*第10章 植物生育のため養素
* 10-1 植物生育に必要な16種類の元素
植物が生育するのに必要なものは、太陽エネルギー・水・土・空気の四大要素であるが、植物がより健全な成長をなすには、それ以外に16種類の元素が必要である、その元素は次のものである。*N;窒素 *P;リン *K;カリウム *S;イオウ *Fe;鉄 *Mg;マグネシウム * B;ホウ素 *Zn;亜鉛 *Mn;マンガン *Mo;モリブデン *Ca;カルシウム *Cu;銅 *Cℓ;塩素 *O;酸素 *H;水素 *C;炭素、これらの元素は、水・空気・土の元の岩石の成分として存在した物である。16の元素を充分に根から吸収出来るなら健全な生育を遂げるが、一つでも欠ければ栄養欠乏の兆候を示すのである。16元素中、窒素・リン・カリは他の元素より多量に必要であり、植物生育の3大元素と呼ばれ、カルシウム・硫黄・マグネシウムは第2の元素と呼ばれる。ホウ素・鉄・亜鉛・モリブデン・塩素は植物生育に必要で養素と呼ばれている。
* 10-2 植物生育に必要な元素の要点
元素の植物に対する作用や不足の影響について
元素 |
植物に吸収され易いpH |
植物に対する作用 |
不足による作物への影響 |
N
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6.5~7.0 窒素 |
成長初期に若い葉に大量に必要、蛋白を作る能力を調整、深緑色にする。土壌から水に溶解し易く、容易に吸収される。小麦・レタス・20日大根等の水分を形成する。 |
葉が小さくなり、色が薄くなり、黄色化して落葉花や果実が少なかったり、蕾や葉の発生が遅れたりする。過剰は、成長を遅らす・葉が大きすぎ、病気・干ばつ・寒さに感じやすい。 |
P |
6.5~6.8 リン |
成長初期は多く、後になると摂取量は少なくなる、原形質の活性元素。根の成長促進、花を咲かせ実結促進、体内の循環をよくする。 |
成長阻害、果実成熟の遅れ、根の組織の発育の遅れ、種の生育不良。 過剰はあまり植物への危険性はない。 |
K |
6.5~7.0 カリウム |
植物内の糖と澱粉の合成と移動、病気に対する抵抗、根の発育を助長する。 |
成長が遅くなる。葉の先端がまだらになる。古い葉の端の周囲が焦げたようになる。 |
S |
6.5~7.0 イオウ |
根の組織と豆類の小結瘤を増加、土壌のアルカリを落す。 |
窒素と同じ、成長が遅れ熟成が延びる。若葉が薄く緑から黄色になる。 |
Mg |
6.5~7.0 マンガン |
豆類の小結瘤の増加、酵素組織を活性化して油の含有量に影響を与える。 |
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