先ずはお読みください。
「毎日完全醗酵」さんからの転載です。
昔から、種麹屋さんの「種麹」の作り方は「秘伝」と言われていますが、稲麹が昔は元の原菌だったのではないかという考えもあります。今や、「種麹」は買うものという常識がありますが、これを「稲麹」で作っている蔵は他にないのではないかと思います。
「種麹」を作る時は、通常の麹の製造と違って、玄米をわずかに精米して(あまり精米しない:精米歩合97%くらい)使います(お米が茶色く見えす)。これは、表面のヌカが、長期的に培養する時の、麹菌の栄養源になるからです。(写真は、蒸したお米を冷ましています)
70℃くらいまで冷めたら、「木灰」を混ぜます(普通の麹作りでは灰は入れません)。不思議なことに、ほとんどの微生物は灰のアルカリ性に弱いのですが、麹菌は都合良く生えるそうです。面白いですね!(灰のミネラルも栄養になります)「稲麹」には、麹菌を主体に他の菌も混ざっていますが、灰を混ぜる事によって雑菌は淘汰されて、麹菌だけがほぼ純粋に培養されるそうです。灰を使う方法は、純粋培養の技術が存在しない室町時代にはすでに使われていたと言われています。日本の醗酵文化はすごいです。
転載以上
花さか爺さん」のお話 日本昔話 から転載
花咲じじい
むかし、むかし、おじいさんとおばあさんがおりました。
子どもがおらんので、いっぴきの白い犬をたいへんかわいがっておりました。
ある日のこと、うらの山の畑で、その白い犬が吠えていた。
「わんわん、わんわん」
「なにか、けものでも追い出したんか。」
おじいさんはそう思うて行ってみると、犬が畑のひらのところを足で掘っとったんじゃ。
あんまり犬がおおさわぎするんで、「ああ、こりゃあ、なにかあるかもしれん。」と思うたおじいさんは、家からくわを持ってきてほってみんさった。
そしたら、たいへんな大判や小判や宝物が出てきたんじゃと。
たいへんよろこんだおじいさんは、家にもってかえっておばあさんに話した。
それをとなりのおじいさんが聞きよった。
「あそこの犬があんなものを掘るようなら、わしもあの白い犬を借ってきて宝物をあててやろう。」
となりのおじいさんは、その白い犬を借りて、むりやり山の畑につれて行って掘らした。ところが、そこからは、かわらや焼き物のめげものばっかりが出てきた。
そいで、そのおじいさんは腹を立てて、その犬を殺してしもうた。
おじいさんはかわいそうなことをしたと、死んだ犬をもろうてかえると家の近くにうめてやり、その印に松の木を植えんさった。
松の木はぐんぐん大きゅうなっていったんじゃ。
おじいさんはその木を切っていかいうすをこしらえると、そのうすでおばあさんと餅をついてんじゃ。
ところが、餅にならんこうに、うすの中から大判小判が飛んで出よった。
「これは、たまげた。」と、おじいさんとおばあさんは二人しておお喜びしんさった。
この話を聞いたとなりのおじいさんは、「わしにそのうすを貸してくれ。わしもひとつ餅をついてみるけえ。」と、そのうすを借りて帰って餅をついてみたが、宝物がでるどころじゃない。やっぱりかわらやなんぞが出たんじゃ。
となりのおじいさんは腹を立てて、うすをたたき割って焼いてしもうた。
おじいさんが、「どねいしたんか。」というと、「どねいいうても、つまらんけえ焼いてしもうた。うすはあの中じゃ。」と、灰を指さした。
おじいさんは灰をきれいに持って帰ると庭先においた。
そこへ、風が吹いてきて灰が飛んでいったところの木の枝に花が咲いたんじゃ。
おじいさんがたいへん喜んでいるところへ殿様がお通りになったんじゃ。
「そこで何をしとるんか。」と、家来が言うた。
「花咲かじい、花咲かじい、かれ木に花を咲かせましょう。」というたら、「そいならひとつ咲かしてみてくれい。」と、殿様が言いんさった。
そこで、おじいさんがその灰を木へほうりゃあ、みんな見事な花が咲いたんじゃ。
「これはあっぱれ、あっぱれ。」
殿様はたいそう喜んでおじいさんにほうびをやりんさった。
これを聞きつけた、となりのおじいさんは、「ひとつ、こんだぁ、その灰をもろうてやってみよう。」と、のこりの灰を持って殿様の帰りんさるのを待っていた。
「このまえのような花を咲かせてみい。」と、殿様がいいんさった。
となりのおじいさんは、「よし。わしも一つほうびをもらわにゃあ。」と思うて灰をまいたりゃあ、殿様の目や口に入って、殿様はひどい目にあいんさった。
「おまえはにくいとこえおする。」と、となりのおじいさんはしばられて、ろうやへぶちこまれたちゅう。
ほうびどころじゃあない。
となりのおじいさんは、とうとう、ろうの中でいっしょう終わったという話じゃ。
転載以上
殺伐として、不安一杯の今の我が国、この物語を思い出すとほっとして何故か涙さえ流れてきます。このお話には、我が国の最高の知恵と技術が隠されていると思いませんか?判る人には判っていることかもしれませんが。
「毎日完全醗酵」さんからの転載です。
昔から、種麹屋さんの「種麹」の作り方は「秘伝」と言われていますが、稲麹が昔は元の原菌だったのではないかという考えもあります。今や、「種麹」は買うものという常識がありますが、これを「稲麹」で作っている蔵は他にないのではないかと思います。
「種麹」を作る時は、通常の麹の製造と違って、玄米をわずかに精米して(あまり精米しない:精米歩合97%くらい)使います(お米が茶色く見えす)。これは、表面のヌカが、長期的に培養する時の、麹菌の栄養源になるからです。(写真は、蒸したお米を冷ましています)
70℃くらいまで冷めたら、「木灰」を混ぜます(普通の麹作りでは灰は入れません)。不思議なことに、ほとんどの微生物は灰のアルカリ性に弱いのですが、麹菌は都合良く生えるそうです。面白いですね!(灰のミネラルも栄養になります)「稲麹」には、麹菌を主体に他の菌も混ざっていますが、灰を混ぜる事によって雑菌は淘汰されて、麹菌だけがほぼ純粋に培養されるそうです。灰を使う方法は、純粋培養の技術が存在しない室町時代にはすでに使われていたと言われています。日本の醗酵文化はすごいです。
転載以上
花さか爺さん」のお話 日本昔話 から転載
花咲じじい
むかし、むかし、おじいさんとおばあさんがおりました。
子どもがおらんので、いっぴきの白い犬をたいへんかわいがっておりました。
ある日のこと、うらの山の畑で、その白い犬が吠えていた。
「わんわん、わんわん」
「なにか、けものでも追い出したんか。」
おじいさんはそう思うて行ってみると、犬が畑のひらのところを足で掘っとったんじゃ。
あんまり犬がおおさわぎするんで、「ああ、こりゃあ、なにかあるかもしれん。」と思うたおじいさんは、家からくわを持ってきてほってみんさった。
そしたら、たいへんな大判や小判や宝物が出てきたんじゃと。
たいへんよろこんだおじいさんは、家にもってかえっておばあさんに話した。
それをとなりのおじいさんが聞きよった。
「あそこの犬があんなものを掘るようなら、わしもあの白い犬を借ってきて宝物をあててやろう。」
となりのおじいさんは、その白い犬を借りて、むりやり山の畑につれて行って掘らした。ところが、そこからは、かわらや焼き物のめげものばっかりが出てきた。
そいで、そのおじいさんは腹を立てて、その犬を殺してしもうた。
おじいさんはかわいそうなことをしたと、死んだ犬をもろうてかえると家の近くにうめてやり、その印に松の木を植えんさった。
松の木はぐんぐん大きゅうなっていったんじゃ。
おじいさんはその木を切っていかいうすをこしらえると、そのうすでおばあさんと餅をついてんじゃ。
ところが、餅にならんこうに、うすの中から大判小判が飛んで出よった。
「これは、たまげた。」と、おじいさんとおばあさんは二人しておお喜びしんさった。
この話を聞いたとなりのおじいさんは、「わしにそのうすを貸してくれ。わしもひとつ餅をついてみるけえ。」と、そのうすを借りて帰って餅をついてみたが、宝物がでるどころじゃない。やっぱりかわらやなんぞが出たんじゃ。
となりのおじいさんは腹を立てて、うすをたたき割って焼いてしもうた。
おじいさんが、「どねいしたんか。」というと、「どねいいうても、つまらんけえ焼いてしもうた。うすはあの中じゃ。」と、灰を指さした。
おじいさんは灰をきれいに持って帰ると庭先においた。
そこへ、風が吹いてきて灰が飛んでいったところの木の枝に花が咲いたんじゃ。
おじいさんがたいへん喜んでいるところへ殿様がお通りになったんじゃ。
「そこで何をしとるんか。」と、家来が言うた。
「花咲かじい、花咲かじい、かれ木に花を咲かせましょう。」というたら、「そいならひとつ咲かしてみてくれい。」と、殿様が言いんさった。
そこで、おじいさんがその灰を木へほうりゃあ、みんな見事な花が咲いたんじゃ。
「これはあっぱれ、あっぱれ。」
殿様はたいそう喜んでおじいさんにほうびをやりんさった。
これを聞きつけた、となりのおじいさんは、「ひとつ、こんだぁ、その灰をもろうてやってみよう。」と、のこりの灰を持って殿様の帰りんさるのを待っていた。
「このまえのような花を咲かせてみい。」と、殿様がいいんさった。
となりのおじいさんは、「よし。わしも一つほうびをもらわにゃあ。」と思うて灰をまいたりゃあ、殿様の目や口に入って、殿様はひどい目にあいんさった。
「おまえはにくいとこえおする。」と、となりのおじいさんはしばられて、ろうやへぶちこまれたちゅう。
ほうびどころじゃあない。
となりのおじいさんは、とうとう、ろうの中でいっしょう終わったという話じゃ。
転載以上
殺伐として、不安一杯の今の我が国、この物語を思い出すとほっとして何故か涙さえ流れてきます。このお話には、我が国の最高の知恵と技術が隠されていると思いませんか?判る人には判っていることかもしれませんが。
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