夏にはコワい話が付き物だが、8月20日放送のNH KBSプレミアム『ダークサイドミステリー』はゾンビ特集だった。タイトルが「今熱い!ゾンビ人気の秘密〜恐怖と進化の90年〜」、番組サイトでは内容の詳細も載っている。
―あなたが最近見たエンタメ、「死んだ人がよみがえる」が多くありませんか?今、空前のゾンビブーム。10年続く世界大ヒットのゾンビドラマ。ファン投票一位ゾンビアイドルアニメなど、昔はホラー専門だったのに、こんなに一般作品に進出した魅力の秘密とは?
登場!世界最初のゾンビ映画。「ゾンビの父」が生んだ魅力3原則?日本発!世界を変えたゾンビ?「ゾンビは人間か?」裁判って?ゾンビ90年の歴史と魅力を楽しく紹介!
最近のエンタメは殆ど見ていないため、ゾンビがそれほど人気となっているとは知らなかった。ゾンビ映画といえば、何となく'70年代のオカルトブームの後に登場したと思っていたが、意外なことに戦前から作られていたことを番組で初めて知った。ゾンビ映画の元祖は早くも'30年代に制作されていたが、ゾンビ映画の様式が確立されたのは68年公開の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』以降とか。
ゾンビと言えば人を襲って食べ、食べられた人間もゾンビ化して理性を喪失、頭部の破壊以外は不死身の化け物というキャラで知られる。『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の監督ジョージ・A・ロメロは、「ゾンビの父」と云われるようになった。
私が初めてゾンビ作品を見たのは、映画館ではなくТVだった。『バタリアン』がそれで、ゾンビが登場する毎に「脳みそ~」と言っていたのは印象的。この作品の怖いところは、化学物質により死体が蘇生しゾンビ化すること。人間のみならず標本にされた動物まで生き返るのは不気味だった。ちなみに映画タイトルをもじった『オバタリアン』という漫画も生まれている。
80年代後半にはキョンシーが登場する香港や台湾映画もТV放送され、キョンシーは日本でも知られるようになった。米映画のゾンビは全般的に動作がぎくしゃくしているが、両手を前に真っ直ぐ伸ばしたまま飛び跳ねるキョンシーの姿はユーモラス。額にお札を貼ると、さすがのキョンシーも動かなくなるのは笑えた。そのほかの作品は見た記憶がない。
ただ、今回の特集で最も興味深かったのはゾンビ裁判。サム・ライミ監督作品『死霊のはらわた』をめぐり、ドイツでは何と「ゾンビは人間か?」が論争となったという。この作品は暴力的とされ、ミュンヘン地方裁判所はビデオ回収令を出したそうだ。その根拠となったのは当時のドイツ刑法131条。131条は次の通り。
「人間に対する残虐な或いは非人道的な暴力行為、人間の尊厳を侵害するような描写は最長1年の懲役または罰金に処する」
ゾンビ裁判は実に7年に及び、ビデオ回収令は検閲に当たるとして、ドイツ連邦憲法裁判所が退けたのは1992年10月20日のことだった。但しその後、刑法131条は人間だけではなく、人間のようなものも対象になると改正が行われたそうだ。ゾンビにも“人権”を配慮するドイツ人の心情は病膏肓に入るとしか見えない。
90年代にはいったんゾンビ映画は低調に陥るが、以降は盛り返し再びブームとなったそうだ。最近は走るゾンビが登場したり、アイドルを目指す美少女ゾンビが主人公の日本のアニメまであるらしい。私的には裁判沙汰にまでなった『死霊のはらわた』が見たくなった。
ゾンビ復活に貢献したのは日本のゲーム「バイオハザード」だったそうで、映画『バイオハザード』なら私も映画館で見ている。この作品にも数多くのアンデッド(ゾンビ)が登場、ヒロインのアリスがアンデッドを倒すシーンは痛快。
ゾンビといえばここでも取り上げられた「バイオハザード」ですが、リメイク版ゲームにゾンビと戦うこのような「ヒロイン」が出てきます。最後のシーンが意味深ですが、彼女の正体は何でしょうか(グロテスクなシーンがあります)。
https://www.youtube.com/watch?v=Mc6TAQMZnco
グロテスクな場面とコミカルなキャラクターの対比が滑稽です。
ゾンビと戦う「ヒロイン」がプリン型で、しかも関西弁を話しているのは笑えます。これが九州弁なら印象も違ってくるでしょう。ラスト近くではかなり食べられていますが、ゾンビは豆腐やプリンも食べる雑食系だった?
このようなコミカルなキャラクターを生み出せるクリエイターの発想もすごい。
世間での評判はいい)「戦争のはらわた」という映画がありますが、当時のゾンビ グロブームで
変なタイトル和訳タイトルになってしまったそうですね。原題は「IRON CROSS(鉄十字勲章)」
・・・・・一族がユンカーで軍人だらけの士官が
自分の面目のために勲章を欲しがり、無理な功
を求めた結果「一将功成り名りて万骨枯れる」
というのが主題なんですがねえ。グロシンーンも
あるんだけどなんだかなあな話です。
ユンカーのことは松本零士の漫画関連で知りました。それにしても邦題がひどすぎる。これでは戦争で狂った兵士が人間のはらわたを口にするストーリーと誤解する人もいたかもしれません。
全部グロテスクな場面があります。
ういろう
https://www.youtube.com/watch?v=A_IGdV1XioQ
こんにゃく
https://www.youtube.com/watch?v=xITvT16wYe8
杏仁豆腐
https://www.youtube.com/watch?v=HNrLkXRZKIs
豆腐
https://www.youtube.com/watch?v=h-G8uT2tzHk
選ばれているのはどれも外皮が水気を含み、長方形でも違和感のない食材ですね。しかし、食材が言葉を発しながら、手もないのに武器を持って突進する光景も傍から見たらシュールです。
豆腐とプリンだけでなく、ういろうやこんにゃく、杏仁豆腐までバイオハザードに登場していたとは驚きます。ラスト近くで毎回「しんど~」とぼやくパターンで、戦う食材が登場するのはバイオハザードだけでしょうか?
たぶんクリエイターは同じ人物なのでしょうね。自分の好物をゾンビバスターにしたのやら。