サンカ

箕作り弥平商伝記 熊谷達也
講談社
　秋田の寒村の箕作りの家に生まれた主人公は、生まれつき足がびっこでした。
そんなことをものともせず器用な手先を生かし箕作り職人になります。
　そんなおりに駆け落ちまでした姉の不可解な出戻りがありました。しかし姉は理由をがんとして話してくれません。
　やがて自分も家族と同じく各地に箕の行商の旅にでることになります。最初はまったく相手されずに困りはてていました。そこにあらわれたのは、富山の薬売りでした。
　商品の箕はよいできでも売り方の工夫がたりないとさとされます。やがて近くの町で箕の評判もよくなり歓待されて行きます
そんなおりに関東に行商に出かけます。門前払いされるわ、宿には泊めてもらえません。野宿をしているとあげくに警察官に捕まっしまいます。
そんなおりに竹であをだ箕を背負った少女と出会いますが、手痛目にあいます。
なんとか和尚の仲介で興味をもった箕と少女に出会うことがかないました。
そこで目にした生活は、想像を絶する貧困生活でした。それはサンカよばれ流浪の民の生活がありました。 もともとは、箕を作りほそぼそと生活していました。そこで愚連隊の襲撃を受け母親は、足を砕かれ少女は犯されてしまいました。　その場立ち去り行き場失った家族に和尚の計らいでサンカでの新たな生活がはじまりました。
そんな少女に主人公は、恋をしてしまいます。
流浪民であるサンカは人として扱われないばかりか？蔑み対象でした。そんなサンカが作りだす箕は、いくら立派でも一段低い扱いを受けていました。 秋田や東北、北海道でのあたたかい応対とはまったく違っていました。そんな関東に嫁入りした姉には、箕作りは恥じて隠さなければならない状況でした そんなことなどしるよしのない父親は勘当したとはいえかわいい娘の嫁ぎ先の農家に自分の箕を送ってしまいました。それが元で姉は、家を出て秋田に帰ってきてしまう悲しい現実がありました。
そんな中で主人公は少女に求婚します。すると以外な事実を知らされます。妹と思っていた子供は犯されてできた子供だったことです。
解放運動に対する焼き討ちがありお寺に避難します。そんな騒ぎもなんとかおさまりました。
さまざま事情にかかわずそれでもあきらめ切れない主人公はいったんは、秋田に帰ります。 そこには北海道の行商から帰った何も知らない父親が出戻った娘に激怒し大喧嘩になります。
あきらめ切れない主人公は再び上京するもそこには少女の姿も家族もありませんでした。