武の道へのこころざし

大道塾の横須賀・湘南支部の責任者が、日々の活動に関する出来事や想いを綴っていきます。

少年部・中学部審査会

2019年10月06日 | 審査会


9月23日の午後に、子供クラスの審査会を行いました。

最近は私から声掛けをしなくても、スタッフとしてご協力して頂ける方がおられるため、とても助かっています。

今後は、もう少しスタッフの皆さんの役割を増やしていく予定ですので、ご協力できる方がおられましたら、都合の良い時だけで結構ですので、よろしくお願いします。

子供達の成長を目で見て肌で感じることで、自分の成長にも繋がってくるものです。



さて、今回の子供クラスの審査会ですが、支部内でこどもクラスだけの審査会を開始してから、26回目を数えます。

支部発足当初は一般部と合同で行っていた審査会ですが、初めてのこどもクラスだけを分けて行ったのは、平成19年(2007年)の春です。

この時の参加者は中学生の参加者はなく、少年部のみ22名が受験しました。

この時の審査会のスタッフは9名です。


ちなみにこの時の受験者の中で、最上級生の一人がまだ追浜道場に所属しており、現在も公務員としての仕事を続けながらも継続的に稽古に参加しています。

この稽古生は中学生のうちに黒帯を取得していますが、一般部での黒帯はまだ取得できていませんので、さらなるレベルアップを目指して稽古を継続中です。

しかし技量的にはとてもレベルが高いため、黒帯取得も時間の問題でしょう。

また、高校生や中学部の稽古生への指導ににも協力してくれています。



さて、今回の審査会の受験者は、中学部を含めて51名の申し込みがありましたが、1名が体調不良で欠場となり、50名が参加しました。

中学部の受験が11名と、中学部の稽古生が充実してきています。

もちろん皆、実力も十分です。

この中で定期的に大会に出場している選手クラスの稽古生は約半数ですが、他の子達も選手クラスの子たちに負けないほどの実力があり、上級者の連続組手の対戦相手にも事欠きません。

基本・移動審査、型審査、組技審査と続き、組手審査に入ります。

組手審査の前半は、4級以下の少年部から中学部の子たちの実力を図るための個別の組手審査です。

後半は、上級者組の連続組手に入ります。

昇段審査では10人組手を行うのが大道塾の全国共通のルールですが、支部内では独自に、2級から1級の昇級審査で5人組手、緑帯の3級から2級への昇級審査に3人組手を行っており、昇段審査の連続組手に備える気持ちと体の準備ができるようにしています。

今回は、昇段審査の10人組手が1人、5人組手が3人、3人組手が1人と、普段以上に連続組手が続きますが、全体的な平均レベルが向上していることの表れでもあります。


少年部でも中学部でもいえる事ですが、組手審査の組み合わせには非常に気を使い、時間をかけて綿密に検討しています。

現在の実力、最近の調子、過去の組み合わせの記録、前回と前々回までの組手審査の勝率など、確認する材料には事欠きません。

攻防の中で、極端な体力差や実力差が出ないように検討を重ねているおかげで、実際の組手審査ではお互いになかなかポイントが稼げません。

また組み合わせに際しては、過去の対戦内容を振り返り、前回いい戦いが出来た人には今回はやや厳しい組み合わせにしたり、負けが続いている人には若干優しい組み合わせにしてみたりと、個人の実力と意欲の向上のためには、こうした十分な下準備が欠かせません。

その中でも、思いのほか十分な実力が出なかったり、思った以上の活躍ができる場合があり、そのたびに私の評価も少しずつ変化していきます。

組手審査の相手が厳しい組み合わせになっている人は、私の期待がかかっている稽古生の子たちです。上手く乗り越えてくれるかどうか、私自身が少しハラハラしながら見守っています。


組手審査以外でも、基本や移動、また型審査や組技審査でも、それぞれに見るべき箇所があり、技の切れが悪かったり、緊張して動きが悪かったり声が出なかったりと、気持ちのメンタル部分も実力と共に見てあげて、細かく指導し、向上させていかなければなりません。


今回の審査会は、全体として技量の底上げが図れている様子でしたが、細かい部分を見れば、指導すべき、力を入れるべき部分が見えてきます。

しっかりと声が出ていたり、集中力が高く維持できていたり、型動作などで切れの良い、きれいで正確な動作が出来ていたり、組手で臆することなく上級者や体の大きな対戦相手に向かっていくなど、指導者側が想定する以上の活躍が出来ている子がいるかと思えば、その反対の場合もあります。

この辺りは、稽古における意識の違いが大きいです。


普段の稽古では集中力を発揮してしっかりと声が出ていても、皆の前で発表する型動作なのでは、多くの観客の前にとても緊張してしまい、動作の順序を間違えたり、緊張で体がこわばって上手く動作できなかったり、下を向いたり声が出なかったりすることがあります。

組手審査でも、相手の迫力に臆してしまい、ふんだんの練習ではほぼ互角に戦えていても、防御に回って後ろに下がってばかりになる子がいます。

普段のミット練習では勢いよく、鋭く強い蹴りが出せていても、いざ実際の組手審査となると、細かい手技ばかりで力強い蹴り技ひとつ出すことができない場合もあります。


これは大人のクラスの稽古生でもいえる事ですが、


「稽古の時は試合での本番の意識で」、また「試合では稽古のようにリラックスをしていつもの動きができるように」、と意識することが大切です。

稽古の中で本番意識を持ってこられるかどうかで、その稽古の質が大きく変わり、実際の試合で通用する本物の技を、普段の稽古の中で磨いていけるようになるものです。

日々の稽古は大切ですが、その時の「意識」が、結果に大きく左右していきます。


今回の審査会も皆、色々と反省点があると思います。

上手くいかなかったときにばかり反省するのが良い事ではなく、上手くいかない時は自分を励まして良かったところも見つける事、また上手くいった時こそ反省の意識を深めることが大切だと思います。


審査会の最後の科目として体力チェックを行いますが、ここでも、最後の根性を見せる子がいるかと思えば、早々にあきらめてしまう子がおり、そのあたりも指導者として今後の指導の為に目の配っているところです。

腕立てやスクワットで、沢山の回数ができる事ばかりが良い事ではなく、自分に挑戦する気持ちを持って物事に臨むこと、そこが大切です。



全体を通して、今回はいつもにも増して、とても良い審査会だったと思います。

頑張る子供たちに声援や温かい拍手を送って下さる保護者の方々にも心から感謝したします。

最後の連続組手の中では涙もありましたが、みな最後まで戦い抜くことが出来ました。



参加された受験者、ならびに保護者の皆様、大変お疲れ様でした。

またスタッフとしてご協力いただいた方々、大変ありがとうございました。

皆さんのご協力で、子供たちが強く逞しく育っていく事が出来ます。

子供達は、自分の事をしっかりと見てくれて、期待し、応援してくれる人が多いほど、頑張りが発揮できるもの。

皆の期待に応えるべく、少年部・中学部の皆には頑張ってもらいたいと思います。



今回の催しで、皆さんまた一皮むけて、一つ成長の階段を上る事が出来ました。

子供たちにとっては、これからの長い人生が待っています。

何事にも負けない強さと逞しさを得られるよう、これからもがんばって行きましょう!!






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