南極老人からの星空への招待

かほく市天文施設での出来事や星の会の活動ならびに星にまつわる話

水星と相対性理論

2018-05-19 | Weblog
これから秋ごろまでは惑星が見頃だ
日没後西の空には宵の明星
東の空には木星
9時半過ぎには東の空から土星が登り
11時頃には土星の下から火星が登る
水星はいつも薄明中にしか現れなため見るのが困難だ

惑星の公転軌道は楕円形だ
そして太陽に近いほうを近日点と呼ぶ
この近日点は他の惑星の重力の影響で移動する
この惑星の重力による影響を摂動と呼ぶ

フランスのルベェリエは天王星の他の惑星の摂動から海王星の存在を予測した
また水星の近日点移動は金星、地球、木星等の影響であるが
全ての惑星による摂動を足しても10%足りない
ニュートン力学で計算すると5.32秒/年の移動となるが
実際は5.73秒/年の移動だ
そこで水星の内側太陽との間に未知の惑星があると考え
名前をバルカンと付けて探したが見つからなかった
ところが相対性理論によるズレの量が一致し
惑星バルカンの存在は否定された
もちろん地球や火星も近日点移動は見られるがその量は小さい