銀河夜想曲   ~Fantastic Ballades~

月が蒼く囁くと、人はいつしか海に浮かぶ舟に揺られ、
そして彼方、海原ワインのコルクに触れるを夢見、また、眠りにつく……

もしも本を浮かべられたら

2015年10月11日 22時59分44秒 | 散文(覚書)
もしも宙に本を浮かべることができたなら
自分が寝っ転がって読むためじゃなくって
そこやあそこ あちらやこちら
そここにいる影たちに
たくさんの本を読ませてあげたい
影たちはきっと本を読みたがっているはずだから
本の表紙を太陽に向けてやれば
風がぱらぱらとページを繰ってくれるだろう
本を読み終えた影たちは
つまらない黒一色なんかじゃなくって
きっと色々な色に生まれ変わるんだと思うんだ

もしも宙に本を浮かべることができたなら
影の隣で僕も横になって
次の風が吹くまでじっくりと
そのページを読み続けるんだ