blueglassの向こう側

厚木市議会議員「奈良なおし」の思うことをそのままに

いち建築士として感じること

2015-10-22 22:13:42 | 建築士会
・・・設計者と現場監督の経験から「ものづくり」の観点で述べれば、「現場」は生き物であり、何が起こるか解らない中で進めていくものであって、勿論、それは事前の調査をしてできうる限り状況把握には努めていくものであるけれど、それでも不測の事態は起きるもの。いちばん大事な事はその後のこと。



例えば施工中、地盤条件が調査段階と異なり「杭の長さを変更しなければならない」という状況があったとする。
「お客様、安全のため、杭の長さを変更する必要があります。申し訳ありませんが、あとxxx万円追加負担ください」
「杭工事を安全に行う関係であと2週間完成を待って下さい」

・・・普通の建築ではこういうやりとりを重ねて完成を迎える(殆どがそういうコミュケーションがあってと思ってます)のですが、建て売り住宅とマンションに限っては、着工した段階では販売価格と完成時期が決まり、不測の事態が起きても「企業努力」でしか対処ができない。故に責任が(弱い方弱い方へと)押しつけられやすくなり、突貫工事や、見て見ぬふりも増加し、建築トラブルではいつも話題に上ってきます。

・・・人口減少、空き住戸問題、進まない大規模修繕等も加えて考えると、もはやマンションという形態そのものがひとつの「リスク」なのかもしれません。いずれにしても、買う前、建てる前には建築士に相談しましょう。
※写真と本文は関係ありません。