菅義偉総裁選に立候補せず

菅義偉が自民党総裁選に立候補しないことを表明した。事実上の首相退陣表明だ。色々マスコミに報道されているが、結局は菅義偉が総理総裁では総選挙に勝てないという党内の反発を抑えきれなかったようだ。

麻生太郎はこれより低い内閣支持率、自民党支持率、高い民主党支持率で総選挙に突っ込んだのだから自分が総理ではなくなる時は自民党も道連れだということか。それで自民党が政権に返り咲いたら大派閥を形成して財務大臣を8年もやるんだから大した厚顔だ。しかもその8年も景気が悪かった。全く自民党にも日本にも疫病神だ。

問題は菅義偉の退陣を喜ぶべきかということだ。もちろん私は菅義偉を支持しているわけではない。竹中平蔵やアトキンソンをブレーンにして日本を売り飛ばす菅義偉を支持できるわけがない。

しかし今は総選挙前なのだ。菅義偉が総理総裁のまま総選挙に挑んでいれば自民党は少なくとも単独過半数割れを迎えただろう。自民党、公明党でも過半数を維持できず、維新を連立に加えて政権を維持するかもしれないと予想していた。これは三橋貴明の推測でもある（三橋貴明は自身の政局予測は当たったことがないと自嘲していたが）。

立憲民主党がどの程度議席を獲得するかまでは読めないが、政権交代があり得た。立憲民主党を支持しているわけでもないのだが、腐った自民党よりはマシ、かもしれない。

だから自民党が首相の首をすげ替えて総選挙に望めば、議席減は最小限に収まるかもしれない。それを踏まえると菅義偉退陣を喜ぶべきか否かわからないのだ。

立憲民主党の政党支持率は低いが枝野幸男などはもう首相になる気でいた。だから菅義偉の総裁選不出馬を「無責任」と責めるしかない。新総理総裁になれば総選挙で勝てない可能性が高いからだ。

最優先は経済だ。基礎的財政収支の黒字化目標を破棄ないし凍結して、国債を大量発行する積極財政をやる政治家、政党を支持したい。高市早苗はそれをやると主張しているが、高市早苗が後ろ楯になって貰いたいであろう安倍晋三からして公約を破りまくっている。総理総裁になったあと本当にやるかはわからないのだ。

岸田文雄に高市早苗。河野太郎に石破茂、野田聖子、下村博文が立候補に意欲を示しているとNHKは報道していた。さらに小泉進次郎の立候補もあり得るかもしれない。

高市早苗以外が当選し総理総裁になったならば、野党に票を投じたい。とくに河野太郎にはツイッターでブロックされた。河野談話破棄のツイートをしたアカウントをブロックしているようだ。それだけでもないが、河野太郎は総理総裁の器ではない。

下村博文は財政再建派の領袖の一人だし、石破茂も消費税増税に理解を示していた。野田聖子が当選することはまずあるまい。

小泉進次郎は「セクシー」だから総理総裁はあり得ない。小泉構文と呼ばれる話し方や環境大臣としてレジ袋有料化が政治家としての程度を見事に曝してくれた。

岸田文雄の場合はどうしよう。現段階では最有力候補に見える。今の段階ではわからない。財政再建論者ではあるようだ。

総裁選で政策論争が盛り上がってくれれば良いのだが。

財政に問題はなく財政再建はむしろ有害であり、減税か歳出増をしなければならず、その財源には国債で良いということを政策論争で国民に理解させることができれば経済も上手くいくようになる。

自民党は完全にメディアジャックに成功した。マスコミは自民党総裁選で持ちきりだ。マスコミ報道により自民党に票が流れる。国民とは大衆とは集団とはそのようなものなのだ。

自民党が総選挙で勝つには総裁選でメディアジャックするしかない - 面白く、そして下らない

これでは誰が総理総裁になっても自民党が政権を維持しそうだ。積極財政に転じて貰わねば困るのだが。