録画していたBS世界のドキュメンタリー「イヌイットの怒り」を見た。私が見たのは2018年12月13日再放送の録画で、原題もズバリ、ANGRY INUK。制作はNational Film Board of Canada(カナダ 2016年)。以下は番組サイトでの解説。
―カナダ北極圏のイヌイット。伝統のアザラシ漁が動物保護団体の標的となり、暮らしが危機に!新世代のイヌイットが、SNSを駆使して世界を相手にした“戦い”に乗り出す。
アレッサは、イヌイットの村で生まれ育ったディレクター。長老たちから、アザラシの肉を主食とし、毛皮を売って生計を立ててきた伝統の暮らしと、大自然を敬う心を学ぶ。漁は生態系への脅威ではないが、“絶滅”イメージを喧伝する保護団体の政治力に押され、EUなどで規制強化が進む。
アレッサは学生グループに呼びかけ、現代のツールを使って民族文化の発信に乗り出す。若きイヌイットたちの、学びと覚醒の旅をドキュメント。
動物保護団体が活動し始めたのは1960年代になってからで、連中は豊富な資金にモノを言わせ、アザラシ漁を邪悪な行為と喧伝するようになる。だが、動物保護団体は現地に来たことは全くなく、実情を確認した試はなかったという。イヌイットの人たちが団体に連絡を取ろうとしても、応じたことさえなかったそうだ。
1983年には往年のフランス女優ブリジット・バルドーがこの活動に参加、一躍アザラシ漁反対運動は世界的な注目を浴びるようになる。wikiにも次の解説が載っている。
「2009年、動物の倫理的扱いを求める人々の会、通称PETAの会員で、同会の広告塔であるバルドーは、「カナダのアザラシ猟に対する抗議活動」として、カナダ産メイプルシロップのボイコット運動を行っている」
バルドーといえば、かつては高価な毛皮を纏ったセックス・シンボルとして知られたが、それが一転して動物保護運動にのめり込み、団体の広告塔になった。大半の日本人には有名人の奇矯な振舞いとしか思えぬが、大スターの呼びかけには絶大な効果があり、そのためアザラシ漁を生活の糧とするイヌイットの暮しは大打撃を受ける。
漁を諦め、カナダの白人と同じ暮しをするイヌイットも現れた。しかし、カナダ人と同じ学校に通ったイヌイットの子供達は教室で差別や虐めに遭うことも多かったそうな。かつてイヌイット社会では自殺は殆どなかったが、それが社会全体に蔓延するようになったという。
特集に登場したイヌイット女性で印象的だったのは、額や顎、手首などに入れ墨をしている人が多かったこと。対照的に男性には入れ墨は見かけなかった。
イヌイットの習慣で最も興味深かったのは「歌合戦」。かつてイヌイット社会で嫌なことをされると、皮肉を込めた歌で文句を言い、相手もそれに応じて歌で反論したという。「歌合戦」では怒った方が負けとされ、まして暴力は論外だった。このような平和的なやり方に共感した視聴者も少なくなかっただろう。だが、暴力も辞さない動物保護団体には全く通じないのだ。
新世代のイヌイットが規制強化に突き進むEU本部に行き、自分たちの訴えを述べたパンフレットを配ろうとするも、EU関係者の殆どは受け取らなかった。
一方、動物保護団体が予め作った白いアザラシの子供のぬいぐるみは評判がよく、EU幹部の多くはそれを受け取る。会場の電子掲示板には、頭に角のあるアザラシ漁の漁師の図が繰り返し映され、漁師イコール悪魔というキャンペーンを行っていたのだ。
SNSを通じてイヌイット女性が情報を発信すると、こんな書込みが寄せられた。
「レイプされて苦しめ!」「喉を切られるべきだ!」「動物と児童を虐待するヤツは地上から消え失せろ!」
日本のネット上の暴力性を非難する有識者センセイだが、他国はさらに酷いのはガン無視らしい。特集を見て、怒りを覚えた視聴者は私だけではなかったはず。いくら相手の良心や理性に訴えても、効果はないことが理解できただろう。
白人の動物保護団体の言動に、かつての十字軍精神を見た想いにさせられる。キリスト教の延長にある狂信性は恐ろしい。尤も連中は中露などに対してはアクションを起こさないので、十字軍に準えるのは不適切かもしれない。
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日本もとうとうIWCを脱退することになったようだが、欧米諸国が鯨油だけを搾り取って残りを海に捨てていたのに比べ、日本は一切を丸ごと利用し「もったいない」精神の具現化のように鯨を利用してきたのだ。乱獲を責任を日本にだけ押し付けようとする態度には怒りを覚える(鯨は賢いというなら牛や馬だった充分賢いゾ!)。
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イヌイットの女性が入れ墨をしているのはアイヌ民族との共通性が伺えるようだ。アイヌの人たちは獲物を神からの贈り物として考え、決して無駄に乱獲したりしない。ヒステリックな保護団体はもう一度自らの行いを省みるべきなのである。
https://www.ifaw.org/japan/our-work/saving-seals
ただし、ここ(IFAW)は捕鯨には全面的に反対。
郷里では大晦日に鯨を食べる習慣があるので、捕鯨の全面禁止はクリスマスに七面鳥を食うなと同レベルでの文化破壊だと思う。
ただし、人の家の庭で獲るのはあれなので、日本沿岸での漁に限定すべきなんだろう。
仰り通りイヌイットは決して乱獲はせず、アザラシの肉だけではなく皮や骨、全て利用しています。にも関わらず、諸悪の根源のようにアザラシ漁を責め続けます。連中がイヌイットの呼びかけを完全無視、決して現地に来なかったというのも極めておかしい。
このドキュメンタリーを見て、捕鯨の件と重なって腹が立ちました。牛や豚は神が人間の食料のために与えた家畜なので問題なし、と件中はほざいていますが、全人類がキリスト教の神を信仰しているのではない。動物保護団体員からベジタリアンになる者も多いらしく、基地害ぶりに拍車がかかるようで。
イヌイットもアイヌも入れ墨をするのが女性というのは、同性から見ると奇妙に思えます。南米のインディオには男性も入れ墨をする部族がいますが、もちろんヤクザではありません。
シロクマがアザラシを食糧にするのは、食物連鎖で仕方ありませんが、飢えたシロクマの雄は同種の子供を襲って食べます。他の猛獣も同じようなことをしているのは何とも…
IWCは捕鯨を適正に続けるために鯨保護を考える機関だったのに、今や反捕鯨のための団体に成り下がってしまい科学的資料を提示しても聞く耳持たずなのですから、脱退は宜なるかなと。この決断も長期政権となった安倍内閣でなければ出来なかったかも。
よく聞くのが「鯨とイルカは『賢い』から」なのですが、これってスッゴイ差別なんですよね。無意識に口にしてるところが、西欧人の選民意識故だと思うのですが・・・。人間に置き換えたら、ヒトラーの優勢政策と同じこと言ってるんですよ?と。頭悪かったら食(殺)っちゃっていいんですか?って。
友人は、外人に「食べられないものはありますか?」と尋ねられたら(ベジタリアンか、宗教的なことを聞かれてることは十分に知りつつw)「なんでも食べますが、鯨の脂身だけは苦手です」と答えるそうです。必ず「他の部分は食べるのか?」と驚いて聞いてくるので、食ったこともないくせに反対してんじゃねぇ!と言いたいところをグッと堪えて、隅々まで如何に美味しいか、また骨まで人形浄瑠璃の道具に使われると説明するのだと。孤軍奮闘しています。
そういえば最近、鯨を食べさせる店に外人客が来るようになったとか。ただの怖いもの見たさでしょうけれど。
子どもが「ダーウィンが来た」を良く見ていますが、雄が他の雄の子を殺すのはごく普通のことです。だから出産直後の母ネコは気が立っています。
IFAWがHPで誇らしげに述べているように、1980年代に欧州でタテゴトアザラシの赤ちゃんの毛皮の輸入が禁止されました。アザラシの赤ちゃんの漁を、私もТVで見たことがあります。頭をこん棒で殴って仕留めるやり方なので、とても残酷な印象を受けました。今にして思うと、動物保護団体のプロパガンダ映像だったのかも。
ただ、30年も前に赤ちゃんアザラシ漁は禁止されているにも関わらず、未だにその映像を動物保護団体は繰り返しメディアで使っているそうです。そしてIFAWは捕鯨も全面的に反対していたのですね。全く全世界規模の文化破壊には怒りを覚えます。
私の地元・宮城県は捕鯨基地があり、商業捕鯨が再開されたとしても手放しでは喜べません。反捕鯨のテロリストが来るのを危惧する地元民もいます。連中を手助けする日本人(特に女が多い)もいますからね。
先のコメントにもありましたが、鯨は賢いというなら牛や馬だって充分賢いですよ。乱獲は論外ですが、捕鯨が残酷なら家畜のも同じです。欧米人セレブって、妙な活動にのめり込む傾向がありますね。ちなみにブライアン・メイもPETAから、2012年パーソン・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。国内のアナグマ駆除やキツネ狩りを批判するだけなら結構ですが、、、
ご友人のお話は面白いですね。私は鯨のベーコンが大好きですが、これは捕鯨基地のある石巻で育った父の影響があります。小中学校時代の学校給食で出たクジラ肉は硬くて実に不味かった。しかし、ベーコンは柔かくて美味しい。今では鯨のベーコンは高級食材です。
ただの怖いもの見たさで、鯨を食べさせる店に来る外国人客なら結構ですが、客を装った活動家なら困りますね。SNSで画像を発信、反捕鯨活動に利用するかも。