南極老人からの星空への招待

かほく市天文施設での出来事や星の会の活動ならびに星にまつわる話

月が接近するアイソン彗星

2013-10-28 | Weblog
27日にGPV気象予報で28日明け方の雲の状況を確認する
28日3時から6時までかほく市では雲が無い
夜9時半に早寝する
翌28日3時起床するもさすがに年をとってもこの時間は眠い
快晴でドームを開ける
さすがに冷気がドーム内に入り込む
厚手を着込み使い捨てカイロを膝に貼る
下弦の月が蟹座におり
しし座におる彗星に近い
光害カットフイルターLPS-P2を望遠鏡に装着する
ISO6400露出30秒で32枚撮影
ひと眠りして画像処理を行う

二つの台風

2013-10-26 | Weblog
先日来27号と28号の台風が発生し
関東地方に接近し
二つとも温帯低気圧になった

被害が少なくて済んだ
二つの台風の距離は1000km以上離れており
合体することはないようだ

高嶋哲夫著のジェミニの方舟は
二つの台風が日本近海の太平洋上で合体し
強力になった台風が関東地方に上陸し
首都圏の川が氾濫し住居の1階部分まで浸水する小説だ

建設途中の高層マンションが付近住民の避難場所になった
その結果知名度が上がり最後はハッピーエンドとなった

ジェミニと言えばふたご座であるが
アメリカの宇宙船のジェミニ計画を思い出す
宇宙開発でソビエトに遅れをとったアメリカは
1960年代までに人類を月に送ると公言し
まずマーキュリー計画で
一人乗りの宇宙船をレッドストーンロケットに
取り付けて弾道飛行した
そしてアトラスロケットで地球を周回飛行した

つぎにジェミニ計画である
これは二人乗りの宇宙船でランデブーやドッキング
および宇宙遊泳の技術を習得するためである
その後に続くアポロ計画で月面着陸を行うために
絶対に必要な技術であった
宇宙船はマーキュリーと良く似た型で
タイタンロッケトを使用し10回の有人飛行を終えて
アポロ計画に移った

そしてサターンⅤ型ロッケトうちあげられたアポロ宇宙船が
1969年7月20日にアポロ11号が月面に降り立った


生涯学習フェスティバル

2013-10-23 | Weblog
例年より1週間早く生涯学習フェステバルが
26日~27日に河北台中学校を主会場に行われます
我が星の会も会員の活動状況や
会員個人が撮られた星の写真を
中学校体育館で展示します
昨夜その準備に行ってきました
小・中学校の生徒の作品等もあり
星の会に割り当てられたスペースは
パネル2枚半と少ないため
内容は凝縮した物に成っているはずです
(手前味噌ですが)

マイナーな星座

2013-10-18 | Weblog
あまり目立たない星座に
ヘベリウスが1680年頃に加えた7つの星座がある
こじし座、ろくぶんぎ座、りょうけん座、たて座
こぎつね座、とかげ座、やまねこ座である
このうちりょうけん座はコル・カロリーで有名であるが
他は明るい星が無くほとんど星座として探さない星座である

ヘベリウスは45mの焦点距離を持つ空気望遠鏡を作った人として有名である

ペガスス座の鼻先にあるこうま座も目立たない星座であるが
ヘベリウスが加えたものでなく
ギリシャ時代に作られた星座で
プトレマイオスの発表したトレミーの48の星座に載っている
作ったのはヒッパルコスとの説もあるが正確には分かっていない

ギリシャ時代の星座であるからギリシャ神話がこの星座にあっても不思議でない
しかし明確な物語不明である

ベガスス座の鼻先でいるか座との間にある

アイソン彗星

2013-10-14 | Weblog
13、14日と明け方は綺麗な星空でした
早速撮影です
狙うは話題に成りつつあるアイソン彗星です
現在火星と地球の間を太陽に向かって進んでいます
14日の朝4時頃はしし座のレグルスの直ぐ上に火星があり
またそのすぐ上にアイソン彗星がありました
しばらくは火星と並走しながら黄道上を西に進み
月末には彗星は火星と離れ
11月5日頃からおとめ座に入ります
18日頃スピカに接近し
11月29日にさそり座で太陽に接近します
その後太陽の向こうに回り込んで
12月10日頃へびつかいの持つへびの頭を北上します
此の頃には肉眼で見える大彗星に成っている事でしょう
その後月末までヘルクレス座を北上します

1965年に現れたイケヤセキ彗星を思い出します
此の彗星は太陽にわずか45万kmまで接近し
そのため―17等星にもなり昼間の60分間満月より明るく
昼間でも見えたそうです
また乗鞍のコロナ観測所では
太陽を回りこむ彗星の写真撮影に成功し
公開されたのを見て感動した思い出があります

今回観測衛星SOHOによる写真がネットで公開されており
太陽に接近するアイソン彗星の姿を見る事が可能でしょう

写真は14日4時に撮影したアイソン彗星

十三夜の一人酒

2013-10-11 | Weblog
10月17日は後の月といって
十三夜の月を愛でる
栗名月とも豆名月とも呼ばれているが

一人月を眺めながら酒を飲むのも一興

李白の詩に
花間に一壺の酒を持ちだし
一人酌んで相親しむもの無し
杯を挙げて名月を迎える
影に対し三人となる
月既に飲を解せず
影ひたすらわが身に従う
暫く月と影とを伴い
行楽しばらく春に及ぶべし
我歌えば月徘徊し
我舞えば影零乱す
さむる時共に交歓し
酔うた後各々分散する
永く無情の遊を結び
相期す遥かなる雲漢に

遥かなる天の川に再会しようと約束する
月を見ながらの一人酒である


秋の星座と変光星

2013-10-08 | Weblog
ペルセウスとアンドロメダの物語に係る星座が秋にまつられている
エチオペアの王とその妃カシオペア
その二人の子アンドロメダ姫
カシオペアの失言により怒ったポセイドンが放した化けくじら
妖怪メデューサを退治したペルセウス
ペルセウスを載せて空を飛ぶペガサス
この6つの星座が秋の空に配置されている

化けくじらはペルセウスによってメデューサの目の魔力で石になり海底に沈む
化けくじらの心臓に輝くミラは物語に合わせたように
300日の周期で2等星から10等星に変化し
1年のうち数カ月しか確認できない変光星である

星は神が創造したものだから永久不変と考えられてきた
したがって星の明るさが変わる事は考えられなかった
ギリシャ時代には確認されていたミラであるが
途中から不明となり1596年に再発見された時は新星と考えられていた
しかしその後何年も現れるので変光星と考えるようになり
不思議の意味をもつミラが付けられ変光星の存在が明らかになった

そしてその150年後の1783年
イギリスの弱冠18歳の青年グッドリックはメデューサの頭に輝くアルゴルが
まばたく事を知り半年間観測して食連星であると発表した
アルゴルとは妖怪の頭という意味で
化けくじらを石にしたペルセウスが持つ不気味な妖怪の頭にふさわしく
約60時間周期で10時間かけて2等星から3等星に変化する

さらに2年後グッドリックはケフェウスの王冠に輝くδ星の
変光にきずき観測した結果1日かけて4.4等星から3.7等星に増光し
その後4日かけて4.4等星に戻り再び増光を繰り返す
変光星には2種類のタイプがある事を発見した

のちに後者の様な変光星をセファイドと呼び
恒星の直径の増縮によって変光することが判明し脈動星と呼ぶ

1912年リービット女史はセファイドを用いてその星までの距離を求める方法を導いた
1924年ハッブルはこの方法でアンドロメダ銀河は天の川銀河の外にあり
さらにその外に沢山の銀河がある宇宙構造を明らかにした

ちなみにリービット女史がノーベル賞にノミネートされた時すでに亡くなられていた
またハッブルもノーベル賞の受賞が決定されたがその直後に死亡し
結局生存者にしか受賞の権利がないため貰えなかった



秋の一つ星

2013-10-04 | Weblog
フォーマルハウトは
南の一つ星とも秋の一つ星とも言います
南のうお座の口のところに輝き名前は大魚の口からきています
南の低い位置に輝くため北欧では見えるところが限られてきます
そのため日本でのカノープスのように現地では見たい星の一つです
そう言えば南半球に住む人は北極星に憧れます

秋の星座で唯一 1等星の星で秋の一つ星と言われる所以です

地球からの距離は25光年でこと座のベガと同じです
しかしベガは0等星と明るいのにフオーマルハウト1.2等星と少しくらいです
これはベガの直径が太陽の2.6倍に対しフォーマルハウトは1.8倍で
表面温度もベガの9300度に対し8500度と少し低い為です

フォーマルハウトBという惑星が周りを回っています
木星と同じ程度の大きさで可視光で直接発見された最初の太陽系外惑星です
また太陽系の冥王星の外側に分布するカイパーベルトのガスや微惑星のように
フォーマルハウトにも惑星形成ガスが分布します

年齢は2千万年程度と若い星です

ロイヤルスターの一つで
春のレグルス、夏のアンタレス、冬のアルデバランと共に秋の王家の星です
これらの星は黄道付近に分布し太陽や惑星が接近し
それをもとに占いが発達したと言われています
なおフォーマルハウトだけは黄道から星座1つ外れています



2013-10-01 | Weblog
29日薄曇りのなか
強引に昴の撮影を試みた
30秒16枚で星が雲で全く見えなくなった

昴は地球から約380光年先にある散開星団である
120個ほどの集まりで肉眼でも6から7個確認できる
青白く表面温度1万5千度と高温で
6000万年~1億歳と若いが
寿命も短命で一億年あるかなしである

星団を包むように青いガスがあるが
星団と無関係のガスで偶然接近したものだ
このガスは自ら光を発せず
メローペという星団の1つの星から発した光で輝いている
このような星雲を反射星雲と呼び一般には青色である
この星雲をバーナードのメローペ星雲と呼ぶ
メローペから0.06光年(3500天文単位)しか離れておらず
今後2000年~3000年のうちに此のガスとメローペは
交差することになるがその時i破壊されるかもしれない

写真は昴の一部で
右下の明るい星がメローペ