攻防戦

　「　　　　」


お昼寝中の七色。

手足が出ている。

今がチャンスだ！

そっと近付く。




　「　　　　」


まずい。薄目をあけている。

感ずいたのか？？　

いや。このチャンスを逃してはならない。

さっさと　とりかかろう。

左手で七色の前脚を持ち、

右手に爪切りを握って、

よし！

今だ　爪切り　　ＧＯ　ひろみ！






　「　のうある　ななタンは　つめを　かくす　」



くぅ～～～　　　またしても逃げられた。　







　「　おひるね　ぞっこう　　　」



・・・・・・　


ここ３日、毎日、このような「　爪切り攻防戦　」　が繰り広げられているが、

爪切りは一向に進んでいない。　




進んでないと言えば、庭のリフォーム工事も、一向に進んでいない。進む気配すらない。　





それだのに　あ～それだのに、お隣の新築工事は、こんなに進んだ。　

震災後はずっと中断していたので、どうなることかを思っていたが、さすがに日本の技術はスゴイ！　

土台ができたと思っていたら、次の日にはもう家が乗っかっていた。　　おら　　おったまげたよ




それに比べて、　こいつは、爪も切らせやしない。

すずめなんか舌を切られたっていうのに、爪ぐらい切らせたって何の損にもならないじゃんよ。　





　「　おばあさん。よくがふかいと　バチがあたりますよ。　」



・・・・・・誰が　おばあさんだいっ！！　




「　毎年この時期になるとママはフリマの準備で機嫌が悪くなってたけど、今年は中止だから機嫌が悪くならなくていいわ～　」と娘に言われたが、なんのなんの南野陽子　←　古っ。　七色の爪切りで毎日イライラしてるってば。　
私のイライラは、爪切りを嫌がることではなくて、信頼して身を預けてくれないことに対して。以前からずっと気になっていたことなのだけど、七色がお昼寝している時に、ふと足に触れたりすると、ビクっと飛び起きて、ブルブルブルっと身ぶるいをして、急いで離れて行く。過去にいったい何の恐いことがあったのかわからないけど、いい加減、私が優しくて　思いやりがあって　頼りがいがあって　包容力のある人間だということをわかってくれてもいいんじゃＮＥ？？　ってこと　・・・・・はい。そうですね。自分を過大に評価し過ぎました。すみませんでした（　棒読み　）　

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