かなりの長編で分厚い一冊だったが、
読み進むにつれて面白く、加速度がついて、
終りの三分の一は、MRドーナッツでコーヒーのお替りを頂きながら、
一気に読ませてもらった。
弥次さん北さんで有名な、江戸時代後期の戯作作者十返舎一九の物語。
もともとは駿府の武士の家に生まれながら、
家を飛び出て、江戸、大阪、そして江戸と遍歴を重ねて、
特異な個性で、二度も商家の婿養子となる。
大阪では浄瑠璃作家、江戸では戯作作家に転進し、
当時のベストセラー作家(山東京伝)の延長線の作品から、
やがては「東海道中膝栗毛」で独自の境地を開いて、
日本の文学史に名を残すことになる。
松井さんの小説に親しむにつれて、
江戸時代の文化がどんなものであったのか、大変興味をそそられる。
子供の頃に聞いたが、昨今は使われなくなった言葉にいくつも出会った。
耳で聞いたことのある言葉が、「こんな漢字の単語だったのか!」
という場面に何回か遭遇した。
いつの時代もというより、江戸のある時代から、印刷技術の進歩と相俟って、
作家は大衆の求める作品を提供して来たものらしい。
現代の読者に江戸時代の戯作がそれほど面白いものではない(と思う)が、
少ない読書人口しかない当時にあって、
人まねではなく、読者の新しい欲求に答える作品を編み出してゆく営みが、
生活を支えるには程遠い職業だが、とても興味深い。
この世に生まれて、これこそが自分の人生で、生きた証だと言えるような、
何かをつかむのは本当に難しい。なんて事を言える柄ではないが、
この年齢になって、何か一つでも・・・と願わずにはいられない気持ちになった。
前回読んだ「東洲しゃらくさし」に出てきた、蔦谷重三郎がこの本でも登場する。
一代で大きな版元(現代で言う出版社)を作り、
優れた作家を世に送り出した情熱的な出版人として描かれている。
東洲斎写楽は謎の絵師と呼ばれているそうだ。
松井さんの小説も一つの仮説で書かれているが、
最近のヨーロッパでの研究で謎が明かされそうだとの番組を
先日NHKでやっていた。
「東洲しゃらくさし」「そろそろ旅に」どちらの作品からも、
江戸時代後期の日本の庶民文化を、楽しく垣間見させてもらった。
浄瑠璃、歌舞伎、戯作、自分のジャンルが少し広がったようで嬉しい。
読み進むにつれて面白く、加速度がついて、
終りの三分の一は、MRドーナッツでコーヒーのお替りを頂きながら、
一気に読ませてもらった。
弥次さん北さんで有名な、江戸時代後期の戯作作者十返舎一九の物語。
もともとは駿府の武士の家に生まれながら、
家を飛び出て、江戸、大阪、そして江戸と遍歴を重ねて、
特異な個性で、二度も商家の婿養子となる。
大阪では浄瑠璃作家、江戸では戯作作家に転進し、
当時のベストセラー作家(山東京伝)の延長線の作品から、
やがては「東海道中膝栗毛」で独自の境地を開いて、
日本の文学史に名を残すことになる。
松井さんの小説に親しむにつれて、
江戸時代の文化がどんなものであったのか、大変興味をそそられる。
子供の頃に聞いたが、昨今は使われなくなった言葉にいくつも出会った。
耳で聞いたことのある言葉が、「こんな漢字の単語だったのか!」
という場面に何回か遭遇した。
いつの時代もというより、江戸のある時代から、印刷技術の進歩と相俟って、
作家は大衆の求める作品を提供して来たものらしい。
現代の読者に江戸時代の戯作がそれほど面白いものではない(と思う)が、
少ない読書人口しかない当時にあって、
人まねではなく、読者の新しい欲求に答える作品を編み出してゆく営みが、
生活を支えるには程遠い職業だが、とても興味深い。
この世に生まれて、これこそが自分の人生で、生きた証だと言えるような、
何かをつかむのは本当に難しい。なんて事を言える柄ではないが、
この年齢になって、何か一つでも・・・と願わずにはいられない気持ちになった。
前回読んだ「東洲しゃらくさし」に出てきた、蔦谷重三郎がこの本でも登場する。
一代で大きな版元(現代で言う出版社)を作り、
優れた作家を世に送り出した情熱的な出版人として描かれている。
東洲斎写楽は謎の絵師と呼ばれているそうだ。
松井さんの小説も一つの仮説で書かれているが、
最近のヨーロッパでの研究で謎が明かされそうだとの番組を
先日NHKでやっていた。
「東洲しゃらくさし」「そろそろ旅に」どちらの作品からも、
江戸時代後期の日本の庶民文化を、楽しく垣間見させてもらった。
浄瑠璃、歌舞伎、戯作、自分のジャンルが少し広がったようで嬉しい。
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