失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「インペリアル・ヴァイオレッツ」 アンソニー・アドヴァース 1987年

2013-10-28 | 
“Imperial Violets” Anthony Adverse 1987

「THE SHOPPING SPREE」シリーズとしてエル・レーベルのシングル音源を8㎝化した日本独自の企画盤。全20枚リリースされたようだ。このアンソニー・アドヴァース盤は「Vol.5」。1986年と1987年の7インチシングルの4曲を収録。

「THE SHOPPING SPREE」については田中雄二氏のブログで10枚の写真が確認できる。記事によれば、他にキング・オブ・ルクセンブルグ、バッド・ドリーム・ファンシー・ドレス、ハンキー・ドリー、ビド、モーマス、ルイ・フィリップ、ゴル・ガッパス、ジ・アンダー・ニースの盤が存在するらしい。

前半2曲がシングル「インペリアル・ヴァイオレッツ」(1987)の2曲。

①IMPERIAL VIOLETS
(Philippe Auclair)
ルイ・フィリップ作品。ルイ・フィリップのよさが分からない私にとって、「あーやっぱり分からん…」という感想。打ち込みのリズムと、野放図な鍵盤。タイトルが繰り返される高音サビが神経症ぽい。4曲中3分超えはこの曲のみ(3分12秒)。

②FOUNTAIN
(Philippe Auclair)
カップリングもルイ・フィリップ作品。欧州的憂欝に満ちた小品。アンソニー・アドヴァースの乾いた声がお告げのように響く。

後半2曲はシングル「Our Fairy Tale」(1986)から。

③OUR FAIRY TALE
(Bown & Frampton)
オリジナルはThe Herd、1968年のシングルのB面曲。とぼけた味わいの牧歌的メロディがいかにも英国的。囁くように歌うアニー。4曲の中では最もフィットしているように感じる。

④EINE SYMPHONIE DES GRAUENS
(Bid)
オリジナルはモノクローム・セット、1979年のシングル曲。ドイツ語タイトルは1922年の映画「吸血鬼ノスフェラトゥ」の原題から。呪術的なリフと眩暈のようなメロディが悪夢系。ここでのアンさんの凍てつく歌声は、ダグマー・クラウゼのように美しい。

定価1200円、レンタル落ち21円。
2枚のオリジナル7インチシングルのジャケが内側に紹介されている。この短冊ジャケは、なんとなく日本で撮影されたっぽい雰囲気。ライティングとか。


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