ねこてん~全ての猫は天使である~

東京都港区青山&ビックサイト周辺にて地域猫活動を行っているボランティア

危険な殺処分ゼロ

2019-01-07 22:15:19 | ノーキルだけでは救われない命


「どうして犬や猫の保護活動をするのか」

模範解答は「自己満足」なのです。
見て見ぬふり出来ず、救いたいという気持ちから始まるのですから。
本来、公金流用してやることではないと思います。

みなしご救援隊の中谷さんは「好きなことをさせて頂いて幸せです」と常々おっしゃいます。

まだ「願望を充たすため」すんなりと口に出来ない私は、その域から5段階ぐらい下だろうなー。

精進しなきゃだわ!
※ 地域猫は社会活動だと思っています。



〇 自分のキャパを知る

私はMAX9頭、2桁未満が限界です。
って、もう超えているのだがだが...(ToT)

“ かわいそう ”だけで引き受けていると、たちまち許容範囲を超えます。

● 生活の質を保てるか。
● その命に責任を持てるか。

現実的には「助けたい気持ち」を満たすよりも、先に担保しなければなりません。

〇 継続をしていくには

まだまだ巷には、保護を必要とする子が溢れています。
少しでも多くの命へ手を差し伸べたいと考えたならば、積極的に里親様探しをします。

よく言う「1匹の保護猫におウチが決まったら、もう1匹を新たに保護できる」方式ですね。



〇 選ばれる命

ですから、保護活動では譲渡率が重要になってきます。
必然的に「譲渡しやすい個体」を選択することを余儀なくされます。

● 子犬/子猫
● 純血種
● 人懐こい
※ 実際、シーズンによっては子猫も全て保護は無理。
手術可能な子はリリースします。
当然、兄弟で運命は分かれることに。
病気に関しては、重篤である程に見放さなくてはなりません。

現場はシビア、殺処分ゼロは夢物語。
「蛇口を閉めなくてならない」── そのリアルに直面しているのです。

〇 殺処分ゼロの歪み

私のように地域猫活動の延長から保護し、譲渡が難しいと判断したは場合は、リリース→地域猫として見守ることになります。

今、各地で問題になっているのは、以前は愛護センターからは認定団体へ引渡しをしなかった 「譲渡困難な個体」をも丸投げしていることです。
※ピースワンコは愛護団体ではないので除外

譲渡に適さない犬猫とは、例えば噛傷野犬・疾患や怪我・凶暴な野良猫など。

自治体のゼロという自己満足を押し付けられ、保護団体は自己犠牲を強いられる形となっています。



〇 負のスパイラル

譲渡が進まないとシェルターが過密になります。
環境が整わなくなり、世話が行き届かず、医療ケアも間に合いません。
よって、どんどん ご縁が遠くなります。

果ては、ネグレクト虐待→多頭飼育崩壊。
結局、犠牲になるのは動物です。

一般の方には「殺処分ゼロは無謀」「命の選択」「譲渡に不向きな判断」って忌避したいことだらけでしょう。

ですが、現在の日本では必要な考え方なのです。

〇 このまま殺処分ゼロを推進すれば

根本は解決していない行政施策
青色吐息で疲弊する保護団体
自己嫌悪に陥るボランティア
支援者の不平と落胆
悲しむまま死んでいく保護動物たち

ゼロと宣言したから、元号が変わった途端に、不妊手術しないで放し飼いや簡単に遺棄する人がいなくなるワケではありません。

「殺処分ゼロ運動」は、弱者を思いやる心、そして小さな命を慈しむ社会 ── 明日へ未来へ繋がっていきません。

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【 ねこてん 公式HP 】

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