会があったんだけど、これが骨付きのやつで、何も考えずに本能のままに口を動かし続けていると、口内から「バキッ」という音が。音を聞いた瞬間、僕は小さな骨を噛み砕いてしまったのかなと思い、舌の先でよく噛みほぐされた肉の表面をなでるようにして確かめてみた(食事中の方、申し訳ありません…。ただ、周囲に人がいたため、ペーパータオルの上に吐き出すわけにもいかなかったので…)。すると肉に石のような物質が付着しているのを確認。バスルームに行き、鏡で口の中をチェックすると、一番奥にある歯の一部が少し欠けていた。骨を噛み砕いたのではなく、歯が骨に砕かれてしまったという情けない現実。欠けた部分はそんなに大きくなく、とりあえず年末に日本で治療しようと思うんだけど、何かを噛んで歯が欠けたなんて初めての経験だったため、少しショックな気分。奥歯よ、30年間ありがとう。


写真:25日にCNNの「ラリー・キング・ライブ」に出演したオプラ・ウィンフリー (AP通信より)


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