東京映画日記

映画の鑑賞記録、映画情報へのコメント、個人の日記なんか書いてきます。毎日更新できるといいなぁ。

グッバイ、レーニン!

2005-02-13 21:58:35 | DVD
ひっさびさにDVDを見た。
劇場で見たくて見れなかった「グッバイ、レーニン!」。
久々のドイツ映画なので期待いっぱい。
なんでかというとドイツ映画は昔はまっていたのだ。
大学時代に「ノッキンオン・ヘブンズ・ドア」「バンディッツ」「ラン・ローラ・ラン」とドイツ映画にははずれなしって勝手に思っていた。今回は「エス」以来のドイツ映画なのだ。

ベルリンの壁崩壊前の東ドイツである家族の物語。その家族の父親は10年前に家族を捨て、西ドイツへ亡命してしまう。残された母親は東ドイツへ忠誠を誓い、東ドイツ発展のために奮闘する。主人公のアレックスは母親とは反対に反政デモに参加し、その息子をみた母親は心臓発作のために倒れてしまう。そして8ヶ月間昏睡状態になってしまう。その間にベルリンの壁が崩壊し、ドイツが統一してしまう。その後に母親の意識が戻り、アレックスは母がショックを受けないようにと東ドイツはそのままだと嘘をつき、周りの人にも協力するように走り回るのだが・・・。

1990年、激動のドイツを背景にした映画。社会主義である東ドイツと資本主義である西ドイツの統一をそれぞれに関して皮肉っているように感じた。壁が壊れただけで西ドイツのマルクが通過となり、スーパーは東ドイツのものをすべてなくし、西ドイツのものへ交換。東ドイツの人々は西ドイツへ。この激動のドイツに関してこの映画を見るまでほとんど知らなかった。もっと背景を知っていれば今以上に映画を楽しめたのではないか?と悔しく思う。
アレックスは母親に対して自分の理想と思う東ドイツを作り上げていく。そして、母親はその東ドイツの形に喜んでいく。母親のために奮闘する息子、すべてを理解して息子を嘘を聞き続ける母親。それぞれがそれぞれを思い、嘘を重ねていく。嘘はときには必要なものなのかもしれないと思ってしまう。人を心から喜ばせたいという嘘であるならば。この映画をみた後は家族に対して優しい気持ちになれるような気がした。


★★★★

グッバイ、レーニン!(2003年:ドイツ)
監督:ヴォルフガング・ベッカー
出演:ダニエル・ブリュール
   カトリーン・ザース
   チュルパン・ハマートヴァ
   マリア・シモン

オーシャンズ12

2005-02-08 13:27:59 | 映画
ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、アンディ・ガルシア、マット・デイモン、ジュリア・ロバーツ、キャサリン・ゼダ・ジョーンズ、
これだけの豪華キャストが揃う映画は類を見ない。全員が他のハリウッド映画では主演として成り立ってしまうレベルが揃い踏み。
前作のオーシャンズ11は豪華キャストが集まり、監督のソダー・バーグがうまくまとめた形で、スターだらけという嫌味がない後味のよい映画に仕上がっていた。
さて今回はどうなるのか?と淡い期待を持って劇場へ向かった。

ストーリーは、前回のカジノ強盗から3年後、オーシャンはテスと再婚し、幸せな生活をすごしていた。ある日、メンバーそれぞれのところに強盗されたカジノのオーナーのベネディクトが現れ、そして盗んだ金を利子をつけて返せとメンバーを脅す。メンバーは再集結し、新たな盗みをするためにアルステルダムへ。そこにはラスティーのかつての恋人のイザベルと再会するのだが、
彼女はユーロポールの刑事だった。彼女の追う盗賊ナイト・フォックスも絡らんだ、だましあいが始まった・・。

はっきり言ってある意味期待どおり。薄い。薄っぺらい。
中身がまったくない。大体、前回の金返すために新しい盗みをするというのはどうだろう?
あまりにも受動的すぎやしないか?せっかくのアンディ・ガルシアもメンバーを尋ねるぐらいしかシーンがない。
あのゴッド・ファーザーⅢで光まくってたあの人をそれだけに使うってのはゴッド・ファーザーファンにとっては許しがたい!
ジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツ、ブラッド・ピットとキャサリン・ゼタ・ジョーンズの恋愛シーンもあるが、はっきり言っていらない。
また、ある種メンバー全員にスポットを当てようとしすぎてセリフも数人でしゃべりまくるというのもあり、わけがわからず眠くなってしまった。
目的もはっきりせずに、愛だとだましあいだのといろんなものに手を付けようとしてまとまりがない。
ある有名スターもカメオ出演し、ある女優を本人が演じるというところは面白かったが、ある種パーティの余興?という程度。
スターだらけの中身からっぽのパーティ映画。久々にDVDでいいやと思ってしまった。



オーシャンズ12(2004年:アメリカ:Ocean's twelve)
監督:スティーブン・ソダーバーグ
出演:ジョージ・クルーニー
   ブラッド・ピット
   マット・デイモン
   ジュリア・ロバーツ
   アンディ・ガルシア
   キャサリン・ゼタ・ジョーンズ
   ヴァンサン・カッセル


パッチギ!

2005-02-07 18:10:55 | 映画
久しぶりに映画を見た。
仕事が忙しくて全然行けなかったので、1月の新春ものが全然見れなかった。
なので、うっぷんばらしに絶対面白いと思われる井筒監督の最新作「パッチギ!」を見に行った。

ストーリーはというと、1960年代の京都。私立の高校に通う松山は自分でやりたいことが見つからず友達とつるんで毎日を過ごしていた。
そんなとき、自分の学校の生徒が朝鮮学校の生徒に嫌がらせし、そこからバスをひっくり返すほどの大喧嘩が始まってしまう。
その後、学校にて松山に担任から「朝鮮学校行って親善試合申し込んでこい」と命じられてしまう。恐る恐る朝鮮学校に行き、そこである少女と出会い、一目ぼれしてしまう・・。

この作品のテーマは重い。朝鮮と日本の歴史がテーマである。
朝鮮人に対して日本人がやってきたことを目の辺りにされ、思わず涙が出てきた。
最近の朝鮮問題も交え、今の若者が知っておかなければいけないものを伝えようとしている井筒監督のメッセージがこめられているのがわかる。
「こんなことも知らんでどうするんや?」とゲキをもらっているかのように。

この重いテーマを重く感じさせないところがこの作品のすごいところ。
日本の高校生がフォークギター片手にラジオで朝鮮の歌を歌い、朝鮮人と日本人の間に子供が生まれる。
でもこのシーンを決して大げさにするのではなく、笑いも交え、観客に「愛があれば、朝鮮も日本もないんだ」と訴えかけている。
喧嘩シーンだらけだし、ヤンキーみたいな高校生ばっか登場するが決して卑下するようなものではなく、その高校生の熱い思いが
伝わってくる。終わった後も思い現実を見せ付けられた!と思うのではなく、すがすがしく劇場を後にできた。
この現実をいい映画として若者へ伝えたがっている井筒監督と、熱いメッセージがこめられているこの作品に敬意を表したい。


★★★★


パッチギ!(2005年:日本)
監督:井筒和幸
出演:塩谷瞬
   高岡蒼佑
   沢尻エリカ
   楊原京子