"【地球（ぼく）はどうしたらいいの？】
作 真珠ママ 絵 吉田虎玄
🌎🌎🌎🌎🌎
ぼく、今すごく悩んでるんだ・・・
みんな（人間）のこと悲しませたくないのにどうにもできないんだ。
また、あの日が来てしまいそうだから・・・
ぼくは目覚めてからずうっと幸せだったんだ。
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「みんなの技術ってすごいなぁー」って感心していたんだけど
近頃、ぼくの様子がおかしいんだ。
ぼくね、ただ ただ暑かったからうちわで ふわって扇いだんだ。
そしたら『たいふう』とか言ってみんなが困っちゃったんだ。
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でも、夏がきて すんごく暑くてまた、
パタパタって扇いだら『たつまき』とか言ってお家が飛んで、何もかも飛んできれいな町が一瞬で灰色の町になってしまったんだ。
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でも、冬がきたのにやっぱり暑くて氷で 体を冷やしてホッとしてたら
「おおゆき』とか言ってたくさんの雪が降っちゃって楽しい冬が、
あっという間につらい冬になってしまったんだ。
ぼくのせいでごめんね・・・
🌎
この前だって、悲しくって泣いちゃったら
「おおあめ・こうずい』とか言ってみんなの大切なもの、
壊して流してしまったんだ。
だから、泣いちゃいけないって涙をゴシゴシって拭いたら
『かみなり・らくらい』とか言って
みんなを怖がらせてばかりごめんなさいって思ってるのに
ぼくの手から離れた落雷は止んでくれない。
そのせいで家を燃やしちゃったり
1番落ちちゃいけないところに落ちてしまった。
ぼくってどうしちゃったの？ほんとうにごめんね・・・
🌎
もう一つ、
ずうっと前から体のあちこちが痒かったんだ。
潤っていたぼくの体は、『工事』とか言って大好きな山は削られ
でこぼこに穴をほられて固い道になったり、たかーい建物が出来たりした。
やっぱり、みんなの技術ってすごいなーって感心してたんだけど・・・
かゆい！かゆい！たまらなくなって、ポリポリ掻いたんだ。
そしたら『じしん』とか言ってぼくの体がガタガタって揺れて道が割れて、
建物を壊して、火事にしてみんなを真っ暗な闇に迷わせてしまった。
🌎
一番ぼくが悲しかったのは あの日だ。
この日はとってもとっても痒くってポリポリポリポリって掻いてしまった。
そしたら『おおじしん・つなみ』とか言ってぼくの体が、
もっとガタガタになってそこに海の水がたくさん入ってきた。
その水が今度はたくさん出て行って島全体をのみ込んで
たくさんの大切な家族友達仲間ペットたくさんの思い出をのみ込んでしまった。
たくさんの涙を見た。
でも、また泣いちゃいけないって・・・
ぼくにできる事といったらただ、ただもうこれ以上動かないことだった。
でも、もう限界みたいだ。
今度は痒いってものじゃないぼくの体が痛くってあちこち痛くって
ぼくが壊れてしまいそうでぼくには、これしか言えない・・・
🌎
やり残したことがある人は今すぐやり遂げて
悪いことをしようとしている人は今すぐ考え直して
ずっと連絡を絶っている人がいたら今すぐ連絡を取って
想いを伝えられないでいる人は今すぐ大切な人に想いを伝えて
喧嘩をしている相手がいたら今すぐ仲直りをして
幸せに溢れている人は今すぐ大切な人を抱きしめて
最後の夜が来てしまう。
🌎
ぼくはもう限界みたい・・・
みんなのこと守りたかったけど
どうしたらいいのかわからない
なんだか もう 疲れちゃった・・・
こんなぼくでごめんね
ううんみんなは悪くないよたぶん・・・"
