野田佳彦首相が交渉参加を表明し、何かと話題のTPP問題なのだが、当ブログでもTPPに関して色々と書いて来た。
私は、日本にとってTPPは単なる貿易自由化と言う話だけでは無くて、日本のシステムを根底から揺るがす様な大きな問題だと思っている。
これは、私だけで無く多くの人が思っているから、TPPに付いて賛否両論が渦巻いているのだろう。
しかし、である。そんな大問題なのに余りにもTPPに関する情報が少なく、多くの人がTPPの事を本当に理解しているのか疑問視が付く。
今まで色々と書いて来た斯く言う私も、日本がTPPに参加して我々国民の生活がどう変化し、TPPの影響がどの程度なのかを全て把握しているとは言い難い。
それらの事に付いて、明確に答えられるのは、専門家や評論家でも少ないのではと思う。
そんな状況の中、TPPの交渉に参加した日本だが、TPPに参加する意義は何なのか?。
サブプライムローン問題とリーマン・ショックと言う金融問題により、国内経済が停滞している米国のオバマ大統領は、来年に大統領選を控え、経済回復と支持率アップの為に「輸出拡大して雇用創出」と言う方針を掲げ、2014年迄に輸出を2倍にする事を国是に掲げている。
これらの実行の為に、米国はTPPを最大限利用すると言う方針と、アジアに於ける米国のプレゼンスを確保し、中国を牽制すると言う方針を持って、TPPに参加した米国の考えは判り易い。
明確な方針の元に、TPPに参加する米国とは違い、我が国はどんな考えを持ってTPPに参加するのだろうか?、何の果実を得る為に交渉に参加するのだろうか?。
前にも書いたが、交渉とは利害関係を調整する事であり、自らの利益ばかりを主張しても上手く行かない。
しかし、相手の主張ばかりを呑んでいては、こちらが一方的に損をするだけである。
自らの利益と相手の利益を考え、双方に旨味のある果実がなければ交渉する意味を持たない。
そこら辺の微妙な匙加減が重要なのだが、TPPに関して日本の利益、つまり国益とは何であろうか?。
賛成派によれば、TPPに参加する事で国を開くと言う事と、関税撤廃が大きなメリットの一つと主張しているのだが、反対派に言わせると日本の平均関税率は諸外国と比べても低い方であり、その意味で国は既に開かれていると反論している訳だ。
次にTPP参加による経済効果であるが、2.7兆円と言う数字が出たのだが、これは10年間の数字であり、単年度で見れば2700億円。
しかも、この数字は農水業関連で現在の関税や規制を守ったままと言う、お粗末な数字だった事も判明している。
賛成派が主張している日本がTPPに参加するメリットは、何か弱い気がするのは私だけでは無いだろう。
日本がTPPに参加したら、こうこう、こう言うメリットがあるから、参加するのです。と言う強いビジョンが無く、TPPを「輸出拡大して雇用創出」すると言う強い意思を持ち、交渉に挑んでいる米国と比べ、海外向けと国内の反対派や慎重派に配慮した二枚舌を使う日本とは、余りにも差が大きい。
米国は「輸出拡大して雇用創出」と言う方針の元、輸出拡大の為に、色々と策を打ち、実行に移している。
米国だけが丸儲けの米韓FTAに貼った、週刊ダイヤモンドの記事にある様に、米韓FTA(自由貿易協定)も、その一つ。
私は、この記事を読んで米韓FTAみたいな不利な協定を、よく韓国は了承したなと、そして日本は米韓FTAと「同じ轍を踏むな」と思ったね。
米韓FTAは、韓国の批准がまだなので、正式に締結には至ってないのだが、仮に締結したとしても、その影響が出るのは数年後である。
その数年後に米韓FTAによる影響が、米国と韓国の双方にどんな影響を与えているのか非常に興味深い。
金融や農業等に、どの様な影響を与え、国内のルールや仕組みを米国企業に有利になる様に改定させられると言われる協定で、韓国の人々の生活がどうなるのか?。
本来ならば、それらを見た上でTPPへの参加の是非を決めたい所だが、そんなのは甘えた考えなのだろう。
TPPと武器を持たない戦争にも書いた通り、外交とは武器を持たない戦争である。
明確なビジョンを持たない日本は、強い意思を持って交渉に挑む諸外国との交渉に於いて、明らかに不利なのではないか。
TPPは日米修好通商条約で書いた様に、不平等条約と言われた通商条約とTPPはよく似ている。
不平等条約ならば、最初から交渉に参加しない事も、日本にとっては国益である。
バスに乗り遅れるなと言う声もあるが、地獄行きのバスならば乗らないのが賢明である。では。
【ネッタイムス・東坊京門・作】
私は、日本にとってTPPは単なる貿易自由化と言う話だけでは無くて、日本のシステムを根底から揺るがす様な大きな問題だと思っている。
これは、私だけで無く多くの人が思っているから、TPPに付いて賛否両論が渦巻いているのだろう。
しかし、である。そんな大問題なのに余りにもTPPに関する情報が少なく、多くの人がTPPの事を本当に理解しているのか疑問視が付く。
今まで色々と書いて来た斯く言う私も、日本がTPPに参加して我々国民の生活がどう変化し、TPPの影響がどの程度なのかを全て把握しているとは言い難い。
それらの事に付いて、明確に答えられるのは、専門家や評論家でも少ないのではと思う。
そんな状況の中、TPPの交渉に参加した日本だが、TPPに参加する意義は何なのか?。
サブプライムローン問題とリーマン・ショックと言う金融問題により、国内経済が停滞している米国のオバマ大統領は、来年に大統領選を控え、経済回復と支持率アップの為に「輸出拡大して雇用創出」と言う方針を掲げ、2014年迄に輸出を2倍にする事を国是に掲げている。
これらの実行の為に、米国はTPPを最大限利用すると言う方針と、アジアに於ける米国のプレゼンスを確保し、中国を牽制すると言う方針を持って、TPPに参加した米国の考えは判り易い。
明確な方針の元に、TPPに参加する米国とは違い、我が国はどんな考えを持ってTPPに参加するのだろうか?、何の果実を得る為に交渉に参加するのだろうか?。
前にも書いたが、交渉とは利害関係を調整する事であり、自らの利益ばかりを主張しても上手く行かない。
しかし、相手の主張ばかりを呑んでいては、こちらが一方的に損をするだけである。
自らの利益と相手の利益を考え、双方に旨味のある果実がなければ交渉する意味を持たない。
そこら辺の微妙な匙加減が重要なのだが、TPPに関して日本の利益、つまり国益とは何であろうか?。
賛成派によれば、TPPに参加する事で国を開くと言う事と、関税撤廃が大きなメリットの一つと主張しているのだが、反対派に言わせると日本の平均関税率は諸外国と比べても低い方であり、その意味で国は既に開かれていると反論している訳だ。
次にTPP参加による経済効果であるが、2.7兆円と言う数字が出たのだが、これは10年間の数字であり、単年度で見れば2700億円。
しかも、この数字は農水業関連で現在の関税や規制を守ったままと言う、お粗末な数字だった事も判明している。
賛成派が主張している日本がTPPに参加するメリットは、何か弱い気がするのは私だけでは無いだろう。
日本がTPPに参加したら、こうこう、こう言うメリットがあるから、参加するのです。と言う強いビジョンが無く、TPPを「輸出拡大して雇用創出」すると言う強い意思を持ち、交渉に挑んでいる米国と比べ、海外向けと国内の反対派や慎重派に配慮した二枚舌を使う日本とは、余りにも差が大きい。
米国は「輸出拡大して雇用創出」と言う方針の元、輸出拡大の為に、色々と策を打ち、実行に移している。
米国だけが丸儲けの米韓FTAに貼った、週刊ダイヤモンドの記事にある様に、米韓FTA(自由貿易協定)も、その一つ。
私は、この記事を読んで米韓FTAみたいな不利な協定を、よく韓国は了承したなと、そして日本は米韓FTAと「同じ轍を踏むな」と思ったね。
米韓FTAは、韓国の批准がまだなので、正式に締結には至ってないのだが、仮に締結したとしても、その影響が出るのは数年後である。
その数年後に米韓FTAによる影響が、米国と韓国の双方にどんな影響を与えているのか非常に興味深い。
金融や農業等に、どの様な影響を与え、国内のルールや仕組みを米国企業に有利になる様に改定させられると言われる協定で、韓国の人々の生活がどうなるのか?。
本来ならば、それらを見た上でTPPへの参加の是非を決めたい所だが、そんなのは甘えた考えなのだろう。
TPPと武器を持たない戦争にも書いた通り、外交とは武器を持たない戦争である。
明確なビジョンを持たない日本は、強い意思を持って交渉に挑む諸外国との交渉に於いて、明らかに不利なのではないか。
TPPは日米修好通商条約で書いた様に、不平等条約と言われた通商条約とTPPはよく似ている。
不平等条約ならば、最初から交渉に参加しない事も、日本にとっては国益である。
バスに乗り遅れるなと言う声もあるが、地獄行きのバスならば乗らないのが賢明である。では。
【ネッタイムス・東坊京門・作】