IPSO FACTO

アメリカの首都ワシントンで活動するジャーナリストの独り言を活字化してみました。気軽に読んでください。

独式蹴球勝利術

2006-07-01 14:10:32 | Weblog
ドイツらしい勝ち方?思わず1999年に行われた欧州チャンピオンズリーグ準決勝でのシーンが頭の中に浮かんでしまった。バイエルン・ミュンヘンをホームに迎えたディナモ・キエフは、まだ22歳だったシェフチェンコの大活躍もあって、後半途中まで3-1と大きくリードしていた。この試合、僕はボストンのスポーツバーで観戦していたんだけど、横に座っていたオーストリア人の爺さんが「ドイツサッカーはここからが面白いんだよ」と言い、彼の言葉を証明するかのように試合終了前に2点を奪い取ったバイエルンは3-3の引き分けに持ち込んでいる。ミュンヘンで行われたセカンド・レグではマリオ・バスラーのミドルシュートが決まり、1-0で勝利したバイエルンが決勝進出を果たした。余談になるけれど、「最後まで何が起こるかわからない」ドイツ式サッカーを体現したバイエルンは、決勝戦では90秒という残り時間でマンチェスター・ユナイテッドのデービッド・ベッカムからのコーナーキックで2点を決められ敗れている。試合終盤に見せる異常なまでのモチベーションとPK戦での絶対的な強さ。こんなドイツ代表を見たのは久しぶりだった。どちらかしか勝者にはなれない現実を悔やみながら、4年後のアルゼンチン代表にも期待したい。

今日はイングランド対ポルトガルとブラジル対フランスの試合が行われる。僕はとりたててイングランド代表が好きというわけでもないんだけど、96年欧州選手権や98年のワールドカップのような「感動」は今のイングランド代表からは感じられない。96年といえば、昨日のブログでも書いたようにイングランドの連中とサッカーをしてた頃だ。あの頃のイングランド代表には今よりも不器用だけど、それでも衛星中継の画面に見入ってしまう選手が多かった。アラン・シアラー、トニー・アダムス、ポール・インス、スチュワート・ピアース、ポール・ガスコイン、テディ・シェリンガム(スパーズ時代の彼のプレーをスタジアムで見れた僕は幸運だと思う)…。当時の映像をYouTubeで探していると、名曲「Three Lions」のビデオクリップを発見した。イングランド代表を応援するために作られたこの歌には2バージョン(96年と98年版)あって、僕は98年バージョンの最初の部分が凄く好きだ。96年の欧州選手権準決勝で、イングランドとドイツはPK戦に突入するんだけど、両チームとも最初の5人全てがPKに成功し、イングランドの6人目はディフェンダーのギャレス・サウスゲート。大会を通じて好調を維持していたサウスゲートの蹴ったボールは、ドイツのアンドレアス・ケプケにセーブされ、そのドイツは6人目のアンディ・メラーが難なくPKを決めた。話はさっきの歌に戻るけど、オープニングで「ギャレス・サウスゲート、イングランドのみんながついてるぞ...。あっ、止められた」という実況アナウンスがあって、そこからイングランドファンの苦悩が歌われている。でも、これって凄い愛情だなぁとも感じた。こんな歌がいつか日本でも生まれるといいね。


YouTubeでさっき見つけたクリップ

Three Lions

Three Lions (98年度版)

ポール・ガスコインの伝説のゴール

You'll Never Walk Alone (アンフィールドにて)

ガリンシャとフレッド・アステアの美しき融合


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2 コメント

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Unknown (gutierrez)
2006-07-03 15:26:06
Three Lionsはフットボール・ソング史上に残る(メロディはもちろん歌詞も含めて)名曲ですね。

ユナイテッド好きの自分でもあの時のYNWAは嫉妬と羨望込みで泣きました。
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どうもです (ひろふみ)
2006-07-19 05:52:41
グティさん、ミクシィの方にメールをしましたが、あたらためてコメントありがとうございました。おたがいにキーン大将のファンですが、94年にダブリン市内で購入したアイルランド代表チームのサウンドトラックを、今でも思い出したように聞くことがあります。どちらかと言えば、コメディ・タッチの応援歌が多いのですが、U2のラリー・ミューレンが参加した曲もあったりして、いい感じですよ。
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