武の道へのこころざし

大道塾の横須賀・湘南支部の責任者が、日々の活動に関する出来事や想いを綴っていきます。

一般部審査会

2019年10月06日 | 審査会


9月23日の午前中に、支部内の一般部の審査会を行いました。

一般部の審査会では、支部内の合同稽古を兼ねており、受験者以外の稽古生にも参加して頂いています。

今回の受験者は11名。

合同稽古参加者、及び審査スタッフが11名で、合計22名の参加です。

今回の合同稽古の稽古指導は、辻堂の小池さんに担当して頂きました。



前半は審査会の号令と合同稽古側の号令が重なり、気合いいっぱいの盛り上がりのある雰囲気の中、とても良い支部の催しになったと思います。


今回の受験者は、シニア世代の稽古生と、少年部・中学部から一般に上がってきた若手の稽古生と二極に分かれたメンバー構成となりましたが、相互の技術交流、実力向上の相互作用を考えて、今回の組手審査では、比較的大きな年齢差の組み合わせも行いました。

それでも全体としては、とてもバランスの取れた攻防が行えていたようです。


ある意味で、若手の育成と合わせて、実力があり指導力のある中高年齢層の上級者の育成を支部の二本の柱としていますので、いい方向に向かっているように感じられます。

ジュニア選手クラスの子供たちの実力が充実したものになってきている現在の課題は、選手クラスを経験していない少年部上がりの高校生や大学生の実力を確たるものにすることと、中高年齢層でこれから黒帯を目指される緑帯から茶帯の方々の高い技術力の習得です。


若手は物覚えがよく、少年部上がりの子たちは蹴り技に優れている傾向はありますが、他方で、地力があり、気持ちが強く、とても打たれ強いところは、色々なスポーツや人生経験を多く重ねてこられた大人の稽古生の方々の強さです。

これはあくまでも支部内の特徴といえますが、いわゆる若手はまだ実力的には十分でなくても、体の使い方が上手く、技がとても綺麗であり、一方で中高年は技術的には上手くはなくても力強さがあり実力がある、というところを、うまく均(なら)していきたいと考えています。

横須賀湘南支部では、普段の稽古内容を打撃中心に組み立てている事もあり、まだまだ組技や寝技のレベルが十分ではありませんが、稽古内容のバランスに関してはもう少し検討していく必要があるかもしれません。

技術的な話になりますが、相手を投げる技術や、締め関節をうまく極める、という組技や寝技系の技術は、とても分かりやすく、ポイントにも繋げやすい部分でもあり、ある意味で評価もしやすいのに比較して、打撃のスキルに関しては、ある程度の大きな技量の差が無ければ、実際の攻防の中では見た目に優劣が分かりにくく、技量の高さが必ずしもそのまま勝敗につながらないこともあり、しっかりとした技量の修得には非常に時間がかかるものです。

そのため、投げ技(首相撲を含む)や寝技の練習に多くの時間をかける試合志向の団体(支部)もありますが、こと大道塾の競技体系では、投げ技や寝技の攻防に制限時間があり、マスクと道着着用での攻防を行うこともあり、打撃の技量の向上が非常に重要になってきます。

これは、競技における重要性と合わせて、実戦の中での護身的な観点からもとても重要な部分であり、大道塾の攻防はこうした実践性をかなり意識したルール作りを行っています。


ある意味で、見た目には観客アピールがしやすいものではありません。


日本のキックボクシングで見られるようにKO率が決して高くないのは、安全性を高めたマスクを着用し、道着着用で組技を認められているため。

最近の総合格闘技のように血だらけになり、馬乗りになり相手に打撃を加える乱暴さ(ある意味で過度に過激さをアピールした攻防)がないのは、正々堂々と戦うことを求められる武道性と、一般国民の誰もが学ぶ価値のある基盤としての社会体育を想定した、安全性に留意したルール作りがあるためです。

そのため、ルールが大変複雑でとてもわかりにくい部分もありますが、そのあたりが安全性や大衆性との兼ね合いであるものだとすれば、そうした分かりにくさの中であっても、現在のルール作りの努力は、一定の評価に値する部分であるかもしれません。



今回受験が出来なかった方も多くおられますが、実力向上の階段は一気に登ればよいわけではなく、着実に一歩一歩、歩みを重ねた上での確実な実力は、自分に対する圧倒的な自信と、心の強さの安定性に繋がってくるものです。



審査結果の発表まで、1、2ヶ月かかります。

発表まで、しばらくお待ちください。






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