素人が書いた野菜作りの本

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農業レポート No.1126 食べ歩き-3 伊勢うどん

2013年01月22日 08時07分34秒 | 日記

                                              食べ歩き-3(伊勢うどん)

                       

先日、お伊勢参りをして、おはらい町で、伊勢うどんをたべ食べて来ました。

伊勢うどんとは、たまり醤油鰹節いりこ昆布等の出汁を加えた、黒く濃厚なつゆタレ)を、軟らかく煮た極太の緬に絡めて食べる。徹底的にコシをなくした極太麺と濃厚なタレが特徴であり、麺を茹でる時間が非常に長く、通常のうどんが15分程度であるのに対して1時間弱ほど茹でる。

非常に濃いタレの色(そばつゆとは別物)から塩辛いと誤解されやすいが、甘みが強く、濃い目の味ではあるが後味はまろやかである。店によって味に違いがある。この濃いタレの色は、たまり醤油の色である。麺は太めで非常に柔らかくもちもちしており、一般的なうどんとはかけ離れた食感を持つ。具をあまり載せないことも特徴である。

江戸時代以前からこの地の農民が食べていた地味噌たまりをつけたうどんを、食べやすく改良したものといわれる。もともと農民が自分たちの食事のために作っていたことから、できるだけ手間がかからず延ばす手間がいらない太い麺と、また安く済むネギだけの具といううどんが形作られたのではないかと考えられている。

浦田町橋本屋七代目である小倉小兵がお蔭参りの参詣客へと供するためにうどん屋を開業したのが、伊勢うどん屋の最初と言われている。すぐに参拝客に提供できるように常に茹で続け、必要量を釜揚げしていたため、茹で時間を気にしなくてよいうどんが適していたともされる。他に、神宮へ長旅をしてきた人向け(疲労が溜まっている人向け)の食事として江戸時代に開発された料理であり、疲労が溜まった人向けなので消化が良くなるように麺が柔らかいという特徴を持つようになったのではないかという説もある。いずれにしても料理人ごとに手法は異なる場合もあるが、それぞれの料理人が伊勢うどんの特徴である麺の柔らかさを出すべく工夫している。

伊勢うどんは、ゆで続けているため、すぐに提供できること、また、汁がないため、すぐに食べ終わることができる。お伊勢参りで混み合う客を次々さばくのにも適したメニューである。

ベトナムホイアンには「カオラウ」という小麦を原料とする太麺の料理があり、17世紀前半の朱印船貿易時代の伊勢商人が持ち込んだ伊勢うどんをルーツとする説がある。

「伊勢うどん」という名称は1960年代以降に名づけられ定着していったが、それまでは地元の家庭では特に他地域のうどんと違う点があると意識されることのない料理の一つであった。伊勢市麺類飲食業組合ではそれまで「並うどん」や「素うどん」と呼ばれていたものを、1972年に「伊勢うどん」に統一した

この地方の小麦栽培では「農林61号」が主流であったが、地域産業振興の活動の中、低アミロース品種である「あやひかり」がこの伊勢うどんに向いていることが明らかとなり、2003年平成15年)より奨励品種として採用されている。

最近は、三重県内の高速道路SA・PA・東名阪自動車道御在所SA伊勢自動車道安濃SA嬉野PAで売られたりしている。ゆで麺を真空パックにしてだしをつけた商品は、中京地区・京阪神などの百貨店近畿日本鉄道の駅売店などでも販売されている。