トーキング・マイノリティ

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間違いだらけの菜食主義 その一

2012-12-09 20:40:31 | 世相(日本)

 菜食主義者(ベジタリアン)を自称する人々はネットでも見かけるし、拙ブログにも参上したことがある。健康を考え菜食主義をとるのは結構だし、本人の自由意志である。同時に己の菜食主義を押し付け宣教する輩もおり、彼らの言い分にはカルト宗教と同じとしか思えないものもあった。菜食主義者全員がそうとは言わないが、胡散臭く病的な感じの者もいたし、殆ど迷信同然の意見もあった。

 私がこれまでネットで見た菜食主義者は医学や科学、栄養学の資格はもちろん、それらの知識があるとは到底思えない者ばかりだった。科学的根拠もなく何でも菜食主義に結び付け、エコや脱原発を唱えたりする。こうなるとデマゴーグそのものであり、伝道を旨とする宗教信者と何処が違うのだろう?拙ブログにベジタリアンであると同時にパスタファリアン(空飛ぶスパゲッティ・モンスター教団の信奉者)と称する人物から、次のようなコメントがあった。
コンビニの飯(おにぎり、弁当)にも変な油が塗られており食べられません。麺(ヌードル)だけが救世主です。RAmen」(2012-07-03 01:52)

 上記のコメント主“秀和”氏はブログ『食と世界』管理人であり、2012-08-23 23:54付でも「愛国心の奪還にはやはり断食と spaghetti ですな」と言っている。余程パスタが好みと思われるが、まさか塩茹でした麺だけを食べているのではなかろうし、カルボナーラやミートソースのように肉を使ったレシピも珍しくない。キノコや野菜を使ったサラダ風パスタもあるが、これだけでは野菜類はとても足りず、炭水化物(糖質)ばかりでは肥満まっしぐらなのだが。

 パスタが小麦粉で作られているのは子供でも知っているし、日本の小麦はほぼ輸入に頼っているのが現状である。国産小麦だけでは到底足りず、最近は米粉パスタも出てきたが、一般にはまだ普及していない。同じ麺でも蕎麦の方が好ましいが、これまた8割近くも輸入だと言われる。秀和氏のいう“愛国心の奪還”に spaghetti では完全に矛盾している。
 愛国心を奪還するには、まず食料自給率を上げることが第一であり、地産地消がベストなのだ。パスタやラーメンは私も好物だし、それを中心に食べるのは自由だが、小麦輸出でトクをしている国は何処なのか、書くまでもないだろう。

“食”を活用した米国の日本支配の構図~B1グランプリの危険性~」というブログ記事がある。管理人ハミルカルさんは青森県八戸市在住者で、私と同じく東北人である。私もこの記事で八戸市が、“B1グランプリ発祥の地”だったことを初めて知った。宮城県でも最近はご当地グルメとして「はっと」を宣伝するようになったが、要するに小麦粉料理である。ハミルカルさんの記事で私が共感した言葉を紹介したい。

そう、GHQは我が国の政治家や高級将校を輩出していた地域を中心に、ラーメン文化を根付かせた訳だ。
このB1ブームやご当地ラーメンのブームも良いが、原料の小麦粉は全てアメリカが握っているのだ。
今後は、B1ブームを徐々に潰してゆき、ご当地ラーメンも許認可制(国産小麦の使用を義務付ける)等にして、主食の自給率を上げる様、努めなければならない。

 2008-02-08付で私も「米食は人をスケベにさせる?」という記事を書いている。1970年代末頃、河北新報のコラムで日本人の米飯食過多を批判した教授がいた。彼の説では米を過剰に食べれば、性細胞を盛んにする成分が体内で増え、その結果人は好色となりやすいとのこと。東南アジアの子沢山がいい例であり、要するにあまり米を食べ過ぎれば、人間はスケベとなり、子作りに励むようになるという主旨だった。
 かつてはこんなバカげたコラムを書いた教授もいたのだ!今では笑い草だが戦後の一時期、米を食べるとバカになる、米を食べない民族(欧米人)は優秀だ…などと煽った文化人もいたし、意図せずとも当人は日本に食糧を売りつけたい海外大企業の宣伝マンになっていた訳だ。
その二に続く

◆関連記事:「粗食のすすめ

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