朝比奈の弟子、林元植をソウルに訪ねた

2008年04月06日 | 指揮者 朝比奈隆伝 取材日記
朝比奈隆の「お別れの会」では、数人の指揮者が大フィルとともに音楽を献奏した。その指揮者は外山雄三、若杉弘、岩城宏之、朝比奈千足、そして、朝鮮人の林元植だった。
 
林は、みずから「朝比奈の弟子」といっている指揮者である。楽屋での記者会見のあと、私は林先生からソウルの連絡先を聞くことができ、それからまもなくソウルに飛んだのだった。

それは朝比奈がなくなった翌年2002年の春で、サッカー日韓ワールドカップが行われる年だった。林は韓国では文化勲章にあたる賞を朝比奈よりも早く受賞しており、また芸術院会員にも若くしてなっていた。さらにサッカーが好きなこともあって協会の理事でもあり、ワールドカップ直前ということもあって、ともかく多忙をきわめて、携帯電話がしょっちゅう鳴っていた。このころはいまほど携帯は普及していなかったはずで、私はまったく驚嘆したのである。
80歳を越えてもそれほど活動的に人間はなれるものだと・・・・。
朝比奈も東京ではリラックスした雰囲気だったが、大阪フィルの本拠地での取材では、電話がかかることしばしば、こちらも落ち着いて取材できなかった。
元気な老人たちだった。

さて、私がホリデーインに宿泊しているというと、「ではそこのホテルで昼食をまず食べましょう」と林先生はいい、ソウルに着いた翌昼に先生と会うことになった。その翌日も・・・。

つづく

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