物語を食べて生きてます

アニメや小説など物語に感謝を込めて

深読み探偵大神空也 ふぁいる四十一 焦土作戦

2008-07-06 22:37:26 | 深読み探偵 大神空也
薫コーヒーを楽しみ
 優雅に私は新聞を読む
紹介しておこう
 私は 探偵 大神 空也
 今日も迷える子羊が救いを求めて我が探偵事務所のドアを叩く。

ヘッドライン
<大分・教員採用汚職>教員採用「カネとコネ」とうわさ絶えず 暗部に踏み込む
 ◇校長・教頭贈賄で子供合格

「どうです、この事件。こんなことが国民の知られないところで行われていたんですよ。
 それがついに正義の一刀両断。
 この教育に蔓延る暗部、是非先生の深読みをして下さい」
 20代くらいの青年、背権 詩等豆が我が事務所に駆け込むなり意気揚々と記事を掲げ
興奮している。
「確かに、何で今更メスが入ったのかそこに興味が引かれるな」
「はれ、先生そっちに惹かれるの?
 公務員のこの体質については」
「公務員の子は公務員。
 公務員はカネとコネ次第。
 そんなこと今更言われなくてもな~。
 私の田舎だって市役所に採用されるのは、金とコネがある奴だけだぞ」
「へっそうなんすか?」
「そうだよ。
 公務員は世襲制の仕事、そんなこと誰だって知っている。
 君はそんなことも知らなかったの」
「はあ」
 背権は顔を赤くして俯いてしまった。
「でも、ほんとうに何で今更メスを入れたのでしょう?」
 私の有能なる助手ユリ君がお茶を置きつつ聞いてきた。
「まあ、普通に考えればスケープゴート。
 最近公務員への風当たりが強いから、もっと凄い暗部を隠すために、取り敢えず適当な
これに犠牲になって貰ったと」
「妥当すぎて、面白くないっしょ」
 こちらは、アルバイト所員椿くん。
 いいツッコミだ。
「その通り、そんなありきたりのことなどこの深読み探偵大神空也がするか、してたまる
か。
 暫し待て、今この空也あっと驚く、深読みをしてやる」
 警察と教育。
 この二つを繋ぐ糸は何だ。
 潜れ潜れ。
 深読みをしろ。

 なぜ同じ公務員同士がこんなことをする?
 その狙いは。

 ある日の公務員サミット開催
A「最近、国民調子に乗ってねっ」
B「そうっすね。誰のおかげで生きていられる思ってるって感じ」
C「お上に意見するとは不届き千万」
D「いっちょお灸すえね」
E「いいっすね」
A「じゃあ、こんなのはどう?」
 斯くして開始される反攻作戦

 こんな餌で教育界マスコミ大叩き
       ↓
 領民も踊らされて教育界を大叩き 一揆が始まる
       ↓勢いに乗って進軍する一揆
 先生への不信高まる
       ↓更に領地深くに敵を誘い込む
 モンスターペアレント増殖
       ↓まだまだもっと領地に引き込む
 モンスターペアレント調子に乗って暴れまくり
       ↓補給線が伸びきる
 モンスターペアレントに批判が高まる
       ↓補給線が切れた。
 子供が手を付けられなくなる
       ↓反撃開始
 親たちに批判高まり、領民同士で馬鹿なつぶし合い
       ↓
 やっぱり先生様にさからっちゃなんねえだとなる
       ↓
 ひいてはお上に逆らっちゃいけねえだになる
 
「くわっ読めた。
 これは公務員が仕掛けた、焦土作戦だったんだ」
「それは一体」
 背権が尋ねてきた。
「撤退の時期を見誤ると取り返しがつかないということだ」
「撤退って勝っているのに逃げるんですか?」
「そうだ、ほどほどに勝つそれが大事なのだよ。
 さもなくば、補給が切れる間もなく一気に相手の息の根を止めるかだ」
「難しい戦いですね」
「そうだ。まさしくヤ○提督のような方が必要な時期なのかも知れない」
「そこまで追いつめられているのですか」
 私の考えを悟ったのか深刻そうな顔でユリ君が言う。
「大丈夫っしょ」
「なぜだい椿くん?」
「外国に行けばいいっしょ」
 椿はあっけらかんと言い切った。
 そうだな、何も日本人だから日本に拘る必要はないのかも知れない。
 将来、転職成らず天国が普通になる時代が来るかもな。
 はれ!? 天国って・・・。 


 このお話は、完全オリジナルのフィクションです。
 存在する人物団体とは、一切関係ありません。

↓面白かった押して下さい。次回作の励みになります。
にほんブログ村 小説ブログ ライトノベルへ



最新の画像もっと見る